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2010年12月 5日 (日)

井口泰氏のマジすか発言@五十嵐ついーと

五十嵐泰正さんのついーとで、昨日のJILPTの「今後の外国人労働者問題を考える」シンポジウムが紹介されています。詳しい発言内容はいずれJILPTのHPにアップされることになるはずですが、五十嵐さんがかなり衝撃を受けた井口発言を紹介しています。

http://twitter.com/yas_igarashi

>第一部の講演だん。ちかれた。小野先生も変な文明論とか絡めないで、低賃金外国人導入による低生産性部門温存の危険性と、人材流出による途上国への悪影響に集中して具体的に紹介してくれれば、ぐっと説得力増すのに…なんで日本の「受け入れ慎重論」って、アレげな話に引っ張られていっちゃうんだろ

>井口先生は、外国人導入は労働人口減少のためではなく、雇用のミスマッチのため、と。そして賃金上げてもそれは解消しない、と。そこでなぜ、国内向けの適切な職業訓練をスキップして、いきなり外国人?大学進学率が上がったからと言うが、高卒の内定率が大卒以下であることを知らない訳ないでしょう?

>呟くべきかちょっと迷ったけど、公開の場で言ったのは間違いないので、井口先生のマジすか発言を一つ。井口構想では、導入すべき外国人は高度人材に加え、職業高校程度の技能を持った労働者。そこが日本には不足しているが、それ以下の本当の低賃金非熟練職は「国内の失業者にとっとけばいい」と!

>なんかさらっと流れて誰も突っ込まなかったけど、これは相当な発言だよ; もちろん外国人の下層への固定化は望ましくないが、「最下層」の国内労働者はどう暮らしていけと? 家計補助的で家もあるからいいんですよ、とでも言いたいんだろうか?

>僕も外国人が最下層でいいなんて微塵も思ってませんが、はっきり言って耳を疑いました…が、終わったあとびっくりしたと明石くんと確認しあったので、間違いないです

>まさに木を見て森を見ず。特定領域の政策や研究のエキスパートにはままありがちだし、ポジショントークもあるんでしょうが、移民・外国人回りには本当に多いと感じます。で、違う立場を取ればいきなり排外主義みたいな。さすがにそこに一石を投じなきゃ、と柄にもなく使命感を感じるですよ。

>はてさて、井口発言の何を問題と考えるか。1)職業高卒程度の熟練労働者が不足しているというなら、まずなすべきは適切な職業訓練のはずなのに、ミスマッチ解消をハナから諦めていきなり外国人。これでは職業訓練コストを日本では企業も政府も負担せずに即戦力を輸入したい、と言ってるに等しい。

>井口報告の中心は、外国人への社会統合政策は、将来への投資なのでコストと考えるべきではない云々の話だったけど、「日本語教育コスト」不要な人たちに対してさえ、こんな発言がさらりと出てきてしまうと、移民第二世代教育するなら新たに若い移民を導入しようってなるだろうなと思われても仕方ない

>2)こうした発言の社会的効果(どう受け止められるか)についてまったく鈍感としか言いようがない。在特会さんみたいな人まで行かずとも、大抵の人は不安しか感じないだろうし、そんなビジョンで「労働開国」が進められてると知ったら、激しい反発を招くことは必至。

>この発言を聞いて素直に同調する人がいるとすれば、「ゆとりの若者より外人のほうがよく働いてくれるからねぇ」みたいな限界的産業やブラックに近い企業の経営者だろうけど(正直いくつか顔が浮かびます)、それはすなわちそういうことですよ。

>拙編著http://bit.ly/besMnlの序章でも強調しましたが、労働条件の悪さの温存(非採算部門の延命、生産性向上努力の阻害)を容認する形での移民導入政策は、日本人のためにも、来日する外国人のためにもなりません。色々いいこと言われても、あの発言一発でふっとんだ感じです。

間接伝聞だけであれこれ論ずることは差し控えたいと思いますが、一般論として言えば、こういう議論が進めば進むほど、お花畑的多文化共生論と在特会的思考停止排外主義が無内容に華々しい空中戦を繰り広げる一方で、日本の労働市場をどうするかというより本質的な議論は取り残されていくことになるのでしょう。

