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2010年12月17日 (金)

団結権はダメだけど争議権はOK?

もちろん、現在の公務員労働基本権問題の中核は団体交渉権(労働協約締結権)であるわけですが、依然として消防職員の団結権問題になかなか結論が出せない一方で、争議権まで認めるかもというような話もあったりして、なんだかなあ、という感じではあります。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000094526.pdf(消防職員の団結権のあり方に関する検討会報告書)

>検討会においては、団結権の回復に慎重な立場からの意見として、消防職員の団結権を回復することにより、①職員間の対抗関係を生じさせることになり、指揮命令系統や、部隊内の信頼関係に影響を与えるのではないか、②住民の生命・財産を守るという消防の任務に支障が出るのではないかという観点から、地域住民との信頼関係に影響を与えるのではないか、③消防職員が自らの権利を主張することにより、消防団との連携や信頼関係に影響を与えるのではないか、等の課題・懸念が示された。他方で、団結権の回復に積極的な立場からの意見として、消防職員の団結権を回復することより、対等な立場での労使の意思の疎通により、目的意識の共有や公務能率の向上、消防職員の安全の確保が図られるのではないか、等の効果が期待できるのではないかとされたほか、団結権は近代労働法制の基本的なインフラであり基本的な人権である、という意見や、昭和48年以降ILOから指摘されていることを踏まえるべきではないか、という意見があったところである。

>政府における検討にあたっては、ILOから長年にわたり指摘を受けていることにも留意しつつ、検討会において、「国民的な議論が必要である」という意見があったことも踏まえて、国民・住民の生命、身体及び財産を守るという日本の消防の使命に鑑み、国民・住民に対する行政サービスの向上につながるよう、また、消防に対する国民の信頼を損なうことのないよう十分留意して、公務員制度改革の状況も踏まえた検討を行うことが求められる。なお、どのような制度を採用する場合であっても、国民、住民から支持されるためには、労使双方による適切な制度運用に向けた努力が不可欠である

http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/kihonken/dai5/siryo.pdf(国家公務員の労働基本権(争議権)に関する懇談会報告)

>60年間以上にわたり制約されてきた協約締結権を非現業国家公務員に付与し、労使が職員の勤務条件を自律的に決定し得る仕組みに変革することは、国家公務員制度の歴的な転換であり、これを円滑に成し遂げるためには、周到な準備を行っても、なお多くの困難や運用における試行錯誤を伴うものと考える。
仮に政府が国家公務員に対する争議権付与の意義を積極的にとらえ、その実現を図ろうとする場合でも、まずは協約締結を前提とした団体交渉システムないし自律的な労使関係の樹立に全力を注ぎ、そうしたシステムにおける団体交渉の実態や課題をみた上で争議権を付与する時期を決断することも、一つの選択肢となり得るものと考える。

>政府においては、自律的労使関係制度の全体像の一環として、争議権の付与について最終的な決断を行うに当たっては、付与自体の是非のみならず、仮に付与する場合の付与の時期や、付与するまでの間における検討の在り方等についても、併せて適切に判断ありたい。

先進国に類がなく、どう考えても職員団体をつくっちゃいけないというまっとうな理屈があるとは思えない消防職員の団結権問題については両論併記みたいな結論で、

一方では公務員がストライキしてもいいみたいな雰囲気の結論の報告書が出たりして、一体日本の公務員法制をどうしたいのか、全然トータルなビジョンが見えないですね。

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