第120回日本労働法学会大会
明日は、後楽園の中央大学で、第120回日本労働法学会の大会です。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jlla/contents-taikai/120taikai.html
>1.受付開始(8:45~)
2.大シンポジウム報告(第1報告~第3報告、9:30~12:10)
統一テーマ:
「雇用平等法の新たな展開」
司会:浅倉むつ子(早稲田大学)、石田眞(早稲田大学)
第1報告 和田 肇(名古屋大学)「今なぜ雇用平等法を問題にするのか」
第2報告 長谷川聡(中央学院大学)「性差別禁止と差別的構造」
第3報告 緒方桂子(広島大学)「雇用形態間の均等処遇」
第4報告 山川和義(三重短期大学)「年齢差別禁止の法的意義と方向性」
第5報告 渡辺 賢(大阪市立大学)「雇用における対多様と平等」
3.総会・休憩・昼食(12:20~13:50)
4.大シンポジウム報告(第4報告~第5報告、13:50~14:30)
5.質疑応答・討論(15:00~17:30)
6.懇親会(17:30~19:30)
今まで「雇用平等法」といえばだいたい男女平等法だったわけですが、今回は雇用形態や年齢など、差別禁止法の広がりが窺えるラインナップです。
広がるとともに、これまで余り法学的にきちんと詰められてこなかった賃金制度論や人事制度論などとの関連を突っ込んで論ずる必要も出てくるわけで、どういう議論の展開になるか、楽しみです。
(追記)
ということで、いま二次会が終わって戻ってきました。
大シンポでは、一件質問を出し、緒方さんと渡辺さんのお二人からお返事を頂きました。
差別問題は、使用者と被差別者だけではなく、優遇者も含めた三者間関係であり、優遇者をどう扱うべきか(どう下げるか)という問題を抜きにしては論じられないのではないかという論点です。
詳しくは学会誌で。
(再追記)
ちなみに、昨日の労働法学会に対する野川忍先生の辛口コメント
http://twitter.com/theophil21/status/27686276305
>(1)昨日の日本労働法学会は、率直に言って期待外れ。雇用平等がテーマだが、報告者は「米国ではこうなっている」「ドイツのこの仕組みを参考にしよう」など、背景や国情も考えずパッチワークのように諸外国のいいとこどりを考えているきらいがあった。
http://twitter.com/theophil21/status/27686558896
>(2)また、「均等待遇」を観念的に主張しても、現場の具体的な課題には応えられない、という基本的な前提がわかっているのかな、という印象。同一の取り扱いは無理でも均衡処遇(バランスを欠かない対応)を義務付ける、という傾向がなぜ日本で強いのかを踏まえたうえでの批判なら有益だが…。
そもそも、EUの「均等待遇」自体、勤続期間など考慮要素も含めた現場の具体的な課題に応えるためのもので、それを「均衡」というのなら、EUだって「均衡」なのではないか?と思います。
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