フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

« 駐留軍労働者の三者間労務供給関係 | トップページ | 連合総研『DIO』12月号 »

2010年12月 9日 (木)

革マル派機関紙の連合批判

革マル派の機関紙『解放』の11月22,29日号に、「「救国」産報運動を基礎づける「新たな社会像」  「連合」の「働くことを軸とする安心社会」論の欺瞞」という長大な論文が載っていまして、連合の新たな政策ビジョンを猛烈に批判しています。

ここで批判されている考え方に近いことを言ってきている立場としては、どういう観点から批判されているのかが大変興味深く、いくつか見ていきます。

ちなみに、こういう新左翼な方々(及びかつてそうであった方々)の文章の通例で、やたらに口汚く罵った表現が頻出するのですが、まあそこは適宜スルーしつつ。

>かくして、没落の縁にあえぐ日本帝国主義の延命のために、ひたすら献身しているのが「連合」労働貴族どもなのである。このような自らの反プロレタリア的本質を押し隠し、「連合」の政策・制度要求とそれを実現する運動が、あたかも「働くすべての人たち」のためのものであるかのように言いくるめる-まさにそのために「連合」古賀指導部がひねり出したのが、この「働くことを軸とする安心社会」という「新たな社会像」なのである。

いやあ、どんな極悪非道なものが出てくるのか、興味津々です。

ここでは、11月29日号の「働くことが自己実現という詭弁」というところから、連合の言うディーセントワークを猛烈に批判しているところをいくつか引用。

>まず(1)の「男性正規社員中心の旧弊を改め、女性社員や非正規社員を含めて、同一価値の仕事には同一水準の賃金を支払うこと-これは「均等・均衡処遇」「賃金の底上げ」を図るものとして押し出されている。だがこれは、資本家どもが総額人件費抑制のために非正規雇用形態を一層活用することを”所与の前提”と見なした上での「要求」なのである。・・・

>いやそればかりか、今日独占資本家どもは、一部の中核的正社員以外の一般的正社員層については、漸次、非正規雇用に置き換えていくためにも、「仕事(職務)の価値」なるものにみあって賃金を支払うという賃金制度に切り替えようとしている。このことに呼応して「仕事の価値に見合った所得」なるものを唱えているのが「連合」労働貴族なのだ。

>また彼らは「子ども手当などの社会的手当」による「可処分所得の底上げ」が重要だという。だがそれはしょせん、「連合」指導部が賃上げ要求を一切放棄していることの免罪符に過ぎない。いやそれだけではない。日本経団連はこの民主党政権が開始した、政府による子ども手当を「仕事・役割基準の賃金制度への改革にふさわしい」と歓迎し、多くの企業経営者がこれに乗じて家族手当を廃止したのであった。今日総額人件費を抑制するために「仕事・役割・貢献度基準賃金」の名において、賃金における「年功的要素」や「家族扶養的要素」を極力排除しようとしている独占資本家どもにとって、子ども手当などによって勤労者の可処分所得を底上げするという民主党政権の政策は、まことに好都合なのである。賃金要求を放棄した上で、その分血税を原資とした「社会的手当」の増額要求にすり替える「連合」指導部の方針は、右のような独占資本家どもの賃金政策に呼応したものに他ならない。

ふぅ、よくこれだけ次から次へと悪口雑言罵詈讒謗が繰り出せるものだと思いますが、まあそれは職業柄なのでしょう。むしろ、ここで言われていることは、価値判断の方向性はともかく、認識としてはおおむね正しいと言っていいと思われます。

まさに同一労働同一賃金に向けて賃金における「年功的要素」「家族扶養的要素」を薄めていこうとすれば、それを補填する公的な社会手当が不可欠になるわけで、革マル派的形容詞を取り除けば、上で言われていることは要するにそういうことであるわけです。

むしろ、革マル派の皆さまは断固として「年功的要素」「家族扶養的要素」を堅持し、同一労働同一賃金は断固として拒否するという考え方であることがよく分かり、大変勉強になります。

« 駐留軍労働者の三者間労務供給関係 | トップページ | 連合総研『DIO』12月号 »

コメント

労働運動という領域における革マル派の主張は古典的左翼のまさに見本、ということで大変参考になります。そういう点では他党派の機関紙よりも興味深い。
もっとも主張そのものはよくよく考えると革マル派の基盤とする大企業(JR東日本など)の本工労働者の既得権擁護、という点に帰着するようにも見えますが…。
趣味者としては革マル派VS濱口という構図に期待せざるを得ません。そのうち革マル派もまた批判してくるんじゃないでしょうか。

革マルの機関紙まで目を通していらっしゃるとは恐れ入ります。まあ、ナショナルセンターや産別がドイツをはじめとした欧州の労働組合のように、構成的な賃金引き上げを方針化できないから、こういう批判も出てくるのでしょう。そこに忸怩たる思いはありますね。民間エコノミストばかりでなく、一部の官庁エコノミストも賃上げの必要性を主張している時代ですのに。
とはいえ、ご紹介いただいている革マルの論調にも唖然とさせられます。確かに日本経団連は2010春闘の経労委報告で、政府が子ども手当を給付する状況を受けて、諸手当の見直し論議を、総額人件費抑制の文脈の中で展開していました。連合もJCもこの主張には毅然と?反論を加えたところです。しかし、いずれこの論議は避けて通れないものと考えておかねばなりません。「独占資本家ども」のずるいところは、企業内福利厚生手当をなくしたときに当然必要となる公的な社会手当について、「社会の公器」として応能負担をして行くんだという決意表明に尻込みしているところです。しかし非正規労働者の均衡・均等待遇を考えるとき、企業内福祉から公的給付への移行は必須条件ではないでしょうか。
またカクマルじゃなかった革マルの、均衡・均等待遇の要求が非正規雇用の活用を所与の前提としているとの批判は、ある程度まじめに反論する必要がありそうですね。革マルの主張は「年功的要素」「家族扶養的要素」を堅持し、同一労働同一賃金は断固として拒否するという考え方であると同時に雇用契約の基本は期間の定めのない雇用であるべきだという主張でもあります。だからややこしい。革マルは有期雇用法制についてはどんな見解をお持ちなのでしょうか。
小生としては入り口規制、出口規制もさることながら、大事なのは均等待遇だと思っています。ただ、それが夢物語である間は規制で対処するしかないかなということです。労働経済白書が正しく指摘しているように、雇用者所得の減少は低賃金の非正規労働者の増加で大部分が説明できてしまいます。連合が賃金・労働条件の復元を言うならば、非正規の均等待遇か非正規の規制しかありません。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 革マル派機関紙の連合批判:

« 駐留軍労働者の三者間労務供給関係 | トップページ | 連合総研『DIO』12月号 »