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2010年12月15日 (水)

政治部的感覚の末路

いつも共感の意をもって読ませていただいているdongfang99さんの日記から、

http://d.hatena.ne.jp/dongfang99/20101214

>一言でいうと、「何か変えてくれそう」といった、政策の理念や内容以前の判断基準が大きな比重をしめるようになり、結果としてどの政党も「何か変えてくれそう」な振りをすることを一生懸命になるばかりになっている。

>結果として当然ながら、政治家は真面目に政策を勉強したり理念を洗練させたりするのではなく、「何か変えてくれそう」「やる気がある」的な雰囲気が出るような振りをすることだけに、労力を使うようになる。

自民党政権が「構造改革なくして景気回復なし」とか「郵政民営化が一丁目一番地」などと「何か変えてくれそうなフリ」をしている間は、熱狂的に支持を盛り上げておいて、末期の麻生政権がもはやそういう「フリ」では持たないことを悟って、社会保障国民会議や安心社会実現会議などで真剣に真の課題に取り組み始める頃には、下らない言葉尻のあげつらいでひたすら貶すことに専念したマスコミ政治部感覚が、まったくそのままテープの早回しのように眼前に進行しているのが、民主党政権になってからの展開なのでしょう。

鳩山政権時代に「何か変えてくれそうなフリ」をしている間は熱狂的に盛り上げていて、それでは持たないことを悟って、菅政権になってようやく本気で「フリ」じゃない真の改革に取り組み始めると、彼ら政治部記者どもは、そんなことには何の関心も示さず、ひたすら(麻生政権時代を彷彿とさせる)言葉尻あげつらい競争に専念するというこの姿。

たとえば、先週金曜日に「社会保障改革に関する有識者検討会」がまとめたこの「報告書」など、ほとんどまともに取り上げられていませんでした。政治評論家や政治部記者にとっては、こういう本当の政策理念を論ずるようなものははやなんの意味もない紙切れのようです。

こんな連中が、龍馬にかぶれているフリをしているんだから笑っちゃうよね。

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/22zen20kai24.pdf

ここに示されている社会ビジョンは麻生政権時のものと連なりながら、本当に日本社会の将来を考える人々がきちんと読むべきものだと思いますが、そういう真の政策論議が二の次三の次どころか、しんがりになってしまうのが、この国の現状なのでしょうね。

>(2) 社会保障改革の可能性 いかなる日本を目指すのか

参加と包摂の日本

社会保障の機能強化をとおして、貧困と社会的排除をなくし、皆が能力を発揮する参加の機会を得て、各々が出番をもつ日本をつくらなければならない。これまでのように、男性世帯主だけが安定した雇用を享受し、長時間労働にあけくれるというかたちは、もはや維持しえない。老若男女が多様なかたちで働き、学び、ケアに携わる社会をつくりだすことが大切である。やる気や活力をそぐような格差については是正し、包摂を強めるならば、国民一人ひとりの能力が高まり、社会が活性化する。

つながりと居場所のある日本

社会保障は、家族や地域のつながりにとって代わるものではない。かけがえのない家族や地域のむすびつきが弱まるなかで、それを活き活きと甦らせることこそが社会保障の役割である。子ども・子育ての支援が家族の縁を強くし、介護のネットワークが地域の縁をむすびなおす。皆が居場所を得て、互いに認め認められることが、より多くの国民が幸福を感じることができる基本条件となる。

活力ある中間所得層の再生

ふつうに努力すれば、誰もが家族をつくり、生活できる社会を取り戻すべきである。これまでの日本で、分厚い中間所得層の存在こそが、安定した成長と活力の源であった。社会保障の機能強化によって、中間層の疲弊に対処し、その活力を再生できれば、それは自ずと経済成長と財政の安定につながる。

アジアのなかの安心先進国

これまでの日本は、アジアの経済大国として存在感を示してきたが、これからはアジアの安心先進国として、モデルを提示していくことが望まれる。成長の波に乗るアジア諸国は、しばしば内部に深刻な貧困や格差の問題を抱え、また遠からず高齢化社会に突入する。こうしたなかで日本は、まず、アジアの成長力を日本の経済成長の力として取り入れ、社会保障の財源を固めつつ、不安定で流動的な雇用や少子高齢化など、共通の問題を解決していく道筋を示すべきである。さらには、安心先進国のモデルとして、介護や看護の人材育成、外国人患者の受け入れなどをとおして、アジア地域の安心拡大のための共生貢献を果たしていくことも必要である。

責任を分かち合う日本

新しい日本のかたちをつくりだしていく財源については、打ち出の小槌はない。責任を分かち合う日本であらねばならない。責任の分かち合いは、一面では政府と国民の間でなされる。政府はすべての国民に「参加」の機会と「居場所」を得る条件を保障し、国民はこうした条件を活用して各々の力を発揮し、財政的にも社会保障を支えていく。他面ではこれは、国民相互での責任の分かち合いでもある。国家財政は基礎的財政収支すらも膨大な赤字になっている。こうした現実を直視し、次世代に負担を押しつけることなく、各自の責任を果たし、支え合っていく覚悟と合意(社会契約)をつくりだす必要がある。

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コメント

「概要」をざっと見ましたけれど、その段階での私の感想は
1.経済政策、特に雇用創出策について言及がない
2.税制については、所得・資産課税と消費税について述べられ、特に、社会保障目的の消費税を基幹としているが、消費税が逆進的に働かない、社会保障目的のみに限られる、ということが保障されるのだろうか
というものです。
読み足りない、読み間違い、ないものねだり、などもあるかと思うのですが、明日は、hamachanはこの会議の座長の宮本先生とのトークですね。期待しています。

dongfang99氏のエントリに関係が深いのが
権丈先生経由で言うと学問ノススメの
「この人民ありてこの政治あるなり」ですね。
あるいは政治家の就職活動(就活)=得票率最大化行動

http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/tushin_nyugakushiki1.pdf

この講演が
・ポピュリズム
・最大多数の最大幸福かそれとも多数の専制かなど
民主主義にビルトインされた問題に対する権丈先生の論考が比較的まとまって読めるファイルだと思います。
(凝る勿れの方はけっこうバラバラなので…)

匿名希望さん

いや、面白い講演ですね。ご紹介ありがとうございました。「天は人の上に」で有名な福澤先生ですが、民主主義論もなかなか。で、福澤先生を引いて、オルテガに言及し、「ダイハード」(もちろん第一作でしょうけれど)で締める権丈先生も、いいですね。
ページ付けが左から右なのが少々読みにくかったですけれども、慶應だけでなく、そもそも「最高学府」である大学に学ぶほどの人には読んでもらいたい講演ですね。

「構造改革なくして景気回復なし」にしても、「郵政民営化が一丁目一番地」にしても、具体的な政策に結びついているので、「何か変えてくれそうなフリ」とレッテル貼りするのはどうかと思います。

迷走する中で本当にやるべきものが見えてきた。だが手遅れだったといったところではないかと思います。

さて、仮免を卒業した菅総理がどんなビジョンを提示してくれるのでしょうか?

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