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2010年12月10日 (金)

政治部記者の空っぽな大風呂敷

先日、ようやく朝日のジョブカードについての社説をほめたのに、あっさりそれをぶちこわしてくれる政治部記者臭満載の本日の社説。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1(地域主権改革―大風呂敷をたたむな)

カイカク真理教、チホーブンケン真理教、シワケ真理教・・・、看板はいろいろですが、要するに政策の中身はまったく知らず、知ろうとせず、知ることを拒否し、ただただ「真理教」のお題目だけを唱え続ける、政治部記者の“躍如としてめ面目ない社説”ですな。

>民主党内の議論も解せない。自治体が強く求めるハローワークの移管を当初は容認しようとしながら、最後は国に残す方針に転換した。根っこには、まだ自治体には覚悟も能力も足りないという判断もあるのだろう。

つまり、政治部記者には、「労働政策の観点から」ものを考えるという脳みそが、ひとかけらもないということのようです。政治面を見ていくだけで、傘下に自治労があり、全労働はない連合が、組織的利害ではなく労働者の利益という立場からチホーブンケンに批判的であることはわかるはずですが、脳みそにそれを受信する部位が存在しなければ、何が書かれていても入らないのでしょう。

そもそも、東京や大阪や埼玉といった、自分の足もとの企業からいくらでもお金が流れ込んでくる大都市圏の自治体のオレ様首長以外に、本気で労働行政の地方移管を求めている人々がいるのかどうか、脳内分権論を振り回す暇があれば、本当の「地方」の地方自治体の話を聴きに行けばいいのに、と思いますが、まあ政治部記者にそういうフットワークは無理なんでしょうね。

より正確に言うと、彼らの言う主権を有するべき「地方」とは、東京「地方」とか大阪「地方」のことであって、我々が日常言語で「地方が疲弊している」とか言うときの「地方」は目に入っていないのでしょう。つか、そんな「地方」は、チホー分権で全滅させたいと思っているのかも。

なんにせよ、政策的思考のかけらもない政治部記者の「大風呂敷」につきあわされる国民が最大の被害者かも知れません。

地域主権真理教のなれの果てが阿久根市の惨状である・・・なんて反省は、しかしながら彼らには期待できないでしょうね。

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コメント

hamachanは「地方分権」にかなり批判的なようですね。でも、現在のような論調の地方分権に、というだけでなく、そもそも、地方分権そのものに批判的なような印象を受けています。ご自身の経験から、国の行政責任を、特に労働分野についてはもっと強めなければいけない位なのに、という風に思っておられるように推測しています。間違っていたら、そうご指摘ください。

ただ、私の考えは違います。地方分権ないし地域主権の問題について、私が一番信頼しているのは、片山善博総務大臣の考え方です。
簡単に言って、二点が大切だと思います。一点は、国と地方のバランスと分担/協力のあり方の問題だということ、もう一点は、地方自治というのは自治体の権利の問題というよりも、最終的には住民としての国民の権利の問題だということ。
で、この二点が、きちん理解されていません。この朝日新聞の社説ももちろん、地方自治体の首長さん達にも、一般にも、理解されていないと思います。
一点目のバランスと協力の問題は、官と民にも言えることですし、二点目の最終的には個々の国民の権利の問題、つまり、個人の自覚の上にたった権利の擁護と行使、というのは、これは、地方行政だけでなく、生活のあらゆる分野について言えることで、hamachanは、労働分野での個人の自覚の重要性は、それは常々痛感しておられるところでしょう。

