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2011年5月31日 (火)

『新しい雇用社会のビジョンを描く』21世紀政策研究所

21seiki 先週金曜日に海老原嗣生さんと一緒にお話しをさせていただいた日本経団連の21世紀政策研究所のHPに、昨日『新しい雇用社会のビジョンを描く-競争力と安定:企業と働く人の共生をめざして』という大部の報告書がアップされました。

http://www.21ppi.org/pdf/thesis/110530_01.pdf

まず目次を、

エグゼクティブ・サマリー

第1章 企業の人事管理の変化と労働政策上の課題(佐藤 博樹)

第2章 創造性の誘発という視点からみた労働・雇用政策への示唆(細川 浩昭)

第3章 労働市場の機能強化と今後の雇用安定(阿部 正浩)

第4章 雇用政策の視点-競争力とセキュリティ(大内 伸哉)

第5章 新しい社会経済システムの構想(駒村 康平)

寄稿1 日本の強みの維持・強化の観点から(逢見 直人)

寄稿2 活力ある日本社会を実現し、世界市場に貢献し牽引するビジネス活動を支えるイノベーティブな人財が活躍できる「ワーク・ライフ・インテグレーション」社会の実現(坪田 國矢)

この面子を見ただけで、読みたくなる報告書でしょう?

とりあえず、エグゼクティブサマリーからいくつか引用。

第1章の佐藤博樹先生は、「長期継続雇用内部育成型人材」(コア人材)を縮小し、「外部労働市場依存型人材」を拡大するについて、

>第2 に、今後拡大することが確実視される「外部労働市場依存型人材活用」は、中期の継続雇用を前提に短期の人的資源投資を行い、「ジョブ型雇用」などキャリアの展開範囲は限定され、かつキャリアの上限が低い「中期活用型」と、労働サービス需要の短期の変動に対応するための「短期活用型」の2 つから構成され、いずれも企業特殊的熟練(関係特殊的熟練)ではなく、特定のジョブ固有のスキルが求められるものである。

と述べています。この「中期活用型」は、本文では「中期的な構造的な変動を想定した活用であり、そうした事態が生じない限りでは継続的な活用を想定しており、結果的に中期的な活用となるもの」と書かれており、わたくしのいう「ジョブ型正社員」に対応するのでしょう。

第3章の阿部さんは、

>労働者の生産性を高めるためには、スキルには関係特殊性(企業特殊的熟練)が重要であるとの企業の誤解を解消し、外部労働市場における職業教育訓練を充実させることが必要である。

>今後は汎用的な幅の広い職業能力ではなく、ジョブ固有の専門的な熟練の育成が求められる。

>マッチング機能をより高めるためには、労働者の専門性を明確にし、労働者も企業も職務や職種を通じてマッチングを行うような環境を整えていく必要がある。・・・今後は、関係特殊的熟練の重要性が低下し、人口が減少に転じる時代になるとジョブ型の雇用管理が機能することになろう。

>日本的雇用慣行とそれを支えてきた雇用政策もまたその優位性が失われていることになるため、その再編が急務となる。

等と、かなりジョブ型労働市場とそれに対応したジョブ型雇用政策への明確な指向を示しています。

第4章の大内さんは、かなり具体的な労働法政策論なので、細かくコメントし出すときりがないので(かつ、わたくしにもそれぞれ一家言どころか百家言くらいある項目なので)、ここでは解雇規制、有期雇用、エンプロイアビリィティ、労働時間規制(とりわけホワエグ)、労働者の範囲といったテーマが書かれていますよ、と紹介するにとどめておきます。

第5章の駒村さんは、阿部さんと近い立ち位置で、

>雇用システムでは、職種別労働市場、いわゆる「ジョブ型」労働市場の構築が求められる。たとえば、労使団体が、職務内容・資格制度・技能、キャリア・ラダーを明確にし、職種別のベンチマークとなる賃金を決めることで、職種内で広義の同一労働同一賃金が達成可能になろう。

という観点から、社会保障、教育、処遇、さらには財政に至るさまざまな領域について議論を展開しています。

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