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2011年3月21日 (月)

野次馬観光客じゃなくプロフェッショナルの支援が欲しい被災地

一昨日引用した被災地の地方公務員マシナリさんのさらに詳しいエントリです。

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-446.html被災地支援についての補足(追記あり)

項目別になっています。

まず医療体制。

>医療体制の整備が急務ではあるが、現地では施設そのものが損壊しているところが多いため、全国的な支援が必要。ただし、もともと医師・看護師不足であるため、全国のリソースの許す限りの対応とならざるをえない。

震災後初期には、赤十字やDMATが駆けつけて急性期のけが人や病人を診療していたが、現在は慢性期の疾病や風邪・インフルエンザなどの感染症、歯科などの診療が求められるようになっている。これらの診療にはカルテや服薬の状況を確認する必要があるが、それも流されている場合も多く、新たに作り直す作業が生じている。

つまり、医療のプロが欲しい。

次に避難所の運営。

>避難所では自治組織が形成されつつあるが、緩やかな組織であるがゆえに強制力を持たず、置き引きなどの犯罪行為に対しての実効確保ができない。周辺地区の警察による巡回が望まれる。

つまり、警察機能が、少なくとも警備機能が欲しい。

>電気、ガス、水道が復旧していない避難所では、炊き出しやカイロなど使い捨て用品を使用しており、また水洗化していないトイレのくみ取りも必要となるため、避難生活が長引くにつれて廃棄物の処理が課題

これもまた、生活メンテナンス機能のプロが欲しい。

そして物流。

>物流拠点としての機能が損なわれているため、支援物資を末端(避難所だけではなく、ライフラインがないまま自宅や親族宅で寝泊まりしている方を含む)まで行き届ける仕組みがない。物流のプロがそれなりの設備(倉庫、店舗、配送等)で行っていたレベルまで回復することは、当面の間は不可能。「支援物資を送れば現地に届く」という前提を一度白紙に戻して、支援物資を末端まで届けるための物流システムを構築する必要

物流システムを現場で構築できるプロが欲しい。

>全国から送られてくる支援物資は、内陸部の拠点にいったん集約して10トントラックで現地までピストン輸送している。積み込み拠点は物流の設備があるものの、受け入れる側はフォークリフトもないため、トラックから積み降ろすだけでも重労働になる。10トントラック分の物資を継続的に受け入れられる大規模な避難所も限られている。

ストック物資(毛布、調理器具、暖房器具、ラジオ、仮設トイレ等)は現地でストックして管理する体制ができるまでは、必要量しか受け入れられない。現時点ではまだ足りないところが多いと思われるが、今後必要量を上回る物資が送られた場合、現地で管理する体制ができるためにはインフラの復旧を待つ必要があり、現時点で多すぎるストック物資は避難所の生活スペースを圧迫する恐れもある

>フロー物資(食料、歯磨き、洗面、紙おむつ、生理用品等)は継続して供給する必要。食事が炭水化物中心(おにぎり、カップラーメン、アルファ化米等)となっているので、ビタミン類や繊維質を含む加工食品もあるとよい

>支援物資の物流システムについては、ストック物資がある程度行き渡り始めた後は、できるだけロットを小分けにしてフロー物資が継続的に届けられるような物流システムとする必要がある。現時点では、石油燃料の物流ルートが確保されない限り難しい。特に、リアス式海岸部では、内陸部から沿岸の被災地まで車で2時間~3時間かかるところがほとんどであるため、ロットを小分けにして継続的に届けるためには大量の石油燃料が必要。

以上から、フロー物資は継続的に小分けして送り届ける必要があるものの、石油燃料の不足によりロットを大きくせざるをえないというジレンマの中での物資補給となっている。

生活の再建とバランスをとりながら物流を再建していけるプロが。

そして、ボランティアについては、

>同様のジレンマはボランティアにもあてはまる。阪神淡路大震災のときは、被災地となった神戸周辺地域まで近隣市町村や府県からも個人ボランティアが陸路で日帰りすることができたが、リアス式海岸部の被災地までは、近隣市町村からでも急峻な山道を越えていかなければならず、継続的な支援のためには現地に寝泊まりすることが必要。しかし、インフラが損壊して物流が滞っている現状では、個人ボランティアが自活しながら継続的な支援を行うことはきわめて困難。