最近の片山総務相の記者会見で、やはり、この二点を強調しておられましたので、長くなりますが、ご参考までに引用いたします。

第一点、バランスと協力の問題について。
「知事会の場でも、私もちょっと知事さん側に問題を投げかけたのですけど、例えば全国的ネットワークの構築というのは、これ必要なのですね、仮に移したりしてもね。これをどういうふうに諮れると考えているのかとかね。それから、雇用保険と職業紹介というのはやはり緊密な連携を取らなければいけませんよね。自治体側の方は、職業紹介と、それから職業訓練、それから住宅のお世話とか、いろいろな自治体の施策と一体となった方がやりやすいと説明されていて、埼玉県知事が。それはそのとおりで、非常に分かりやすい説明をされていました。私も同感です。一方では、雇用保険というのは、今、国がやっていますけれども、雇用保険と職業紹介というのも、切り離すことがなかなか難しい分野ですから、これをどういうふうに考えるのですかというのを、その席上でも投げ掛けたのですけれどもね。そのようなことに対する回答も、国側としては聞いてみないといけないですね。あと、国の方は、国の方というか、担当省の方は、例えばさっきの、全国的ネットワークが取れるのですかとかですね。それから、国際機関との、国際機関のグローバルスタンダードから言うと、中央政府が責任を持たなければいけないとされているこの分野を、自治体に分権化した場合、移譲した場合に、中央政府が責任を持つということとの整合性はどうかとかの懸念もあるわけですね。そういうものを、よく、率直に、当事者も含めて話し合いをする必要があると思います。」

第二点。最終的には、個人としての住民=国民の権利の問題である、という点について。
「地方分権とか地域主権改革というのは、これまでずっとやってきていますけれども、何やらちょっと誤解があって、県を強くする、市町村を強くする、知事の権限を強くする、それから、自治体の金回りをよくするということが目的みたいに勘違いしている人がいるのですけれども、そうじゃありませんよと。あくまでもこの改革というのは、一連の改革というのは、住民の皆さんのための改革であって、住民の皆さんにとって、よりコンフタブルな、満足度の高い、ずれていない行政が実現するための改革なのです。それが究極の目的なのです。そのためには、霞が関に権限があるよりは、身近な自治体に権限があった方が、住民の皆さんのハンドリングが利く、住民の皆さんの影響が及びやすい。そのために、国から自治体に権限を移譲し、自治体の自由度を高め、すなわち、義務付け・枠付けを見直し、それから、お金もひも付きではなくて、自治体の判断で使えるお金に変えていくという、こういう改革作業をやっているわけです。それは、首長さんのためにやっているわけではないのです。これは、自治体にそういう権限が移れば、自分たちが、国会議員よりも、市町村の議員とか、市町村長の方が、自分たちの意思で選びやすいじゃないですか。国会議員といったって、例えば鳥取県だと、ほんのわずかしかいないですよね。ところが、自治体の場合には自分たちで選べるわけですよ、大勢を。その方がより反映しやすいわけです。そういう、より反映しやすい場所に、フィールドに、権限とか、判断権とか、財源とかを移しましょうということなので、そこを忘れないでくださいねということを申し上げたのです。この二つを申し上げたのです。そのことで、今回は初めての試みで、そういう苦言を申し上げたのは多分初めてだと思います。私は47人の一人だったとき、そういうことをしょっちゅう言っていたのですけれども、今回は国の立場でそういうことを申し上げたので、そんなことも汲んでいただいて、次からはだんだんと、正常化と言いますか、皆さんから見ても、意義の高いものなるのではないかなと思いますね。私はあえて、地方自治法の講義みたいになったかもしれませんけれども、あの場で、知事会議の場で、地方自治には団体自治と住民自治があって、今までやってきているのは、全部団体自治の強化なのです。自治体を強くする、首長を強くする、金回りをよくするというのは。だけど、もう一つの重要な要素である住民自治、住民の意向がいかに、自治体行政に反映しやすくするかという、住民自治を忘れてはいけないので、総務大臣としてはこっちの面にも、従来の団体自治の強化に加えて、住民自治の強化についても、今、取り組んでいますという話を紹介したのです。行財政検討会議の検討内容なんかを踏まえた上で。ただ、住民自治はそんなにいいから、団体自治をもっとやってくれという話も一部あったものですからね。それは違いますよという話をあえて申し上げたのですけれども。ちょっと耳が痛かったかもしれません。だけど、終わったあと、「いや、そのとおりですよ。」と言われる方が、数人おられましたね。ああいう場で言っていただくといいのですけれどもね、本当はね。」

引用元は以下のアドレスで確認できます。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/02koho01_02000145.html

今回の朝日新聞の記事ですが
hamachan先生の書かれているとおりだと思います。
ハローワークの労働組合が全労連系で連合傘下でないですから。自分たちの組合員を守るためではないのは明らかです。
 そもそも雇用保険などに多くのお金を出しているのが労使双方なのにお金を出している人たちの主張を聞かないというのはありえないと思います。労働政策審議会で労使双方が労働保険特別会計を常に見ていると思いますがいかがでしょうか?
 ハローワークは障がい者雇用率など自治体に対して様々な指導をしている様ですがどうなるのでしょうか?

