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2010年11月17日 (水)

『社内失業』またはジョブなきメンバーシップ?

57515361 『社内失業 企業に捨てられた正社員』(双葉新書)という本を見つけたので、さっそく読み始めています。著者は増田不三雄氏で、「社内失業と呼ばれて」というブログを書かれているそうです。

http://d.hatena.ne.jp/shanaineet/

>「希望・早期退職」「リストラ」「派遣・新卒切り」「雇い止め」「内定取り消し」……。長引く不況の中で様々な労働問題が語られてきたが、その中で最近浮かび上がってきたのが「社内失業」。これまで社内失業のような存在は中高年の「窓際族」や、本人にやる気がなくサボっている「社内ニート」とされてきた。しかし実際の社内失業者は20代~30代の若い世代で、本人にやる気も能力もあるにも関わらず、企業側の事情で仕事を奪われた状態にある。リーマンショック以降の急激な景気の減速で増えた社内失業者の数は600万人とも言われている。彼らは社内外の人脈も仕事上のスキルもないまま放置され、企業にとどまっていても低賃金のまま。仕事上の実績もないため転職もままならない。八方塞がりの社内失業者の厳しい現実をレポートするとともに、社内失業を解決するために職場、上司、企業に何ができるのかも探っていく。日本経済自体が縮小する中で、企業の仕事量はじわじわと減り続けている。忙しい人と社内失業者の間で仕事量の格差が広がっていくことは、両者にとって不幸なことだ。労働問題の最新トピックである社内失業を解決しないことには、日本の会社、いや日本経済に未来はない。

さまざまな実例を繰り出す本書の記述は是非現物をお読みいただければと思いますが、読みながら思わず、「これって、言葉の正確な意味における“ジョブなきメンバーシップ”じゃない」と感じてしまいました。

実は拙著について何人かの方から、「hamachanの言いたいことは分かるが、“ジョブなきメンバーシップ”というと、いかにも日本の正社員は全然仕事をしていないのに給料だけ貰っているように聞こえるから“ジョブの特定なき”というべきだ」とまことに適切な批判を頂いたりしていたりするのですが、実際にはその都度行われるべきその「ジョブの特定」がないままだらだらいくとこういう「社内失業」という事態になることもあるのですね。

ただ、「日本経済自体が縮小する中で、企業の仕事量はじわじわと減り続けている」という言い方は、ある種のベーカム論と共通するものを感じてしまいますが、一方でジョブの特定のないまま山のように仕事を抱え込んで過労死するほど激烈に働き続けている正社員たちもいるし、「社内失業者」たちの「低賃金」よりもずっと低い賃金で実際に仕事をこなし続けている非正規労働者たちも山のようにいるわけで、それら総体を睨んで考えないと。ただ「労働問題の最新トピックである社内失業を解決しないことには・・・」というだけでは、いかがなものかという気もします。

一見際物めいた印象を与える本ですが、考えれば考えるほど日本型雇用システムの本質に深く関わる問題であることが浮かび上がってくる感じです。

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コメント

昔、日本の少しゆとりのある家に「居候」というのがいましたね。「サザエさん」に出てくるノリスケでしたっけ、もそうでしたね。その時代には、「三杯目はそっと出す」程度の牧歌的な存在でしたけれど。
この記事とどう関係するか、ですが、日本のメンバーシップ、について考えていて、ふっとそんなことを連想しましたので。

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