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2011年6月18日 (土)

連合「新21 世紀社会保障ビジョン」

連合が、「新21 世紀社会保障ビジョン」を公表しました。

はじめに作られたのは2002年で、

http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/21hoshouvision/200210_honhen.pdf

その改訂版が2005年ですが、

http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/21hoshouvision/200509_digest_kaitei.pdf

今回の「新」バージョンは、各論の項目を見ると今まで無かったある重要項目が入ったことが分かります。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/new21hoshouvision/201106_new21vision.pdf

旧版:

Ⅰ 医療保障
Ⅱ 介護保障
Ⅲ 社会福祉
Ⅳ 児童福祉と子育て支援
Ⅴ 年金
Ⅵ 雇用にかかわる社会保障

新版:

1.子ども・子育て
2.社会的セーフティネット
3.年金制度
4.医療保障
5.高齢者福祉
6.障がい者施策
7.居住保障

そう、社会保障といえば厚生労働省の所管範囲という固定観念にとらわれて、住宅問題は入っていなかったのですね。

では、今回の「居住保障」ではどんなことが書かれているのか。

○すべての人々の「居住の権利」(Housing Rights)を社会保障政策に位置づけ、「住宅セーフティネット」を確立する。

○高齢者(施設入居者等を含む)、障がい者、低所得者、失業者などもが住居を確保し、安心して暮らせるよう、現物給付(公営・借り上げ住宅等)または現金給付(家賃補助等)による「住宅支援制度」を創設する。

○施設も「住まい」と位置づけ、ユニットケアを基本とし、個人の尊厳を重視した良質な居住環境を確保するとともに、プライバシーの確保が図られるよう整備する

House

これはやはり、一昨年のリーマンショック以後の事態の中で、住居も社会保障の一環だというヨーロッパではごく当たり前の、そして日本でも戦前には当たり前だった認識が、ようやく浸透してきたことによるものでしょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-af45.html(住宅支援の必要性)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-3cc9.html(『世界』3月号)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-3fdd.html(住宅政策のどこが問題か)

なお、政府の一体改革の議論が大詰めを迎え、りふれは系の反増税論と、「バラマキ」を目の仇にするネオリベ系反増税論と、選挙が気になる正直な人々とが、同床異夢の反増税神聖同盟を結ばんとしているやに見える今日この頃、連合がどのような認識を持っているか、念のため確認しておきましょう。

(4) 積極的社会保障政策を推進するための安定的な財源確保

○積極的社会保障政策の推進、サービス提供の担い手を確保するためには、その費用を賄う財源確保とその「負担の分かち合い」が不可欠である。そのためには、「参加型社会保障」の推進を通じて税・保険料負担についての透明性と納得性を一層高める必要がある。

○今回の連合「新21 世紀社会保障ビジョン」による「給付と負担」の将来推計では、現在(2008 年)の社会保障給付費の総額94.1 兆円が、2025 年度で165 兆円規模と推計される。その内訳は、年金給付費64 兆円(うち基礎年金の税方式化で24兆円)、医療給付費57.5 兆円、福祉関係給付費40 兆円(うち介護24 兆円、子ども・子育て支援10 兆円等)である。

これを賄う社会保障の負担総額は163 兆円で、社会保険料負担が83.7 兆円、公費負担(国、地方負担)が79.5 兆円程度と推計される。【表-Ⅴ-1:給付と負担の将来推計 参照】

○これらの必要な費用は、国民・住民、加入者・利用者による保険料と税負担で賄うことになる。とくに、社会保障の安定的な税財源の確保にあたっては、「公平、連帯、連帯」の理念に基づいて、所得再分配機能の強化に向け社会保障制度改革と税制改革との一体改革が不可欠である。なお、社会保険料の事業主負担は、企業の社会的責任として引き続きその役割は大きい。

○なお、2010 年度のわが国のGDPに対する国民負担率27.6%(租税負担率15.2%)は、デフレ経済と税収の大幅な落ち込みもあり、アメリカの2007 年の国民負担率28.7%(租税負担率21.7%)よりも低く、欧米先進国の中では、最も低い水準にある。

連合「新ビジョン」の将来推計では、2025 年度の国民負担率(対GDP比)は41%程度となり、現在(2007 年)のドイツ39.4%と同水準であり、フランス45.5%、スウェーデン48.6%よりも低い水準である。今後、一定の名目成長があれば、この程度の負担は十分に可能であり、同時に社会保障の機能強化が、社会を支える中間層の再生を通じた安定成長の基盤でもある。【図Ⅴ-2:国民負担率の国際比較 参照】

もちろん、Ⅰで示されている「少子高齢化の進行と家族の変化」「非正規労働市場の増大と格差・貧困の拡大」「社会保障の機能不全と国民皆保険・皆年金の危機」「新自由主義モデルの行き詰まり」「「日本型福祉社会」の限界」「社会保障財源の逼迫と再分配機能の低下」といった現状認識を共有するのであれば、当然のことではありますが、そういう構造的問題意識がなければ、卒然と神聖同盟に入りたがる人々が延々群れをなすのも当然のことかも知れません。

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コメント

http://pokemon.at.webry.info/201106/article_4.html

世界各国に比べ若い世代向けの社会保障支出が足りないという認識は共通していても

「だから老人向けを減らせ」

といっているようなタイトルがつくのが
不思議と言えば不思議です
(議員でもないのに)

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