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2011年3月 1日 (火)

警察官はメンバーシップ型雇用

先日、常見陽平さんがお話しに行かれたらしい九州国際大学の法学部長さんのブログで、大変興味深い記述がありました。この大学は、多くの警察官を輩出している大学とのことで、実感がこもっています。

http://d.hatena.ne.jp/QZM03354/20110221/1298293896(警察官という職業とは何か?)

>警察が日本の大組織である以上、典型的な日本の雇用制度となっています。つまり、警察官とは、日本の典型的な企業の社員と同じキャリアパスを歩むのです。

>これは本学の卒業生を見てもわかります。警察官となって卒業後、まずは現場の交番勤務・駐在所を5~6年、拘置所担当等を経て昇進し、自分が希望する刑事課とか、交通課、あるいは生活安全課などに配属されます。そこで一旦、キャリアを積み重ねていくわけですが、その後、本人が優秀であればあるほど、本人の希望とは別の部署に移動させられる可能性が高まります。「刑事になりたい」と思って警察に入ったとしても、40代には「総務に行け」とか「別の県警に出向せよ」とかあるいは「県庁に出向せよ」といった、いわゆる管理職への道が待っています。

>例えば、刑事部と総務部では仕事に天と地ほどの差があります。あるいは刑事部と生安部でも考え方は全く逆といってよいほどです。部署ごとに大きく仕事の性質が異なるなかで移動していくわけですから、仕事はOJTで覚えます。どれだけたくさんの部署を経験し、どれだけたくさんの新しい仕事をこなすかが、本人の成長と大きく関わります。これこそ、日本型組織で働くジェネラリストの典型的なキャリアパスです。

>・・・同時に、「警察一家」という言葉があるように、警察官同士の精神的な結びつきは非常に強いわけで、まさに家族ぐるみでの付き合いがあるわけです。親が警察官だと子供も警察官になることも多いようです。つまりは、強い精神的一体感によって結ばれた「メンバーシップ型」雇用が警察官の特徴なのです。

>・・・メンバーシップ型雇用制度のもとでの、特定の職業倫理に裏打ちされたジェネラリストとしての警察官になれるかどうかは、その「組織風土」に馴染めるかが最大のポイントになります。だから、「能力」だけでなく「人物」が問われるのは、当然のことです。そして、これは日本企業と全く同じことです。

>・・・つまり、日本においては、警察官を育成することは職業教育として成り立ち得ないのです。・・・

>結局、警察官に必要な能力とは、基礎学力と体力と意欲であることは、今も昔も変わりがありません。・・・だから、「警察官になれる人材とは、日本企業における汎用的な人材と一致する可能性が高い」といえます。

多くの警察官を送り出してきた方だからこその実感溢れる言葉です。

逆にいえば、社会における警察組織の在り方がそのようなメンバーシップ型であってよいのか?という問題意識もまた生じるところでしょう。警察とはまさに社会が要求する一個の機能なのであるとすれば、それが共同体であることは順機能的なのか逆機能的なのか?

さまざまな観点からの議論があり得るところです。

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コメント

ブログに取り上げていただき、ありがとうございます。光栄です。先生の著書を拝読し、出世している本学OB警察官(40代と50代)と話す機会があった時に実感しました。みなさん、一般的な警察官像を覆すような、いわば「らしくない」警察官ばかりで、イキイキとされていました。あらゆることに興味を持ち、仕事に対してわくわく感を持ち、企業の第一線で活躍している人と同じだなという印象を受けました。自分が現場から警察の政策を変えていくんだという自負心を持っている点も共通しているように感じました。

そして、警察官をはじめとする公務員がメンバーシップ型であり続けている以上、日本企業の雇用制度もなかなか変化しないだろうなと気付かされました。

たしかに、日本の場合、官僚制がメンバーシップ型で形成されているということは、おっしゃるように、デメリットも多々あるでしょう。

「そういう制度は変わるべき」という議論に意味があることは重々承知の上で、しかし、直近の学生を就職させる立場から考えると、今の制度がこうなってる以上(そして変化のモメンタムが低い以上)、その制度に適合した人材育成の方法でいくしかない、とつい思ってしまいます。

もちろん、今の地方採用警察官は、実は院卒も出始めていますから、少しずつ変わっていくことでしょう。現場の警察官にも専門性が求められるようになってきてはいます。しかし、警察官はジェネラリストが基本という路線は、当分変わらないのではないかと、考えています。

今後ともよろしくお願いいたします。

ようこそいらっしゃいました。
現実の大学運営の立場からは、まさにその通りであろうと思います。

と同時に、世間で盛んな公務員批判が、実は批判している当人が属している民間企業とまったく同質の日本型雇用システム的性格に基づくものであり、その意味では天に唾するたぐいのものでありながら、それが「正義」であるかのように通用してしまうのはなぜかを考えると、やはり建前的には絶対否定できない公務部門の「社会の一機能」的性格があるのであろうとも感じるわけです。

論じてみるのは簡単ですが、論じ切るのは結構難しい論点だと思います。

ぜひまたいろいろとご意見をお聞かせ下さい。

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