「勝ち組」でも「負け組」でもなく「引き分け組」@蟹沢孝夫氏の新著
ブラック企業論で有名な蟹沢孝夫さんから新著『自分を伸ばす会社 自分を殺す会社』(メディアファクトリー)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.mediafactory.co.jp/c000051/archives/027/004/27459.html
>著者は、あくまで「働く人目線」で企業の「どこを見ればよいか」「企業とどう向きあえばいいか」を提示する。企業の厳しい論理や、本音の部分も含めた実態を提示するリアルさ。 企業の中で生きるために必要な身の処し方、考え方がわかる。 厳しい「企業の中で生きる者」に必要なのは「引き分けるが勝ち」という生き方であるという新提案。
本書を読んで同感したのがまさにこの「引き分けるが勝ち」という発想です。
勝間和代的「勝ち組になろう」でも香山リカ的「負け組でもいいじゃん」でもなく、頑張らなくてもそこそこの「引き分け」に持ち込もう、という発想。本書はあくまでもキャリアカウンセラーとしての立場から個人としての労働者に呼びかけているわけですが、社会の在り方として、そういう「草食系」を一つのデフォルトとして認める余裕を社会が持つべきではないか、という風に言うと、これは労働社会論にもなります。むかし熊沢誠さんが使った言い方で言えば、「ノンエリートの自立」でしょうかね。
これはもう蟹沢さんの議論とはだいぶずれますけど、この言い方を使えば、「ジョブ型正社員」というのは、「勝ち組」であるメンバーシップ型正社員でも「負け組」である非正規労働者でもない「引き分け組」でしょうか。
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