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2011年5月23日 (月)

国家公務員の月給10~5%削減 震災財源で政労合意

ということで、まずは連合系の組合とは合意に達したようです。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011052301000763.html

>国家公務員の給与削減をめぐる労使交渉で、政府と連合系の公務員労働組合連絡会は23日、月給を役職に応じて10~5%、ボーナスは一律10%をそれぞれカットすることで合意した。7月分給与から減額し、2013年度までの時限措置。捻出できる財源は年間二千数百億円で、東日本大震災の復興に充てる。

労使交渉は全労連系団体との間では難航しているが、25日に予定されている協議でなお理解を得られなくても、給与削減に向けた関連法案を来週にも今国会に提出する。成立すれば1948年の人事院勧告制度の創設以来初めて、勧告に基づかず給与が削減される。

これで、来月国会に提出される予定の法案を待たずして、人事院勧告抜きに、政労交渉で賃金決定するという既成事実が作られたわけです。

連合系組合が給与削減を呑んだのは、もちろん、これが

>連絡会とは、民間との給与格差を人事院が是正勧告する方式を廃止し、給与を労使交渉で決める協約締結権を公務員に付与することも合意した。

昨日書いた「自律的労使関係制度」の第一歩になるからで、戦略的譲歩というやつですかね。

一方で、こちらの組合は

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10900903333.html(国家公務員給与カットは民間給与カットの連鎖へ-公務員バッシングのツケは結局国民が負うことになる)

と語っていて、それはその限りではそれは正しい面があるのですが、公務員バッシングと労働基本権回復の同床異夢が生み出す公務員制度改革という曰く言い難い代物を論じるにはややシンプルすぎる視点とも申せましょう。

本来有しているはずの労働基本権を剥奪されていることの代償としての人事院勧告があるお蔭でやたらな給与削減をされないで済んでいることを褒め讃えるべきなのか、という、なかなかに難しい論点であるわけです。

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コメント

公務員労働組合連絡会は、どうも中央省庁の多くに所属労組を有していないようなのですが、この労使合意の法的効力はどこまで及ぶのでしょうか?

例えば、同連絡会に属さない文部省の労組が給与削減の無効を裁判で争った場合、この労使合意はどういう位置付けになるのでしょうか?

そもそも、法的根拠が無いから、この労使合意とは無関係に判断されるだけかもしれませんが。

仰るとおり、現時点では非現業公務員に団体交渉権はありませんから、団体交渉ならぬ「交渉」で「合意(アグリーメント)」したとて、そんなものに「団体協約(コレクティブアグリーメント)」としての「法的効力」もなにもないわけです。

その意味では、全労連系の組合が「こんなものは違法だ!」と主張するのは法律学的にはそれなりに正当でないわけではないとはいえ、「そもそも労働基本権剥奪が間違っている、人事院勧告制度はおかしい」と主張してきた身で、労働基本権剥奪を前提にした制度をちゃんとやらないからといって訴え出るというのも、あんまり格好いいものでもないわけです。

逆にいうと、今回の削減は公務員制度改革の先食いなので、「やっぱり団体交渉権はやれません」という話になると、元に戻って「こんなものは違法だ」となるという仕組みですね。

http://www.asahi.com/politics/update/0523/TKY201105230376.html


>政権は労働基本権を拡大する国家公務員制度改革関連法案とともに、給与法改正案を6月3日に閣議決定したい考え。

野党が給与削減だけ賛成して公務員制度改革には反対して食い逃げされた場合にどうなるか、という政治問題が残りますが。

仮に非現業公務員に団体交渉権がすでに与えられていたとしても、協約による給与引き下げは組合員にしか適用されないという問題がありますね。連合系にせよ全労連系にせよ、組合が協約が拡張適用されるほどの組織率を持っている省庁もほとんどない(国税庁くらいでしょうか?)でしょうし。

また、今回の給与引き下げを就業規則改定による労働条件の不利益変更とみなした(無論、労基法や労働契約法の適用外なので無理なみなしですが)とすると、事業場の単位をどうするかはともかくとして、国家公務員の場合多くの省庁で過半数組合がなく、過半数代表を選出して意見聴取したわけでもないので無効、ともいえそうですね。

加えて言えば、今回の公務員制度改革によっても労働基本権が回復されない自衛隊、警察、監獄職員等や、これまで人勧に準じて給与改定を実施してきた非公務員型独法、地方公務員等においては、自分達の代表が関与していない交渉で給与引き下げが事実上決まることになるわけで、一般職非現業国家公務員(治安関係以外)は曲がりなりにも労使交渉で給与が決まるが、これに準拠して給与が決まる他の多くの労働者は事実上労使交渉で自分達の給与を決める権利を奪われたままということにもなりかねません。

いずれにせよ、今回の給与改定交渉を労働基本権回復の先取りと評価するにしても、代表性の点でだいぶ筋が悪いのではないかという気がします。

労組の本来の目的は、職員の待遇や環境の改善であって、「自律的労使関係制度」やその他の政治目的のためではないので、状況に応じて主張を切り替えるのは、格好悪くないと思います。個々の職員は、別に学問的な一貫性を求めている訳でも無いでしょうから。
(もちろん、全労連系労組が政治時活動をしていないと思っている訳ではなく、あくまでも今回の直接的な対応だけについての話です。)

さらに、連合系労組の対応を戦略的譲歩という見方をするのも微妙な気がします。

もともと、政府与党(正確には、自民政権時代からですが)は、協約締結権復活までは予定していた訳ですから、今回の給与削減と「自律的労使関係制度」とは、元々リンクしていたとは言えないと思います。

戦略的譲歩というなら、せめて、給与削減と引き替えに(近い将来の)スト権復活の言質を引き出すとか、そういう対応があって然るべきと思います。

そういう対応のない連合系労組の対応は、政府与党の支持団体の一つである連合(や自治労等)の意向が強く反映した一方的譲歩ではないでしょうか?
(何故か、地方公務員に対する言及等が多かった点でもそのように感じました。)

http://d.hatena.ne.jp/furisky/20120207/p1

公務員バッシングと世界の常識

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