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2011年5月29日 (日)

「フクシマ50のヒーロー」を誰が守るのか@宮本光晴

201106 水曜日に、わたくしの文章だけアップした『ビジネス・レーバー・トレンド』6月号の東日本大震災特集ですが、もうひとり福島原発作業員の問題を取り上げた宮本光晴さんの標題の文章から、いくつかの一節を引用しておきます。

どう見ても、こちらの文章の方が魂が入っていますね。

>・・・しかし彼らをヒーローと賞賛すれば済むわけではない。いかに「決死」の作業であったとしても、安全基準を無視していいわけではない。・・・・・・自衛隊のヘリコプターから散水するという素人考えの作戦に対しては、防衛大臣が危険であると抵抗し、かつ出動した隊員にはイラクでの作戦と同様の特別手当が与えられたそうだ。しかし民間企業の従業員には安全の盾となる声は聞こえてこない。・・・・・・・これはもう労働基準監督署の出番である。あるいは組合の出番のはずだ。しかし福島原発の作業員を守る声は一向に聞こえてこない。

>・・・では福島のヒーローにはどのような賞賛と報償が向けられているのか。賞賛と報償どころか、現実の「決死」の作業は東電の関連会社や協力会社に任されている。それらの従業員が正社員か非正規社員かを詮索することはやめるとしても、ヒーローとしての処遇からほど遠いことは容易に想像できる。今からでも遅くない。東電、東芝、日立の正社員にも関連会社の非正規社員にも、「決死」の作業の結果には、全て国家が責任を持つことを表明すべきである。東電に降りかかるのは「決死」の作業の重圧であり、それはさらに関連会社に降りかかり、そしてこの重圧があと数ヶ月は続くのであれば、現場の作業員を守る力は国家にしかない。しかしその声は政府からは一向に聞こえてこない。いや東電の責任を叫び、重圧をかけることしか眼中にないようだ。

>・・・・・・この有様を見て「日本は無能」と嘲る論調が韓国でも中国でも強まっているとのことであるが、それに抗弁する手だてはない。・・・忍耐強い国民であると世界から賞賛されることはほどほどにして、日本の復興はこの屈辱の認識から始める以外にないのである

最後のパラグラフになると、ほとんど憂国の叫びに近い感じです。

(参考)

わたくしの文章は:

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/blt-ff2b.html(東日本大震災の労働法政策@『BLT』)

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