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2011年1月18日 (火)

解雇規制論の根っこは雇用契約の性格

一々リンクは張りませんが、下記野川先生の解説の他にも、ついった上で解雇規制に関していろいろと議論がされているようです。ここでは、労務屋さんによるコメントだけリンクしておきます。

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110118#p2

>本筋に関係ないところで余計なことながらひとつだけ感想を申し上げますと、どうも小倉先生には池田信夫先生との議論を通じて、経済学者とはすべからく池田先生のような発想や言動をとるものだという思い込みがあるのではないかと感じました。

それはともかく、この問題を考える上では、そもそも雇用契約が特定の職務(ジョブ)を遂行することとその具体的な遂行への報酬の支払いとの交換契約であるのか、それとも企業内のいかなる職務をも命じられれば遂行することとそういう状態にあることへの報酬との交換契約であるのかという、契約の根本に立ち帰った議論が不可欠です。

前者であれば、遂行すべき職務が能力不足のため遂行できないことは解雇の正当な理由になりますし、遂行すべき職務が会社の中でもう要らなくなったことも立派な整理解雇の理由です。

ところが後者であれば、たまたま命じられた仕事ができなくても、会社の中に何かできる仕事があればそちらに配転すべき義務があり、その限りで解雇は正当ではなくなってしまいますし、たまたまやっている仕事がなくなっても、会社の中にやる仕事があればそちらに配転して雇用を維持すべき義務が生じます。これは、雇用契約をそういう風に締結した(ことにより企業の内部的柔軟性をフルに活用した)ことのメリットの裏返しです。

どちらにしても、仕事はちゃんとできているし、会社の中で需要はあるのに、社長に逆らったからと言ってクビにするというようなのは正当な解雇にはならないでしょう。

こういう風に、ものごとをきちんと解きほぐして議論しなければならないのですが、ある種の方々が議論に参戦すると、一層もつれる方向に進んでいくように見えて、なかなか大変ですね。

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