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2010年12月28日 (火)

診療報酬を引き上げれば医療生産性は上がるよ@権丈節

先日の「スマイル0円が諸悪の根源」というエントリに関連して、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-107c.html

権丈先生が、以前書かれた「医療の生産性向上は国を挙げての課題!?診療報酬を引き上げれば医療生産性は上がるよ」という「勿凝学問」を本日再アップされています。

同じ話の医療版なんですが、こういうことが分からずにただでさえへとへとの医療関係者をさらに鞭でしばけば生産性が上がると思いこんでいる人々には有用なエッセイでしょう。

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare96.pdf

>日本の医療の生産性が低いというのは出席者周知のこと、その原因が、診療報酬と制度改定により医療費が政策的に低く抑え続けられてきたからというのも出席者周知のこと。医療生産性を上げたいのであれば診療報酬を引き上げればよいのである。

>ついでに余計なことを言っておくと、必ずしも生産性は付加価値生産性で測る必要はなく、生産物で測った物的生産性を見ることもある。そこでいま、医療の生産性を、医師1人当たりの取扱患者数で見ようとすれば、わたくしが「医師の多忙さを推し量る一次接近」と呼んでいる図を見ればよいことになる。

>う~んっ、日本の医師はアメリカの5倍ほどはたらき、日本はアメリカの5倍ほどの物的生産性を示しているとしか読み取れないですねぇ、これは。

で、このエッセイの最後には、、『岩波 現代経済学事典』における「生産性」の解説が引用されています。

生産性について何事かを騙ろうという人は、せめてこれくらいの常識は身につけてからにして欲しいものですね。

>・・・エコノミスト、新聞などが誤って使っている場合が多いので、その内容を厳密に定義する必要がある。いま投下労働量をl時間とし、それによって生産された生産物をqとすると、労働生産性はq/lであり、労働当たりの物的生産性である。したがって、生産性の比較は、工場内の同じ工程をとって比較する以外ない。たとえば、乗用車の組立工程を日米間で見ると、1人1時間当たり、もっとも効率のよい工場同士で、日本1に対して、米国0.35であり、塗装工程で、最頻価日本1、米国0.5(いずれも1981年)である。しかし、通常エコノミストや新聞が用いる生産性は付加価値生産性で、価格をp、製品当たり原材料費をuとすると(p-u)q/lである。したがって、価格の高い米国の自動車産業が、物的生産性q/lは小さくても、付加価値生産性が高くなることがあり、日本は生産性が低くなる可能性がある。

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コメント

再び、お邪魔させていただきます。
拙ブログでも、ちょうど3週間ほど前に、税金を財源としたデンマークの医療において、“診療報酬の引き「下げ」が生産性を高める”というリベラル派の論により、一般医の診療報酬が引き下げられる可能性があったことを記事にしたところです。医師会と医療を管轄する広域連合との労使交渉は何とかまとまり、結果としてはそれなりの点で妥協に至ったようですが、同時に医師の業務が増え、大して変わらない報酬で「生産性を高める」ことを要請されるようになったといえます。
診療報酬とはいえ、医療費が基本的に無料のデンマークでは、受益者本人である患者が支払うものではなく、公費から出されるわけですから日本とは少し事情は違いますが、面白い議論だと思います。リンクをつけましたので、関心のある方に読んでいただければ幸いです。

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