知事会の主張に事実誤認が多すぎると思います。
http://www.nga.gr.jp/news/20101110desaki_shiryo1.PDF

例 公共職業訓練 施設内 平成21年
  国(雇用能力開発機構)
  3.6万人強 就職率 約8割弱
  地方
  1.4万人強 就職率 約6割強
http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/risyoku/index.html

 湯浅さんが悩んだワンストップサービスの自治体の対応
http://blogs.yahoo.co.jp/cyoosan1218/51354201.html

 自治体が職員を急増させていた昭和40年代には職員削減を始めているのがハローワーク(上記でも湯浅さんがハローワークの職員が削減されていることを言っています。)
  昭和42年 14606人
  平成22年 11861人
http://www5.cao.go.jp/koukyo/kouhyou/ilo/pdf/report3.pdf
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl/13-3c.pdf

  失業保険の働く意思の確認は抽出で行っているといっているが雇用保険の認定日に全員に職員が働く意思を確認しているのではなかったか?

 地方分権に上げられているデンマークは本当なのでしょうか?デンマークは憲法82条で「地方は国の監督の下、独立してその業務を遂行する権利を有するが、その権利は国会の制定法によって監督されなくてはならない」とされており、かつ国から地方に長官が派遣されて地方を監督しているようですが、、。
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk079/zk079_09.pdf

トラックバックがうまく飛ばないようなので、こちらでコメントさせていただきます。

例によって冗長なエントリとなっておりますが、
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-431.html
他のコメントでは各論について配慮されている哲学の味方さんが、こと地方分権となると思考が総論に傾いてしまわれているように見受けました。もし「住民に近いからきめ細かい意志決定ができる」というのがその理由であるならば、「住民に近いからこそ、中長期的かつ社会的・地理的にレンジの広い公共サービスが後回しにされやすい」という点にも思いを巡らせていただければと思います。

マシナリさん

hamachanの場所を借りて言いたいことを楽しく言わせてもらっている私のコメントですが、ずいぶん丁寧にとりあげて頂いて恐縮です。

で、お答え申し上げますと(なんて、大臣答弁みたいですね)、「地方分権」自体は、総論でしか語れないと思います。
では、どの行政分野において、どのように地方と国が分担/協力できるか、は、個々のイシュー別に詰めなければならない問題でしょうね。国側は、法規と政府方針にのっとった原則を重視し、国全体の公平性を考える必要があるでしょうけれど、個々のイシューについて、具体的にどのような行政施策が必要なのかは、地域によっても異なると思いますし、地方は、特に、地方公務員が行政現場でしっかり住民と生活を見ていれば、国の一般原則からはこぼれるものもわかるはずです。と、これも総論になってしまいますが。今、要するにこの人たち、単なる権力志向なんだろうか、と思われるような変な首長が多いですけれど、その変な首長の下にいる地方公務員も、地方では高水準で安定している処遇に甘んじて、本来の地方行政のあり方、自分達の仕事のあり方についてきちんと考えてこなかった面があるのでは、と思います。

なお、片山大臣を「原理主義者」と言っておられますが、彼は大きなところから、細かいところまで、実によく目配りの利く人だと思っています。個人的なことになりますが、私はかつて、仕事で鳥取県に調査にうかがったことがありました。鳥取県西部地震の少しあと、被災現場の復興状況と当時の県の対応についての調査にうかがったのです。そのときに、知事の姿勢に感銘を受けました。霞ヶ関からは「憲法違反だ」とバッシングを受け、かつ、被災の全貌が判明していないのでどれだけの補償額になるかもわからない時点で、被災地を見て歩いた知事は県独自での住宅再建支援に踏み切りました。決断した夜は眠れなかった、と言っておられました。この支援が、その後、国の法律になったことはごぞんじですよね。で、これ以降、何度か鳥取県を訪問し、かつ、毎回の知事の記者会見録も読んでいましたので、私の片山大臣への信頼は、知事の8年の行政実績を拝見してのものです。鳥取の20世紀梨のセールスプロモーションにも積極的に出向いておられ、給食の地産地消を推進された知事は、原理主義者ではなかったですよ。ちょっと賛美に傾きましたが、私はそう思っております。

