連合の「災害復興」政策制度要求から原発関係
本日、毎年恒例の連合の政策制度要求が発表されましたが、今年は通常バージョンに加えて、「災害復興・再生に向けた政策」という別冊版が作られています。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/seisaku/yokyu_teigen2011.pdf(2012~2013年度(2011年7月~2013年6月)「政策・制度 要求と提言」)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/seisaku/yokyu_teigen_saigaifukkou2011.pdf(2012~2013年度 政策・制度 要求と提言「災害復興・再生に向けた政策」)
この災害復興版の中から、原発事故への対応の「雇用労働政策」の部分を抜き出しておきます。本ブログでも、事故以来何回も取り上げてきた問題ですが、こういう形でナショナルセンターがきちんと発信し続けることが重要だと思うからです。
>(1) 福島第一原子力発電所の事故対応に従事するすべての労働者への労働安全衛生対策を強化する。
①発電所内で作業にあたるすべての労働者の安全確保は、第一義的には事業者および原子力事業者が行うべきものであるが、未曾有の事態であり、国の責任として、救急医療体制の整備など、必要な役割を果たす。
②発電所内で作業に当たる労働者の被ばく線量については、電離放射線障害防止規則に則って管理を徹底するよう指導を強化する。特に、内部被ばく防止策とホールボディカウンターによる管理を徹底するよう指導・監督する。また、国としても十分な数のホールボディカウンターの確保に向け支援する。
③作業にあたる労働者の過労防止のため、交替要員の確保など、当該企業が必要な措置をとるよう、指導・監督する。
④電離則に規定された安全衛生教育を、作業にあたるすべての労働者に徹底させる。また、今回に限った措置として、緊急作業時における実効線量の限度を100mSv から250mSv に引き上げたことに対応し、電離則に定められた教育の内容および時間数を拡充する。
⑤放射線被ばくについては、長期的な健康管理が必要であり、離職後を含めて長期的に被ばく線量を管理できるデータベースを早急に構築し、これに基づいて健康管理を実施する。
⑥作業にあたるすべての労働者に対して、熱中症対策や作業環境の改善などの健康管理体制を確立するとともに、メンタルヘルス対策にも万全を期すよう指導する。また、国としても必要な援助を行う。
⑦被ばく線量の限度との関係で、一定期間原発業務に従事できなくなる労働者に対する、解雇などの不利益な取り扱いがないよう、当該企業への指導を徹底し、企業による配置転換、職業訓練や転職支援に対して、必要に応じて国としての助成を行う。
(2) 警戒区域、計画的避難区域およびその周辺で働くことを余儀なくされた労働者に対する労働者への安全衛生対策を強化する。
①一定の放射線量を超える環境下で働く労働者に対しては、保護具の装着、被ばく線量の管理、上限の設定、健康診断の義務づけなど、電離放射線障害防止規則を準用する。
②上記以外の場合であっても、周辺区域で働く労働者の安全確保のために必要な措置を定めたガイドラインを示す。
(3) 原発事故収束までに長期間を要し、多数の労働者が働くことが予想されるため、放射線量や健康への影響などについて、政府として一元化された正確な情報の開示を行う。
(4) 文部科学省の「放射線審議会」に労働災害の専門家を委員に加えるとともに、今回の事故に対応するための措置として、労働政策審議会労働安全衛生分科会の下に特別の「部会」を設置して定期的に開催し、状況報告と対策を議論できるようにする。
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