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2010年10月 4日 (月)

小林信也さんの拙著書評

昨日に引き続いて、本日もブログ上での拙著書評がアップされております。歴史研究者小林信也さんの「江戸をよむ東京をあるく」で、『新しい労働社会』が取り上げられました。

http://skumbro.cocolog-nifty.com/edo/2010/10/post-4223.html(書評:濱口桂一郎『新しい労働社会―雇用システムの再構築へ』)

>まずは、この本のタイトルに出てくる「労働社会」というタームが、すごく魅力的だ。そして、終章にあたる第四章では、この「労働社会」を基盤とした「民主主義の再構築」の必要性が訴えられている。これは重要な主張

さらに本ブログについても短評。

>実は私もそのブログの愛読者であることを白状しておく。抑制の効いた本書の文章とはかなり味わいのことなる、なかなか刺激的な内容の記事もある。その記事をめぐってしばしば巻き起こる論争はいろんな意味で興味深いし、それにより、濱口さんの主張をある程度は相対的にとらえた上で評価することもできる。

確かに、抑制があまり効いていないかも知れませんね。また、わたくしの主張を相対化するのには最適です、確かに。

なお、小林信也さんの「近世の終焉としての現在」という連載記事もとても興味深いので、社会のあり方を歴史的に考えるのが好きな人は是非目を通してみられるとよいと思います。わたしはイエ社会論の一形態と捉えましたが。

http://skumbro.cocolog-nifty.com/edo/2008/05/post_c07e.html

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コメント

 はじめまして、濱口さま。小林信也と申します。

 力足らずで、書評にも達さないレベルでのご著書の紹介だったのですが、さっそくお取り上げいただき、うれしく思っています。

 ふだん自分が担当している歴史の授業では、その授業を受けたことで学生が得るメリットが何なのか、説明に毎度苦慮していますが、例えば、現在の労働問題と正対したご著書の主張の意味を、歴史的な視点からみると、あらためて認識しなおすこともできるんだよ、こういうこともメリットのひとつなんだよ、と先日学生たちには話したところです。

 また、“はじめに”で書かれた、社会問題を論ずる際の「現実適合性を担保してくれるものは、国際比較の観点と歴史的パースペクティブである」というご指摘にも、歴史研究者としてはずいぶん力づけられた次第です。

拙著を御批評いただき、ありがとうございました。

わたくしは、ややもすれば現代のみに視野が狭まり歴史的観点からの考察が薄くなりがちな労働研究に歴史の目を意識的に取り込もうと試みているのですが、逆に歴史研究の側からすると、現代の論点を考える上で歴史的視座がこんなに有用なんだよ、というのが重要なのかも知れませんね。

これからもいろいろとご批判をいただければ幸いです。

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