ベーシックインカム論者には2種類あって・・・
権丈先生たら、先日の公務員初任研修で、隣の教室で何をからかっていたんですかぁ。
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/main.html
>そう言えば、5月9日の国家公務員初任研修で、こういうシーンが。
- 「先生は、ベーシックインカムはご専門ではないと思いますが、どう思われますか?」
- 「専門じゃないし、専門家にもなりたくないですけどね。
ところで、ひとり1万円を国民全員に配ったらいくらになると思いますか?」 - 「1兆2千億円ですか」
- 「そう。でっ、君は、ベーシックインカムにひとりにいくら必要だと思う?」
- 「10万円は必要かと」
- 「ということは、一ヶ月で12兆円必要ですね。それを12ヶ月配ったら?」
- 「えっとぉ、144兆円」
- 「今年の税収は? それに、さっき話したけど、生活保護費はいくら? そのうち医療扶助なんかを外した現金給付はどれだけだったっけ? さっき、Sickoを少しみたけど、あそこで描かれていた医療問題って、ベーシックインカムを配っておくだけで解決する?」
- 「・・・・・・・」
- 「ベーシックインカムなんて、まじめに考えてあげる必要がどこにあるんだろうね。。。」
と言って、マーシャルのcool heads but warm heartsの話をして、ベーシックインカムを言っている人には2種類あって、cool head and cool heart派とwarm head and warm heart派でね・・・と延々と遊んできた次第。warm head and warm heart派が空想的社会保障論者に属するわけだけど、僕の言う意味でのポピュリズム政党にとっては、彼らの利用価値はそれはそれは高い高い。。。その結果の悲喜劇が、今の状況さ。でもまぁ、国民が選んだ政治なんだから、国民はとにかく甘受するしかあるまいよ。いったん権力を与えたら、そう簡単に剥奪できない――法律はそういうふうに作られていることをよ~く学ぶ、今はそういう機会かもな、2度と同じ失敗をしないように。
つまり、空想的社会保障論者が「warm head and warm heart派」だとすると、わたくしがいう「捨て扶持派」が「cool head and cool heart派」ということですね。
いい言葉覚えたな。
(参考)
http://www.joho.or.jp/report/report/2010/1011report/p30.pdf(ベーシックインカムで社会問題は解決?)
http://homepage3.nifty.com/hamachan/basicincome.html(『日本の論点2010』「ベーシックインカム論の落とし穴」)
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