>岩手県社会福祉協議会でも、ボランティアは同一市町村内で活動できる方に限っている。同一市町村内の方であれば、被災者と寝食しても不公平感がないからというのがその理由と思われる。外部の方が被災者と寝食すると、それに見合う働きが要求されることになり、いざこざのもとになる恐れがある

こういう問題もあるんだ、というのが罹災証明。

>今後復旧支援のためには、地元市町村が「罹災証明」を発行することが重要なポイントとなるが、自治法等に規定された手続ではないため、基準の明確化、事務処理を遂行するための体制整備も今後の課題。

>罹災証明は、その他の公的手続や民間金融機関との手続の際にも必要とされることがあるため、地元市町村役場と関係機関との調整が必要。地元市町村役場が壊滅的被害を受けている場合は、近隣市町村や県が代替的に事務処理を行うことも必要

そして義援金についても。

>現時点で一般の方ができる支援として、簡便かつ効果的なものは義援金の寄付。ただし、それを受け入れる側の実務には多大な労力が必要となるため、復旧時の被災地自治体の負担が増えるという点で、地元公務員としては痛し痒し

>個人的な見解として、民間機関を通じて義援金を募集して配分すると、そのために独自の事務処理を行わなければならなくなり、配分を受ける側にかえって不公平感を募らせることが危惧される。前回エントリでとりあげた関係機関の活動と同様、現行制度において可能な復旧事業をまず優先するため、増税して確保した歳入を地元自治体の歳入に充てることが事務効率上も望ましいというのは、コームインの勝手な言い分でしょうか?

まさに、被災地の地方公務員が現場で考えたことだからこその生々しいメッセージです。

ボランティア担当総理補佐官に就任された辻元清美議員には、是非リンク先を読んでいただきたいエントリです。

ちなみに、この前のエントリへのコメントとしてマシナリさんが書かれている次のことは、阿久根市民や名古屋市民だけでなく、こういう発想を持っておられる多くの人々にこそじっくり読んでいただきたい中身です。

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-445.html

>ついでながら、地元市町村役場の職員が自らも被災者でありながら、昼夜を問わず避難所の運営に当たっている姿には敬服せざるをえません。その職員の方の普段の詳細な業務までは存じませんが、「小さな政府」論者からすれば、私と同様に「ムダな公務員」と批判される存在だったわけです。その「ムダな公務員」が、普段公務員として培った利害調整能力を発揮して、関係機関との連絡調整や避難者間の利害調整を図りながら秩序だった避難所運営をしていることはもっと知られていいと思います。

その姿を目の当たりにした者としては、「役人の仕事なんかアルバイトでできる」と放言してはばからない「小さな政府」論者、あるいは利害調整の実務も知らず「行政が独占するから公共部門は非効率だ」と主張する「新しい公共」論者の認識が妥当なものとは到底思えません。本エントリがそのような認識を改めていただくきっかけとなれば幸いです。


まあ、目の前で何が起ころうと、「古い公共」を罵る人々の心は変わることはないのかも知れませんが。

(追記)

森直人さんのつぶやきから、

http://twitter.com/mnaoto

>公務員は税金で飯を食えて身分も保障されて競争原理も働かないから能なしも淘汰されずに残ってて組織として非効率だしだいたい数が多すぎる、的な主張をこれまでしてきた人は現在の被災地における公務員が示しているパフォーマンスをどう評価されているのだろうか。と、軽く投げかけてはおきたい。

>もちろん平時の議論に緊急時の話を紛れ込ませることのアンフェアさは承知のうえで言っておるわけだが、とにかく「公務員」の表象のされかたがひどかったのでね、小泉さん以降ぐらいから。ちょっと言っておきたかったわけだよ。

それを受けた五十嵐泰正さんのつぶやき、

http://twitter.com/yas_igarashi/status/49589694111035392

>しかしそれを眼前にしてなお、減税日本が大勝利したわけだから事態は深刻というか…被災地での公務員の奮闘が名古屋市民の目に焼付くまでに2日じゃ足りなかったという言い訳の真偽は4月10日の大阪で明らかになるだろう。

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コメント

「公務員」の削減で震災時に必要となるマンパワーが全く足りない状況であると思われます。

阪神大震災のあったすぐ近くの市では、その職員の半分が臨時職員であり、職員をさらに派遣会社からの派遣に置き換えようとしているようですが、このような自治体で今回のような災害が発生したときに果たして対応できるのでしょうか。

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