木村大樹氏の専門26業務適正化プラン批判
労働調査会のコラム「労働ア・ラ・カルト」で、国際産業労働調査研究センター代表の木村大樹氏が、専門26業務適正化プランを激しく批判しています。
http://www.chosakai.co.jp/alacarte/a10-10-4.html(長妻ショックはリーマンショックよりも雇用に大きな衝撃を与えた)
>この調査結果のうち特に問題としたいのは、「専門26 業務派遣適正化プラン」についてである。同プランは、2010年2月8日に突然発表されたもので、その発表文には、わざわざ「長妻昭厚生労働大臣の指示を受け」と記載されており、同日の衆議院予算委員会では当の長妻厚生労働大臣(当時)がこの手のことを実施すると答弁の中で宣言していた。
いわば長妻厚生労働大臣の肝いりの政策であり、長妻プランと呼んでもよいと思われる。
>2009年6月1日から2010年6月1日の1年間で、長妻プランでやり玉に上がった「事務用機器操作」では8万9千人、「ファイリング」では1万人それぞれ減少していて、これら2業務だけで約10万人の減少となっているのである。
特に「事務用機器操作」ではリーマンショックの影響が直接出た2008年6月1日から2009年6月1日の1年間の減少数が3万人であったことと比較しても大幅増となる。
>長妻プランによるショック、つまり長妻ショックは、事務機器操作という限られた分野ではあるが、リーマンショックよりも大きな衝撃を派遣労働者に与えた可能性が強いのである。
菅総理大臣は、民主党代表選挙で、1に雇用、2に雇用、3に雇用と主張していたが、長妻プランは現在も進行中なのだから、その内閣の足元で、雇用に少なからず負の影響を与える施策が進行していることをどのように考えているのか、一度お尋ねしたいものである。
もちろん、そもそも労働者がひどい目に遭っているような雇用機会は雇用があるからといって意義があるわけではないので、雇用の中身が大事なのですが、少なくとも、ここで木村氏が取り上げている5号、8号業務は、少なくともその大部分は(多くの直接雇用の非正規や中小企業の義務だけ正社員などに比べても)決して存在が許されないようなひどい代物ではなかった(からこそ今まで25年間ほとんど問題にされることもなかった)わけで、それが一片の通達の適正化プランでリーマンショックよりも大きな衝撃を受けているというのはなかなかシュールな世界ではあります。
と、いうだけだと木村氏に同意しているだけに見えるかも知れませんが、わたくしからすると、やはり、そもそもなぜこういう事態をもたらすような法制度になってしまっていたのか?という点にまで踏み込んで論じられるべきではないか、と感じざるを得ません。
法律を作る前から、専門業務などではない「事務処理」だと分かっていたものを、特別な専門業務だとごまかして通してしまったことのツケが25年後の今、吹き出しているのですから。
裸の王様を吹雪にさらして風邪を引かせた責任は、もちろんさらした人にもありますが、そもそも裸の王様を「素晴らしいお召し物を着ていらっしゃいます」と25年間褒め称えてきた人にもあるのではないか、と。
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