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2011年2月 3日 (木)

高等専門学校についての興味深いつぶやき

ある方のつぶやきに、高等専門学校についての興味深い指摘がありましたので、引用しておきます。「教育の職業的意義」とか論ずるなら、ここに書かれたことを表裏ともに踏まえておく必要があるのでしょう。

>中学時代、こんな下らん受験勉強で将来が決められるなんて冗談じゃない!と高専に行った。結果、受験勉強など7年間で一週間とせず大学院まで行けてしまった。こんなラクな脇道があるのにガチでセンター挑むとか考えられんわww

>5年間で大学相当の知識と、豊富な実習・実験で専門高校ばりの現場力も兼ね備えられるから、高専という教育システムは良いものだ。文科系の高専も作ればいいと思うよ。有力な専門学校を改組したりして。

>ただし高専は退学がめっちゃ多いんだよなぁ。大学なら留年なんてよくある話だけど、高専生は義務教育の中学生の感覚を引きずっているとこがあって、留年するとすぐ辞めちゃう。

>うちのクラスも44人入って、5年ストレートで出た人30人いなかったわ。3年や4年で留学生や高校(主に工業高校)からの編入生を補充するから、卒業人数だけ見ればさほど落ちてるように見えないけど実はごっぞり落ちてる。

>高専は工学に対する興味、やる気が無くなると終わる。私は受験勉強はめっちゃ嫌いだけど、専門の授業や実験は有意義に感じられたからさほど苦痛じゃなかった。逆に工学が嫌い・苦痛な人には高専は地獄だ。就職が良いからなんて動機でホイホイ入るとあっさり沈む

(つづき)

この方のつぶやきの続き。日本の教育制度への提言編。

>現状の高専は中学校の上位20%の生徒しか入れない上に、ほぼ工学系しかない。敷居が高すぎる上に品揃えが悪い。もっと拡充すべき。

>現実はそうなんよね~(´・ω・`) 工学系はこのくらいの定員でいいとしても、医療とか会計とかあったら選択肢が増えていいよねと思う。

>高専・専攻科という教育システムが優れているから、他の分野でも使うべきとおも。それにその方法で女子増えても、医療系と工学系高専はキャンパス別だろうとw

>純粋に教育システムとして、6334制より6352制の方が優れているのは事実。高専専攻科は貴重な成功例なのだから、文科省は自信を持って高専のシステムを他の分野にも拡大すればいいと思うよ。

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コメント

大昔高専を卒業したものです。進学が容易になった等の変化はあるようですが、基本的な部分は全く変わっていないのに驚きました。私の学科も1/4以上が途中脱落と比率も同じです。高専進学の場合、中学時点で将来の職業をある程度決める必要があるわけですが、中学校の先生も保護者もそれは早過ぎると考える人が多いように思えます。

http://d.hatena.ne.jp/genesis/20110408/p1

法学とドイツ語を両方教えられる人が求人されていたようで

これはジョブ型なのかメンバーシップ型なのか(笑)はさておき

「自分のやりたいのは〈法学部における法曹教育〉ではなく〈職業教育を通じた人材育成〉だと考えるようになりました。」

とのこと

受験勉強と潜在能力には関係がありますね。
理工学分野や工業技術で日本の礎を作った、旧帝大や旧制専門学校出身者は、ほぼ全員が厳しい受験勉強を潜り抜けています。また、ノーベル賞受賞者も地方国立大学から東大まで全員国立大学出身者です。7年間受験勉強なしの高専生のその例についてですが、「脇道」は「脇道」だから、例外的に許容されているのです。世の中、そのような心持や行動の人間ばかりなら、国家は滅びます。そもそも、世界中のどの国でも、エリート選抜には競争的学力試験を課しています。また、その学力試験の範囲も広い範囲で能力を試そうとしています。それが最も効率的かつ公平で、能力を担保できるからです。先ほど、例外的に許容されていると言いましたが、別に許容しなくても、大した影響はありません。結果的にそういうルートにったというならいいのですが(高専のほかに付属校上がりとか、普通高校からも推薦・AOとかありますけど)、”してやったり”というのは、いかにも、高専生らしい、さもしい、即物的な考え方ですね。
ちなみに受験英語も受験数学もやらない彼らの、英語力や数学の解析力の低さは、企業側からさえ、揶揄されることが多いです。また、意外に、「創造力がない」という指摘さえあります。

