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2010年10月11日 (月)

野川忍先生のついーと10連発

なんだか三流週刊誌のタイトルみたいですが、これはコピペする値打ちがあります。本日の野川忍先生のついーと。

http://twitter.com/theophil21

>高度成長体制の亡霊(1)現代の労働問題の根源はどこにあるか。現在の企業社会における基本的な雇用慣行は、高度成長期に確立した「長期雇用」「年功制賃金人事制度」「企業内労使関係」に淵源を持ち、それが成功体験と結びついているために脱皮できないことが、最大の原因の一つである。

>高度成長体制の亡霊(2) 高度成長期は、日本も第二次産業が中心であり、IT化など存在しなかった工場では労働集約的な集団的労働が主流であった。熟練工が重要なな役割を果たし、企業への密着度がそのまま生産性の向上につながりえた。したがって、男性学卒労働者が貴重な担い手として重視された。

>高度成長体制の亡霊(3)つまり、この時期に男性は汗水流して朝から晩まで会社で仕事に打ち込み、女性は専業主婦としてそのような男性を支えて家事と育児に専念するという形態が定着したのは理由があるのであって、長時間の一致団結した現業労働を可能にするための、合理的選択だったのである。

>高度成長体制の亡霊(4)そこでは、能力があっても女性にはポストは与えられず、キャリア形成は社内のOJTが中心となり、基幹部門は屈強な男性壮青年が担って高齢者も障がい者も女性も縁辺労働力としてしか位置づけられなかった。

>高度成長体制の亡霊(5) 多彩な雇用関係や、職業生活と家庭生活の調和や、雇用平等の理念や、一人一人の労働者のニーズに応じたキャリア形成の機会など、当時は全く二の次であり、とにかく先進国として離陸するために第二次産業・輸出産業中心の生産力向上を徹底的に推し進めたのである。

>高度成長体制の亡霊(6) 最大の問題は、こうした高度成長期に確立した企業社会の雇用慣行が、「成功体験」と結びついていることである。当時働き盛りで、現在企業の幹部となっている人々には、「あのやり方で日本は豊かになり、経済大国となった。」という意識が強く残っている。

>高度成長体制の亡霊(7) 雇用均等法が1985年にできる過程で、当時の経団連会長が反対の意を示し、「そもそも女に選挙権を与えたのがいけませんなあ。」と言い放ったというのは有名な話である。

>高度成長体制の亡霊(8) 要するに、「あんなに成功したやり方をなぜ変えなければならないのか」という疑問が、現在の大企業役員らにもこびりついているのである。身を粉にして企業に滅私奉公する産業戦士としての男性、それを支えて過程で銃後の守りに徹する専業主婦・・・

>高度成長体制の亡霊(9) …基幹的役割を果たす正規労働者と、その雇用のバッファーとしての非正規労働者、企業に長年貢献すれば賃金も地位も上がるという人事制度、全く成熟しない外部労働市場、…これらがなかなか変化しない原因の一つは、「高度成長期の成功体験の記憶」から脱せないことにある。

>高度成長体制の亡霊(10)もちろん、時代も環境も激変している。しかし、人間が「たぐいまれな成功体験」から脱することは非常に困難である。我々は、こうした事実を踏まえて、困難な道を歩まなければならないという覚悟が必要である。

>以上、高度成長期の成功がもたらした雇用社会の病理についての連続ツイートでした。

というわけで、その趣旨にはおおむね同感ですが、最近のブラック企業がらみのわたくしのエントリをお読みいただいている皆様にはおわかりの通り、わたくしは、この見取り図自体が大企業正社員モデルに偏ったバイアスになっていたのではないか、という認識の重要性を感じるようになってきています。

これは、わたし自身昨年の拙著では中小企業には(序章の終わりの部分で)ちょっと触れるだけで済ませていたこともあり、問題の所在には気がついていながらあまり明確に定式化できていなかったところなのですが、この1年間、主として中小零細企業で生じている個別労働紛争のディテールを山のように読んで行くにつれ、ここをきちんと踏まえないと日本の労働問題の本質はまったく理解できないままではないかという意識を強く持つようになりました。

「義務だけ正社員」だとか「片思いメンバーシップ」だとか、「新しい言葉が次々できてくる」とからかわれていますけど、その辺を何とか言語化したいという気持ちからでして。

http://twitter.com/hahaguma/status/26604452302

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コメント

とても素朴な質問で、かつ、国の統計を自分で調べればすむことなのですけれど、現在の日本の労働者で、大企業の労働者と中小企業の労働者の人数・比率ってどれくらいですか。
で、国の統計の基準とは別に、hamachanは、どのあたりを「大企業」(労働者はおおむね労働法や労働組合に守られている)と「中小企業」(労働法や労働組合に守られていない)の分岐と見ておられますか(そういう分岐って、業種横断的に一般的な数字では出せないかな、とも思いますが)。

なお、大企業の労働者を更に、「大企業の正社員」と限定することは難しいでしょうか。それと、普通の感覚では、大企業の正社員と、公務員(それももちろん、定員内の正規職員)は似たようなものですが、その両方をまとめた統計って出ますかね。

これは、JILの統計担当の方などにお聞きできれば本当はいいんでしょうけれど。

組合の組織率が100人未満で1%ですから、ほぼそのあたりが境目でしょうか(もちろん、論理的には境目なんて存在しませんけど)。個別紛争の約6割ないし8割が100人未満なので、私が念頭に置いている事例の大半がそこに入ります。

統計的な数値はパス。

hamachan、すみませんでした。自分で調べました。

(1) 100人以下・以上の企業の従業員数
「活用労働統計」に掲載されている「従業者規模別従業者数(平成18年)」によりますと、公務員も入れて全産業の従業員で
・1-99人の企業の従業員数 ・・・ 3997万人(全体の74%)
・99人以上の企業の従業員数 ・・・ 1422万人(全体の26%)
[参考 1000人以上の企業の従業員 ・・・ 239万人(4.4%)]

(2) 100人以下・以上の企業の正規労働者と非正規労働者
「平成19年 就業構造基本調査報告 第12表」によりますと
・1-99人の企業の正規労働者数 ・・・ 1200万人(全正規労働者の46%)
・100人以上の企業の正規労働者数 ・・・ 1400万人(54%)

です。
(1)(2)の統計の数値の取りかたが完全に一致しているわけではないのですが、(1)から(2)を引くと非正規労働者の概ねの数もわかります。
なお、(2)の統計からついでにご紹介しますと、
・官公庁の正規労働者数は413万人
・男の正規労働者/非正規労働者は、2380万人/594万人、男の非正規労働者の最大グループは、アルバイトの206万人
・女の正規労働者/非正規労働者は、1053万人/1300万人で、女の非正規労働者の最大グループは、パートタイマー794万人
・派遣労働者は、男女あわせて16万人

以上ですが、私は数字にヨワイので、もしも間違いを発見された方、どうぞすみやかにご指摘下さい。
それにしても、就業構造基本調査報告、せめてA4版にしてもらいたいです。

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