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2011年3月21日 (月)

岡崎正尚『慈悲と天秤 死刑囚小林竜司との対話』

9784591123980 岡崎正尚『慈悲と天秤 死刑囚小林竜司との対話』ポプラ社をお送りいただきました。

http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=80007300

>僕には生きる価値などない気がします。
 ただの人殺しですから・・・僕は。


 男性2名に集団で凄惨なリンチを加えた挙げ句、
 生き埋めにして殺害した小林竜司。
 小林との対面・文通を重ねてきた著者が、
 自身の半生を省みながら、死刑摘要基準の曖昧さや、
 真実の贖罪とはなにかについて考察したノンフィクション。

送っていただいたのは、編集者として本書の作成に携わられたフリー編集者の安原宏美さんです。

というか、本書を読み進んでいくと、本書のもうひとりの著者は安原さんではないかという気もしてきます。

著者の岡崎さん日本大学の法科大学院在学中ですが、ご承知のような状況の中で、自らの将来にも多大な不安を抱えながら、小林竜司氏への死刑判決に、その弁護人の活動に、さらには日本の刑事司法をめぐる現状に、さまざまな疑問を提起していく・・・というより、彼自身が問題意識に引きずられるようにいろいろと勉強しながら(残念ながらそれは法科大学院の勉強にはあまり役立たないのでしょうが)書きつづっていく、何とも分類しがたい書物です。

さらに、岡崎さん自身がADHD・アスペルガー症候群としてコミュニケーション能力が欠如し、対人関係に苦労しているということが、もう一つの旋律として本書の記述にある種の『しんどさ』をまとわりつかせています。

ある観点からすればまさに社会派ノンフィクションそのものなのですが、それを綴る岡崎さん自身の法科大学院生としての不安と苦悩が挟み込まれることで、ある種のビルドゥングス・ロマン的な匂いも漂い、その合間合間に岡崎さんの問題意識を陰で導いている安原さんのアドバイスがかいま見える、という不思議な書物です。

この事件そのものは、発生当時結構マスコミに書かれたので、記憶している人も多いと思いますが、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%9B%86%E5%9B%A3%E6%9A%B4%E8%A1%8C%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6(東大阪集団暴行殺人事件)

このウィキペディアで「実行役リーダー」と書かれているのが本書の小林竜司氏です。

最高裁の最終判断がもうすぐなされます。

(追記)

最高裁が上告を棄却しました。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110325-OYT1T00745.htm

>岡山市で2006年、東大阪大学(大阪府東大阪市)の学生ら2人を殺害したとして殺人などの罪に問われ、1、2審で死刑判決を受けた無職小林竜司被告(26)の上告審判決が25日、最高裁第2小法廷であった。

千葉勝美裁判長は「ショベルカーで穴を掘り、2人を生き埋めにした残虐非道な犯行で、死刑はやむを得ない」と述べ、被告の上告を棄却した。死刑が確定する。

判決によると、小林被告は06年6月、交際女性を巡って友人とトラブルになっていた同大生藤本翔士さん(当時21歳)と無職岩上哲也さん(同)を集団で暴行し、岡山市の産業廃棄物集積場で生き埋めにして殺害するなどした

そして、ネット界で有名なfinalventさんが極東ブログで、本書を書評されています。

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2011/03/post-8d82.html

>私が裁判員であれば小林被告に死刑を求めない。私が死刑廃止論者になったからではない。この判決を私は間違っていると思う。どこが間違っているのか。主犯の認定を含め十分な審議がなされず、死刑という名目で、青年特有の、ある種の絶望からくる自殺を幇助したような形になっているのは、大人として間違いだと思うからだ。

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