女は風俗、男は原発
昨日発売の『週刊ダイヤモンド』はでかでかと「原発」特集ですが、
http://www.diamond.co.jp/magazine/20243052111.html
その中に、ジャーナリストの窪田順生さんの「大量の放射線を浴びながら低賃金 原発労働者たちの悲惨な現実」という見開き2ページの記事が載っています。
>「もうこの店で飲むのも最後かもな。福島ではかなり危ない場所に行かされるから」
>「やばい場所には東電社員は行かず、高い放射線を食うのはいつもオレたち。それが原発の常識だよ」
というあたりは、まだ先日の『東洋経済』の記事と似たようなトーンですが、読み進んでいくとだんだんさらにやばくなってきます。
>例えば、ある原発から孫請けしている建設会社が、広域暴力団のフロント企業だというのは地元では有名な話だが、電力会社は知ってか知らずか問題視していない。
>「問題視どころかむしろ重宝している。裏社会は“後がない人々”を原発に送り込める独自のルートを持っているから」
これでもそうとうにやばいですが、その先はいよいよ・・・
>そして、もう一つのルートが多重債務者だ。貸金業法改正によって、正規の業者から融資を受けられなくなった人が、いわゆるヤミ金から斡旋されて作業員になるケースもあるという。
>「女は風俗、男は原発というのが昔からの常識。元金にもよるけど、利子を引かれて元に残るのは5000円とか。一杯飲んでタバコ買ったら終わり。だからなかなか辞めない。でもよく働くよ、最近の多重債務者は。ほかに貸してくれるところがないからだろう」
ちなみに2003年改正まで、職業安定法には兼業禁止規定がありました。もとをたどると戦前の職業紹介法に由来し、料理店業・飲食店業・旅館業・古物商・質屋業・貸金業・両替業等と職業紹介事業との兼業は禁止されていたのです。「借りた金を返せねえのなら、体で返してもらおうか」という世界が現実にあったからですが、改正時にはそういう現実が遠いものに感じられるようになっていたのでしょう。
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>改正時にはそういう現実が遠いものに感じられるようになっていた
これ、嘘でしょう?遠いものになった、ということにしただけじゃないんでしょうか。
投稿: k | 2011年5月18日 (水) 04時17分