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2011年5月13日 (金)

メンバーシップ型判例法理がジョブ型労働者を苦しめる

先日本ブログで取り上げた件について、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-b1db.html(気がついたら原発作業)

厚生労働大臣が業界に要請しましたが、

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105130173.html(原発で作業「求人時に明示を」 厚労相が業界に要請へ)

>大阪市で求職した男性労働者が、求人内容とは異なる東京電力福島第一原子力発電所敷地内での作業に従事させられていた問題を受け、細川律夫厚生労働相は13日の閣議後会見で、東京電力や業界団体に対し、求人内容を適切に明示するよう要請する方針を示した。

いうまでもなく、労働条件明示義務は労働基準法が定める極めて重要な基準のはずですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-2df0.html(メンバーシップ型新卒採用に労働条件明示義務はない件について)

>制定時には当然のようにジョブ型雇用契約を前提として設けられたこの規定は、日本の裁判所によって、メンバーシップ型の新卒採用には原則適用しないとされています。

>こういうふうに、労働実定法は世界共通のジョブ型を前提として規定していながら、判例法理は現実のメンバーシップ型に適応した形で進化してきた点が、日本の労働法制を理解する上で最も重要なポイントなのです

もちろん、判例法理が語っているのは、新卒採用のような典型的なメンバーシップ型採用についての話であって、福島原発の作業にあいりんの労働者を募集するような典型的なジョブ型求人の場合に適用されるべきものではありませんが、さはさりながら、メンバーシップ型を前提とした判例法理が正義として確立しすぎているために、ジョブ型労働者にとってはとんでもない事態であっても、「そんなの、求人票をがちがちいうもんじゃねえよww」というメンバーシップ型の常識が現実世界では優先してしまい、こういう事態をもたらす一つの要因になるのではないかと思われます。

>第十五条  使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

2  前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
3  前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない

という規定がひしひしとした現実性を持った世界と、なんだか別の世界のことのように思えるメンバーシップ型の世界の乖離が、改めて感じられる次第です。

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