« 「フクシマ50のヒーロー」を誰が守るのか@宮本光晴 | トップページ | 『<若者の現在>政治』 »

「キャッシュ・フォー・ワーク・プログラム」 @『労基旬報』

『労基旬報』 5月25日号の「人事考現学」に、「キャッシュ・フォー・ワーク・プログラム」 を書きました。労働関係者への紹介という感じで。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roukijunpo110525.html

>去る3月11日に東日本大震災が発生し、東北太平洋岸の多くで津波による壊滅的な被害がもたらされた。政府も緊急に「「日本はひとつ」しごとプロジェクト」をまとめるなど、迅速な動きを見せているが、ここでは最近震災雇用対策としてネット上で提唱され、注目を集めつつあるキャッシュ・フォー・ワーク(CFW)プログラムを紹介したい。ネット上で一つの政策提案が立ち上がっていく構図が浮かび上がってくるからである。
 震災直後にこの概念を提唱したのは、関西大学社会安全学部准教授で公共政策(防災・減災・危機管理)・地域経済復興が専門の永松伸吾氏である。彼は震災直後の被災地を現地調査し、3月13日にブログ「減災雑感」で、「これまでの災害対応と同じ事をやっていてはだめだと実感した」と述べ、「やがてやってくる復旧・復興期に備え、少ない資源で最大の効果を上げる被災地支援策」として、「被災者を復旧・復興事業に雇用して、賃金を支払うことで被災者の自立支援につなげる方法」であるCash for Work (CFW) プログラムを提案した。
 これを読んださまざまな方面の人々が賛意を表し、具体的な実現に向けた意見交換や議論を行うネットワークとしてCFW-Japanが立ち上がり、3月25日にCFW提案書(永松私案)がまとめられた。そしてこれと同時に、賛同者がネット上のメディアで発信を始める。3月28日に教育社会学者の本田由紀氏が朝日新聞のネットメディア「WebRonza」で「震災復興にCFWを活かそう」を書いたのを皮切りに、29日には永松氏本人が日経ビジネスオンラインに「今回の震災復興は従来のやり方が通用しない」を、4月3日には経済学者の飯田泰之氏がシノドスジャーナルに「ハーフボランティアとしての日本版CFW」を発表した。また、労働史研究者の金子良事氏も「CFW(Cash-for-Work)構想の先にあるもの:復興から地域振興へ」でさらに突っ込んだ議論を行っている。
 この議論が興味深いのは、これが雇用対策の歴史では戦前から戦後まで行われた経験のある失業対策事業と通じるものでありながら、それとはいったん切れた知的世界から提唱されており、それゆえに労働専門家が陥りがちな失業対策事業への偏見からも自由に議論が展開されているというところである。震災復興対策は日本の総力を挙げたプロジェクトとなるが、今後このCFWプログラムの発想がどのように採り入れられていくか、注目に値する。

|
|

« 「フクシマ50のヒーロー」を誰が守るのか@宮本光晴 | トップページ | 『<若者の現在>政治』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/40190669

この記事へのトラックバック一覧です: 「キャッシュ・フォー・ワーク・プログラム」 @『労基旬報』 :

« 「フクシマ50のヒーロー」を誰が守るのか@宮本光晴 | トップページ | 『<若者の現在>政治』 »