「高卒レベルの外国人労働者」導入論
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-8ca7.html(井口泰氏のマジすか発言@五十嵐ついーと)
12月5日のエントリで紹介した五十嵐泰正さんのつぶやきで紹介されていたJILPTの労働政策フォーラム「今後の外国人労働者問題を考える」の全容が、『ビジネス・レーバー・トレンド』2月号に掲載されています。
http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/
<労働政策フォーラム> 今後の外国人労働者問題を考える
基調報告
わが国における外国人労働者を巡る状況について 野口 尚(厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課長)
研究報告
地方自治体における外国人の定住・就労支援への取り組みについて 渡邊博顕(JILPT 副統括研究員)
講演
経済危機と在日南米系コミュニティ ――何をなすべきか 樋口直人(徳島大学総合科学部准教授)
経済危機後の東アジアと日本の外国人労働者政策――国の入管政策及び地域・自治体レベルの統合政策の視点から 井口 泰(関西学院大学経済学部教授・少子経済研究センター長)
受入れ慎重派として認めることができる受け入れるための最低条件 小野五郎(埼玉大学名誉教授)
パネルディスカッション
<コーディネーター> 中村二朗(日本大学大学院総合科学研究科長)
現時点ではまだ中身はアップされていませんが、五十嵐さんが会場で聞かれた井口泰さんの発言は誌上では次の通りです。
>・・・こういう事態を一切見ることなく、「単純労働は一切認めない」という議論を繰り返すのは意味がありません。確かに、これだけ無業者や失業者が増えている中では、厳密な意味での単純労働、いわゆる不熟練労働は、無業者や失業者などを労働市場に復帰させる上で、しっかり確保すべきで、これを国外から来る人に開放するのは適当ではありません。しかし、それよりもやや熟練の上の部分、低技能といわれているけれど、高卒程度の労働市場を経由して養成されてきた多様な技能職種や専門職種については、厳密なデータに基づいて冷静に議論をしていただきたいと思っています。
それから小野五郎さんの「変な文明論」というのはこれでしょうか。
>一件無関係なように見えますが、私がライフワークとしている環境問題からしますと、そうした大規模な人の移動というものは必ずや自然環境を破壊します。その点、先住民は、長い歴史の中で、すでに風土と同化しているのです。いわゆる「多文化共生」というのは綺麗事でして、日本の自然環境保全という視点からも、土地・土地の風土と同化している日本人の伝統的価値観に移入外国人も合わせてもらうという同化しかあり得ません。
安易な多文化共生論は「お花畑」だと批判するわたくしですら、この手の安田善憲氏風のトンデモ「風土理論」にはいささか辟易しますねえ。政治的オリエンテーションは逆に見えて、環境主義的反成長論にもそこはかとなく似たタイプの匂いを感じたりもしますが。
外国人労働者問題についてのわたくしの考え方は、五十嵐さん編の、『労働再審2 越境する労働と移民』(http://www.otsukishoten.co.jp/book/b73914.html)所収の「日本の外国人労働者政策」に詳しく述べてありますが、その概要は、『FORUM OPINION』所収の「外国人労働者問題のねじれについて」で喋っていますので、お読みいただければ幸いです。
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コメント
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安田喜憲氏のことでしょうか?
それにしても、彼のことまでフォローしているとはすごいですね。(いや、彼がどれくらい有名人なのか私が知らないだけなのかも知れませんが)
プロフィール画像が…
投稿: 匿名希望 | 2011年1月30日 (日) 00時54分