連合が休息時間の検討へ
『労働新聞』5月16日号に、「“休息時間”検討へ 連合 7月以降、2年以内に」という記事が載っています。
>連合がまとめた“政策・制度 要求と提言」原案のうちの「雇用・労働政策」の項では、「休息時間(勤務間隔)規制の導入に向けた検討」が始めて盛り込まれた。
>・・・労働時間短縮の有効な手段として最近日本でも注目されており、(EUと)同様の制度を産業全般に普及させることが可能か否かを含め、連合レベルでの検討に着手する。
一昨年から取り組んでいる情報労連に加え、今春闘で始めて製造業で協定した三菱重工について紹介した後、
>・・・原案に異論の声は上がらず、6月の中央委員会で正式に確認し、7月以降、2年以内に着手する。
と、述べています。
わたくしがホワイトカラーエグゼンプションの議論に対して細々と唱えだしてから4年間で、着々と認識が深まっているように見えます。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/sekaiexemption.html(「ホワイトカラーエグゼンプションの虚構と真実」 『世界』2007年3月号)
>「労働時間の長短ではなく成果や能力などにより評価されることがふさわしい労働者」であっても、健康確保のために、睡眠不足に由来する疲労の蓄積を防止しなければならず、そのために在社時間や拘束時間はきちんと規制されなければならない。この大原則から出発して、どのような制度の在り方が考えられるだろうか。
>私は、在社時間や拘束時間の上限という形よりも、それ以外の時間、すなわち会社に拘束されていない時間--休息期間の下限を定める方がよりその目的にそぐうと考える。上述の2005年労働安全衛生法改正のもとになった検討会の議事録においては、和田攻座長から、6時間以上睡眠をとった場合は、医学的には脳・心臓疾患のリスクはほとんどないが、5時間未満だと脳・心臓疾患の増加が医学的に証明されているという説明がなされている。毎日6時間以上睡眠時間がとれるようにするためには、それに最低限の日常生活に必要不可欠な数時間をプラスした一定時間の休息期間を確保することが最低ラインというべきであろう。
EUの労働時間指令において最も重要な概念は「休息期間」という概念である。そこでは、労働者は24時間ごとに少なくとも継続11時間の休息期間をとる権利を有する。通常は拘束時間の上限は13時間ということになるが、仮に仕事が大変忙しくてある日は夜中の2時まで働いたとすれば、その翌朝は早くても午後1時に出勤ということになる。睡眠時間や心身を休める時間を確保することが重要なのである。
これはホワイトカラーエグゼンプションの対象となる管理職の手前の人だけの話ではない。これまで労働時間規制が適用除外されてきた管理職も含めて、休息期間を確保することが現在の労働時間法政策の最も重要な課題であるはずである。
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