うつ休職中の育児休業
経営法曹会議から『経営法曹研究会報』65号をお送りいただきました。特集は「育児・介護休業法改正の職場対応」で、川端小織、杉原知佳、今津幸子、木下潮音という4人の女性経営法曹の方々がいろいろな観点から突っ込んでおられます。
特集からすると余り本筋ではないのですが、わたくしにとって一番興味深かったのは、最後のあたりで杉原さんが語られたこんな実例です。
>次に話は変わりまして、最近、ご相談のあったことですが、うつ病になった人が、私傷病休職として、3年間休職していました。3年経って、会社としては、ようやく「もう職場には戻れないだろう、やっと退職させられる」と考えたところで、本人から、「子どもが出来ましたので育児休業を取ります」といってきて、育児休業に入ってしまいました。となると、就業規則の規定の仕方にもよりますが、この場合、「私傷病休職のカウントをリセットして、一からカウントしなければならないか」という問題が生じます。ちなみに、この方は男性で、奥さんは専業主婦だったのですが、今後は、こういう問題も多くなってくるのではないかという気がしました。
労働者のための法制を完備していくことが悪いわけではないのですが、一方に法律上にある権利を全然行使できないような状況がいっぱいある中で、法律上の権利をその本来の趣旨とは異なる目的のために悪用する人にはなかなか対処できにくいという、この現状はやはり考える必要がありましょう。
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初めて訪問して下さった方。ありがとうございます。
中々面白かった。うつ病に負けるな。と言う感情がちょっとでも沸きましたら
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