 高専教育の一般化とは、勘違いも甚だしいですね。
まず、看護の例があげらていますが、高等看護学校といのがあって、高卒後、3年の教育で間に合っているか、逆に学士化の傾向さえあります。もちろん、中卒後に高校看護科というルートもあるけど、そうじゃな人(多くは)は、18歳までは幅広く学んだうえで、決断して、看護師になるんですね。上の高専を卒業したという人が言っているように、たとえ崇高とされる職業であっても、15歳で決断するのは大変難しいということ。
 そもそも、高専は、日本の工業化の中で、手っ取り早く技術者を増やすために、一般教養を削った専門教育を中卒者に施そうとしたものです。また、これによって、大卒院卒がほとんどを占める大企業技術職の中の狭い中堅ないし下級的な部門を独占できたのです。そんなモデルをあらゆる分野にあてはめようとすること自体が何とかの一つ覚えというやつです。
 高専関係者や高専モデルを礼賛する人に申し上げておきたいことは、実験実習重視は、高専発祥ではないということ。看護師で実習のない学校があるかのかという話です。しかも、職人養成(最近では、職人さんでも高卒後修行を始める人がいます。親方が高校でよく考えてから弟子になるかどうか決めろ、とか言ってね)ではあるまいし、早く初めて何がどうなるのでしょうか。何でも大学でとか、それも4年というのは長すぎるけど、高卒後でも、3年程度の実習中心の教育機関があれば、十分間に合いますね。

 18歳という、物心と大人事情まで視野に入る年代に、生き方を決めていき、それに納得するということは、大いに意味がありますね。例えば、IT技術を学びたい偏差値50の人が、一生懸命勉強したが大学には入れず、専門学校で勉強しているというのは、本人の気持ちと自分の能力への得心が、ある意味両立しています。両立できなければ、大学に再挑戦すればよいでしょう。しかし、15歳で早々物事を決め、20歳までルートが決まってしまっている人には、偏差値50の先程の専門学校生にある”気持ち”と”能力への得心”と、そして、「自由」がありません。
 この問題にかかる、制度と人間との関係については、西尾幹二『教育と自由』(新潮選書)を挙げておきます。人間性の問題を避けた、安易な高専倍増論や分野拡大がいかに空虚なものかがわかります。
 もっとも、大学倍増論は、制度と人間の機微に触れないまでも、就職問題という現実的な意味で罪深いですけどね。
 結局、18歳以降の実践的な職業専門高等教育の充実策(現在の、職業専門大学構想)は意外に可能性を秘めていると思います(逆に言うと、実践教育は高専のように15歳から始める必要もなければ、5年もこれに拘束する必要はない)。

投稿:石田博樹とありますが、ご本人様でしょうか。
リンクが切れています。しかし、この方の言うことが、常識的な物の見方でしょう。高専は特殊でかつ独自の位置にあることから、高専関係者の中には、このことを当たり前としすぎて、自分たちの姿を客観的に見れていない人が大勢います。また、世間一般も、特殊な世界である高専にあまり関心がなくて、そこで、いかにその世界でしか通用しない論理がまかり通っているか、知らないでいます。
特殊な条件下で一見成功したかに見えること(実は水面下では失敗している)、何にでもあてはめようとすると、当然失敗します。まるで、中公文庫『失敗の本質』に出てきそうな教訓です。

冒頭のつぶやきのような「こんなラクな脇道がある」を作っておくのは、大多数を袋小路に追い込んだうえで、こんな人もいるから我慢しろという単なる「ガス抜き」なんです。一部しかいない「ガス抜き」に乗っておいて、制度一般をすばらしいとカン違いするのはいかにも視野が狭い!
脇道は気づかれないから脇道なんです。気づかれたときに、あるいは、大多数が目覚めたときに競争が始まるのです。この種のルートが一般化したら、逆に、脇道でなくなるだけのことです。

11月25日の者です。

学生のとき学習塾で働いていたからよくわかる。

高専生に優秀な人がいるのは知っているけど、受験勉強しなくていいから、高専選んだワケ?そんなんだったら、優秀とも何とも思わないね。逆に、そんな安易な考え方だったら、本当に優秀な人(高専生も含む)に失礼だよ。

高専の中退率の高さは、教育界や地元に高専がある地域では巷でも非常に有名な話で、高専界ではかねてから問題にされているようで、いまだに退学者極めて多し。

hamachan様はかなりの見識をお持ちと存じます。ならば、こんな安易なつぶやきや2chの書き込みのようなものを挙げる必要があったのかしら・・・と思います。

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