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2010年12月28日 (火)

経済的民主主義の欠如と生産性の低さ

本日届いた『月刊マスコミ市民』1月号に、先日台北で開かれたソーシャルアジアフォーラムを主催してこられた初岡昌一郎さんが「グローバル化時代における社会民主主義の基礎構築を目指して」という文章を書かれています。

ケネス・ボールディングの『20世紀の意味』(これ、大学に入って最初のゼミで最初に読まされた本ですが)を引用しつつ、壮大な議論を展開されていますが、ここではそれほど壮大ではないけど、今の日本にとってとても重要な部分を若干引用しておきたいと思います。

日本の生産性の低さの原因がどこにあるのかについての、もう一つの重要な指摘です。

>経済的民主主義の確立に必要なのは、経営参加制度だけではありません。ILOが出している報告書によれば、北欧の労働生産性は日本の倍も高いのです。あれだけ日本人が働いているのに、日本の労働生産性が低いのはなぜなのでしょうか。それは、労働が非効率的非合理的に組織されているので、無駄が多いことによるものですこれは、職場における民主主義の欠如とその裏腹の関係にある権威主義のためです。

>例えば、スウェーデンの首相が国際会議に出かける際、自分で車を運転していくか、せいぜい秘書に運転させていきます。また、演説するときに使うのは簡単なメモくらいです。ところが、日本の首相が国連で演説するとなれば、まず各章から原案を集め、官房でさまざまな調整をします。行くときには、外務省の大臣や局長、他の省からも同行します。そして首相のおつきだけではなく、大臣や局長のおつきも必要になり、飛行機一台でも足りなくなります。スウェーデンでは2,3人でやっている仕事を、日本では500人から800人かけて行っています。この場合、首相の生産性は何百分の一となります。会社の社長も同じで、おつきが何人もついていきます。封建時代の大名行列の名残か分かりませんが、そんな国は他にありません。アメリカでは社長が一番忙しいといいますが、日本では上の人は仕事をしません。社長を辞めた後は顧問などになりますが、この人たちの生産性はゼロで、むしろマイナス要因です。労働者の生産性には問題なくても、使用者と経営の生産性が低い。日本はあまりにも膨大な管理監視機構と、それから派生するさまざまな弊害を抱えています。・・・

>スウェーデンなど北欧の社会と比較した場合、日本ではあまりにも無駄な作業が多い。なぜなら、経済的民主主義が十分ではなく、権威主義がそれを助長しているからです。上の人を立てなければならない、上の人に恥をかかせてはいけないという、250年、300年前の封建時代からの伝統が我々の意識の下にあり、戦後の民主主義時代の中でも生き残っているのです。・・・

経済的民主主義の欠如と権威主義の残存が、とりわけ経営陣の生産性の低さの原因になっていて、労働者レベルの生産性の高さを無にしているという指摘です。

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コメント

 お言葉ですがスウェーデンの労働生産性が高いとは思えません。女性の雇用は公的部門が多く、かつそれは50%近い高い税金によって賄われています。産業はありますが、サーブ社とて国際競争にさらされた民間航空機部門や国際競争力の落ちた自動車部門は廃止または売却を余儀なくされています。

 「私企業に勤める女性が出産・育児で一定期間離脱すること」の損失は米系であっても変わりません。労使協調下での、インフレ抑制とセイフティネットを整備した上での雇用流動化と賃下げ合意が無ければ日本国内での雇用は人件費が高すぎて無理です。

 ・・・経営陣の責任ばかりを追及するのは反対です。

いえ、ですから、生産性が高いかどうかは、HMSさんが「思います」「思いません」という主観的な話ではなく、ここに数値データがちゃんとあります。

http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001013/attached.pdf">http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001013/attached.pdf

確かに、スウェーデンは10位ですから、ルクセンブルクやベルギーなどに比べればそれほど高いとは言えませんが、日本よりはかなり高いと言えましょう。

一つだけ確かなことは、このデータを見る限り、HMSさんが好ましくないことと見ているらしい「女性の雇用は公的部門が多く、かつそれは50%近い高い税金によって賄われています」ということが、生産性の低さの表れであるとは言いがたいということですね。

1位ルクセンブルク、2位オランダ、3位ベルギー、4位デンマーク、5位フィンランド、6位ドイツと、これらサービス生産性の高い国が皆そろって、HMSさんの好まれるような国であるならば別ですが。

いや、もちろん、生産性統計など関係ない、そんな国は好まないのだ、というのであれば、それはそれでHMSさんの主観的選好の表現として理解できますが、だとすれば冒頭の言葉はいささか余計なようにも感ぜられます。

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