天皇機関説、女性機械説、自衛隊暴力装置説・・・
もう4年近く前になりますが、当時の自公政権の柳沢厚生労働大臣の発言を、当時の野党がことさらにあげつらったことがありましたが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_20a4.html(女性機械説)
>その昔、
>畏れ多くも畏くも、天皇陛下を「機関」とは何ごとであるかぁ!
と喚き散らして憲法学者美濃部達吉氏を攻撃したマスコミや政治家がおりましたが、歴史はネタを変えて繰り返すものなのでしょうか。
言霊のさきはう国と喜んでばかりはいられないようです。
問題は、現政権が、自衛隊にせよ、海上保安庁にせよ、警察機構にせよ、そういう国家の存立に不可欠の暴力装置をきちんとハンドリングできているのか、という点にこそあるはずなのですが。
そういえば、先日対談した萱野稔人さんについて、こういう皮肉なことを云ってる人もいたようです。
http://twitter.com/watarloo/statuses/23009238544
>そういえば、「国家は暴力装置だ」という当たり前のことを書いただけで萱野稔人は一気に知名度上げたのでしたね>「警察を民営化したらやくざである」http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-143d.html
もちろん、そういうホッブス以来の常識をわきまえないアナルコキャピタルな人々が知識人世界では結構たくさんいたりするからですが。
自衛隊が暴力装置でなかったら、どうやって外国からの武力侵略に対抗するのよ。まさか非暴力装置とか言わないでね、野党の皆さん。
(追記)
当たり前のことを当たり前に書く限り、意見が一致するのは当然であって、おかしなことではありません。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101120/1290272803(次はアレントを読め)
>さて、自衛隊が「暴力装置」だというのは当たり前の話であって、これに関しては、今回濱口桂一郎氏*2も池田信夫氏*3もともに(仲良く?)妥当な見解を示している*4。
先方さんが人格攻撃しているからと言って、わたくしもそうだと思われては迷惑です。労働問題という分野について、明らかな間違いを指摘したら先方が逆上したというだけのことであって、それ以外の分野で池田氏が語っていることにとやかくケチを付けるつもりもありませんし、情報通信分野における言論にはなるほどと思うことも結構あります。
今回の話題は、およそ社会科学系の基礎的な素養があればだれでも思うことを皆がそれぞれにつぶやいたというほどのことで、まあfinalventさんのようにわざとふたひねりほどする方もおられますが、わたくしには所詮人様の土俵でわざわざひねるほどの話題でもないので、かつて書いた女性機械説に引っかけてつぶやいてみたというまでです。
なんだか、わたくしと池田信夫氏が同じことを書いたというのがえらく珍しいようで、「かもちゃん」氏も
http://pu-u-san.at.webry.info/201011/article_46.html(言葉づかいは難しい)
>ちなみに、いつも意見が対立するブログも、この問題では一致しているのが興味深い。・・・
だから、「いつも」じゃないのですよ。池田氏が知らない分野で知ったかぶりしたときだけです。
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恐らく野党議員であっても暴力装置という意味を理解している人もいるんでしょうが
暴力という用語のみを引いて、自衛隊は暴力なんてふるわない!酷い!という風に持っていった方が政権与党を攻撃する上では有用だと思って批判してるんじゃないでしょうか。
まさに天皇機関説と同じような構図になりますね。
投稿: 考える人 | 2010年11月18日 (木) 21時58分