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2010年10月 8日 (金)

日本人材派遣協会の「基本的な考え方」

日本人材派遣協会が「労働者派遣法改正に向けての基本的な考え方~派遣制度の規制強化に反対します~」と題する意見書をアップしています。

http://www.jassa.jp/admin/info/upload_image/100922kihon.pdf

いくつかの点については、私も賛成、というよりもむしろ積極的に主張していた点でありますが、またいくつかの点では賛成しがたい点もあり、詳しくは別の機会にしますが、ごく簡単にコメントをしておきたいと思います。

>1.派遣対象業務
政令で定める26 業務とそれ以外のいわゆる自由化業務の取扱いの区別をなくす。

まさに私がここ数年来力説してきたこと。25年前の「専門職だから大丈夫」というインチキ理論から脱却することが何より重要。

>2.派遣禁止業務
派遣禁止業務は、職場の安全性を考慮して現行のままとする。

安全衛生面からの禁止業務というなら、労基系の危険有害業務とすべき。港湾荷役は安全衛生上危険というより、ヤーサン系の危険ゆえに禁止という故事来歴を知る人もだんだん少なくなってきたということか。

>3.派遣期間の制限と雇用の申し込み義務
派遣先での、派遣労働者の派遣受入期間については、その制限を撤廃する。
また、同一派遣労働者の同一派遣先(部署)への派遣期間は3 年を限度とする、と同時に雇用の申し込み義務を廃止する

ここは錯綜した議論を解きほぐす必要があるが、そもそも派遣に限らず、有期雇用契約自体が「臨時的・一時的」な労働需要に対応すべきもので、登録型派遣を延々何年も更新し続けるということ自体は問題。ただ、それを派遣だけ目の敵にする法制はおかしいというのは確か。その意味では、有期契約規制の一環として、例えば3年経ったら無期派遣への転換か派遣先の無期雇用といった選択肢を考える必要はある。

>4.事前打合
一定のル-ルの下、派遣元の雇用責任を前提に、最低限の「事前打合」が行えるようにすべきである。

ここは法理上むずかしいところ。事前「面接」を前提に労働者供給事業を認める方が筋がよい。

>5.製造業派遣の禁止
製造業派遣の禁止は反対。

然り。

>6.マージン規制
他業種に比してマージンは低い。営業利益率に規制は不要。

これは疑問。というより、「派遣料金と賃金の差の大部分は必要経費であり」を外部に証明する仕組みがないことが問題。グッドウィルの「善意」が信用できないという話が話の発端である以上、ここは何らかの対応が必要。有料職業紹介事業、組合労供事業とのバランスからも。

>7. 日雇派遣
日雇派遣の禁止は反対。短期業務は、スタッフ・派遣先双方にニーズがあり、正しい雇用管理を前提に、必要な働き方である。

そうなのだが、逆に日雇労働を安定化させる仕組みとしての日雇派遣のあり方を積極的に提起する必要がある。

>8. グループ派遣
労働条件の引き下げに派遣が使われているといった悪質なグル-プ派遣は排除する一方、適正な需給調整機能を果たしているケ-スも多く、一律規制には反対。

問題はまさに「労働条件の引き下げに派遣が使われている」ことにあるので、それができないような仕組み(あるいはむしろ労働条件の変更システムの整備)との合わせ技が必要。

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» hamachan先生の派遣協会案に関するコメント [雇用維新 派遣?請負?アウトシーシング?民法と事業法の狭間でもがく社長の愚痴ログ]
hamachan先生こと、濱口桂一郎氏が、自身のブログ「EU労働法政策雑記帳」で、日本人材派遣協会の出した「労働者派遣法改正に向けての基本的な考え方~派遣制度の規制強化に反対します~」にコメントを書いております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇... [続きを読む]

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