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2010年10月28日 (木)

電機連合のアウトソーシング報告書

電機連合から『電機産業の製造現場におけるアウトソーシングの実態調査報告』という260頁を超える大部の報告書をお送りいただきました。ありがとうございます。

この報告書は、まだ電機連合のHPにアップされていませんが、是非とも多くの人々によって読まれるべき重要な報告書だと思います。

まず何より、この報告のもとになったアンケート調査は、日本生産技能労務協会をはじめとする人材ビジネス企業を通じて行われ、ヒアリングも人材ビジネス企業を含む形で行われていることです。労働の実態調査を労使のコラボレーションで行うというのは、とりわけ人材ビジネス関係ではなかなか難しいと思いますが、非常によく実態を浮かび上がらせています。

研究会の主査は能開大の大木栄一さん、副主査は人材ビジネス関係に詳しい佐野嘉秀さん、あと専門委員に二人研究者と、人材ビジネス企業から二人(生産技能労務協会の青木秀登さんなど)、組合委員には派遣先大企業労組から3人、メイテックなど派遣元に作られた組合から3人、あと電機連合本部の人々、という構成です。

もちろん報告書のすべてが読まれるべきですが、ここでは最後の「提言」から、

>派遣・請負スタッフとして働く人の賃金水準の維持・向上を図る上では、人材ビジネス企業が、派遣スタッフの技能や担当業務に見合う水準の派遣料金を確保できるよう派遣先企業に対して料金改定の交渉などの働きかけを実施していくことが大事となる。

>景気後退の中でも、人材ビジネス企業の取り組みを通じて、雇用・就業の安定が一定程度図られていたといえる。生産業務における派遣事業の規制を検討するにあたっては、人材ビジネス企業の果たすこのような就業安定の機能についても視野に置いた議論が必要と考える。

>人材ビジネス企業の中に、こうした人材育成型の企業が広がること、また、そのために製造企業の中に、こうした人材ビジネス企業を積極的に評価し活用していく企業が増えることが、派遣・請負スタッフの雇用・就業の安定につながると考えられる。

を強調しておきたいと思います。

いうまでもなく、それを現実のものにしていく上で必要なのは、

>労働組合による組織化を通じて、派遣・請負スタッフの労働組合を通じた発言の機会が広がること

であり、

>労働組合の組織化された人材ビジネス企業との取引を製造企業が「敬遠」するなどといった人材ビジネス企業の認識に誤解があれば、そうした誤解をなくす取り組み

です。

人材ビジネスの側が、「労働組合は仇敵」などという(池田信夫氏や城繁幸氏のような)発想を持っている限り、そういったWin-Win型の方向は見出し得ないでしょう。

そして、「おわりに」に書かれている次の一節は、電機連合だけでなく、派遣・請負労働者を受け入れているすべての産業の労働組合が真剣に考えるべきことであろうと思います。

>だからこそ、私たちは同じ産業に働く仲間として、派遣・請負労働者の雇用の安定化や処遇の改善に積極的に取り組んでいかなければならない。・・・また、将来的には派遣・請負労働者に限らず、すべての非正規労働者の処遇改善につなげる均等・均衡処遇政策の策定も視野に入れる必要がある。加えて、より根本的には派遣・請負労働者の組織化を積極的に進めていかなければならない。彼ら派遣・請負労働者を組織化することで、同じ産業に働く真の仲間としてさまざまな課題に取り組むことができる。

ねじれにねじれた人材ビジネスをめぐる議論のありようを、労働法・労使関係のまっとうな思想に基づいて着実に解決していく道筋が、ここに明確に示されています。

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