も一ついえば、「職業高卒」程度は外国人で、という発想がするりと出てくるところに、公的職業教育訓練に対する軽視感覚が現代社会に牢固として根付いていることを感じざるを得ません。職業訓練校の廃止政策やジョブカードに対する敵意に満ちた仕分けなどにも、共通の感覚があるように思われます。まあ、ついった上の伝聞でこれ以上語るのはやめておきますが。

(追記)

Book_12889 外国人労働者問題についてのわたくしの考え方は、上のついーと主の五十嵐泰正さんが編者の『労働再審2 越境する労働と〈移民〉』(大月書店)に第6章 日本の外国人労働者政策――労働政策の否定に立脚した外国人政策の「失われた二〇年」として書きました。五十嵐さんの序章ともども是非お買い求めの上お読み下さい。

http://www.otsukishoten.co.jp/book/b73914.html

と、出版社に義理を果たした上で・・・、

その主張のあらすじを某所で喋ったものが、『FORUM OPINION』という雑誌の10号に載っておりまして、こちらはわたくしのHPにアップしてありますので、ご参考までにご覧いただければ、と。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/forum1002.html(外国人労働者問題の“ねじれ”について)

また、『労基旬報』でも、外国人労働者問題を考える基本的な枠組みについて、「外国人労働者問題の本質的困難性」という小文を書いておりまして、こちらもHPにアップしております。併せてどうぞ。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/roukijunpo101025.html(外国人労働者問題の本質的困難性)

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コメント

濱口先生、「越境する労働と<移民>」ではお世話になりました。何度も紹介してくださっていたのに、お礼が遅れて申し訳ありません。

この件は反響を呼ぶだろうな、とそれなりの覚悟でツイートしたのですが、濱口先生にまで取り上げていただけるとは…(笑)

メモを参照するとこの発言は、「地域の持続的発展のためには外国人労働者の受け入れが必要」という箇所で出たものです。進学率上昇や都市部への流出で高卒職種を担う人材が地方であまりに少ない、そこを外国人が埋めなければいけない、というくだりのあとに、本当にさらっと出てきたんです。正直特に言及する必要もなかったと思うんですけど、さもそんなもんでしょ、って感じであまりに自然に。もちろん、この発言の内容は井口報告の本筋ではないし、詳細な報告レジュメにも文字化されてないぐらいなので仕方ないのですが、その後の討論でもこの発言については完璧にスルーされたのは軽く衝撃でした。
(JILPTのHPにはどのレベルで文書化されるんですか? そんな具合なので、テープ起こしまんまじゃなければ、スルーされるかもしれません)

しかしこの発言(への批判)だけが独り歩きしてしまうと、ある種のレイシズム(エスニシティによって階層差を正当化するような)を呼びこんでしまうので、ツイートに少しためらいがあったのですが、その意味でも、濱口先生に僕のツイートの全体をあまさず引用していただいたのは、とてもありがたく思っております。

とまれ、井口先生の真意は聞いてみたいですね!
機会があればよろしくお願いしますm(__)m

勝手についーとを引用させていただきましたが、外国人労働者問題を「人種民族」問題ではなく「雇用労働」問題として冷静に議論する土俵をつくっていきたいな、という問題意識を共有する(と勝手に思っている)同士として、ということでご容赦願います。

なお、JILPTの労働政策フォーラムについては、

http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/index.html">http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/index.html

に過去に開催したフォーラムの資料と発言録がアップされています(かなり時間がかかりますが)。

いえいえ、「勝手に引用」だなんてとんでもない!本当に感謝しております。

「外国人労働者問題を「人種民族」問題ではなく「雇用労働」問題として冷静に議論する土俵をつくっていきたいな、という問題意識を共有する(と勝手に思っている)同士」だなんて、本当に恐縮してしまいますが、外国人回りのギョーカイのある種の規範的な(濱口先生流にいえば些か「お花畑的」な)空気には問題意識を感じることも多々あります。
僕は都市/地域社会学が専門領域だと自己定義しているために、こうしたギョーカイと適度な距離がありますので、結果的にある程度冷静で自由な立ち位置が取れているのかもしれません。

またいろいろ教えていただくのを楽しみにしております。

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