あと、財政について。これも原則論になりますが、自分達が納めた税金が、自分達の目に見えるところでまわることは必要だと思います。一人一人は、地域住民である国民から徴収されて国に行き、そして補助金として帰って来るお金はあるかもしれませんが、長いパイプを通っていくお金は、そのパイプのメンテ費用や、メンテのためと称する不必要な経費(それこそ、仕分けの対象とすべきものです)、漏水やパイプ自体の老朽化に気づかない、なおしにくい、などの欠点があります。まあ、この論議は雑駁過ぎますが、北欧で高率の税金でも国民が納得、のように言われるのは、福祉として自分達の生活に還元されることと共に、地方で、目の前で確認できる使われ方をしていることも大きいと思います。

長くなりましたので、このあたりで。
で、一言、念を押しておきますと、私は、別に「地方の味方」ではなくて、自分の気分としては、「個人としての市民の味方」のつもりなんです。
hamachan、ほんと、長々、すみません。

哲学の味方さん、レスありがとうございました。私の方も長くなりそうなので、こちらではできるだけ簡単に。このコメントにレスされる場合は、私のブログにいただければと思います。

片山氏が原理主義であるとしたのは、私が言ったのではなくご本人の発言からの引用ですので、その点はご確認いただければと思います。
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-249.html
もちろん、私自身は片山氏と直接面識はありませんし、その姿勢をつぶさに観察していたわけではありませんので、片山氏の自己評価が哲学の味方さんがご存じの片山氏評とは違うこともあり得ると思います。

なお、一自治体が所得再分配的な政策を先取りして、それが全国に波及していったときに財源が確保されなくなってしまうという事例に老人医療費の無償化がありますが、それが今の巨額の累積債務につながってもいるわけです。
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-105.html

所得再分配政策は負担と給付の関係を意図的に引き離すものであって、
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-379.html
それが目に見えるようになるためには、国家単位の大きな行政サービスを量的に確保することが必要となります。おそらく北欧の地方で目に見える使われ方となっているのは、地方分権が進んでいるからではなく、単純に負担が大きいために、それに見合う給付がないとおかしいというチェック機能が働きやすいということではないかと思います。

私も長々と失礼いたしました。
> hamachan先生

えー、あの、地方分権によってどの行政サービスが「住民の皆さんにとって、よりコンフタブルな、満足度の高い、ずれていない行政が実現する」のか、提示いただいていないんですが。

私は某自治体職員ですが、ハローワークの地方移管なんて百害あって一理なしですよ。

法定受託事務とすることで大丈夫と言っているようですが、法定受託事務とされている事務の執行状況の現実をもっとよくみてください。

今は地方を立て直すためにも中央の強い機能が必要です。地方の意見をよく聞いた上でですが。

なお、片山知事をご信奉のようですが、地震時の住宅再建費用の助成や地方の特産品のトップセールスは地方分権とは全く関係ありません。

マシナリさん

手短に。「原理主義者」は確認しましたし、悪い意味にとったのではないです。私自身も「原理主義者」のつもりです。哲学が好きなくらいですからね。好きな哲学者は日本人では三谷隆正、外国人ではヤスパースです。三谷氏は特に、知らない人が多いと思いますが。

で、今回のやりとりにつきましては、私としてはここまでで納得です。今後ともよろしく。

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横やりを入れてしまうようで恐縮ではありますが、hamachan先生のところでなかなかに示唆的なやりとりがありましたので、これを題材にして地方分権のまとめをしてみたいと思います。 まずは、hamachan先生が...... [続きを読む]

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