OECD『日本のアクティベーション政策』
OECDの「アクティベーション政策レビュー」のシリーズの最新作として日本についてのレビュー報告書がアップされました。
筆者は、OECD雇用労働社会総局雇用分析・政策課のエコノミストで、Nicola Duell, David Grubb, Shruti Singh and Peter Tergeistの4人です。
この4人は、ちょうど2年前の今頃、JILPTにも訪れて、わたくしが説明したこともあります。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/oecd-dd50.html(OECDアクティベーション政策レビュー)
>本日、OECDのアクティベーション政策レビューのためのミッションの方々との意見交換を行いました。
来られたのは、OECD雇用労働社会問題局雇用分析・政策課の研究員の4人で、うちテルガイストさんとは、先月末のEU財団の労使関係ワークショップでお会いしておりました。
アクティベーションとは、厚労省は「就労化」と訳していますが、つまり働いていない人々をいかに働いてもらうようにもっていくか、という政策課題です。ヨーロッパでは、失業給付や福祉給付が寛大であるため、そこの安住してなかなか働こうとしない「失業の罠」「福祉の罠」が大きな問題となり、アクティベーション政策が必要になってきたわけですが、日本はそもそも失業給付の期間が短く、生活保護も事実上就労可能な男性は入れないという運用をしてきたわけで、欧州的なアクティベーション政策とは文脈がまったく異なります。
本日は、そういう文脈が日本と欧州でいかに異なるかという話から始めて、生活保護、シングルマザー、障害者、高齢者、若者、などなど、予定を大幅に超えて議論が弾みました。
これにより、日本の労働社会問題の理解が少しでも進めばうれしいことです。
本ブログでも予告してきたように、実は本報告書はわたくしが翻訳して、明石書店から出版される予定です。日本語でお読みになりたい方はそれまでしばらくお待ち下さい。英語版は上のリンク先で自由に読めます。
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