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2010年10月16日 (土)

スウェーデンは解雇自由だって!?

1010report 『情報労連REPORT』10月号から、わたくしの新連載が始まりました。題して「hamachanの労働メディア一刀両断」。

>著作やブログなどで活躍中のhamachanこと濱口桂一郎氏がメディアに流通するトンデモ労働論に鋭く斬り込む新連載

https://www.joho.or.jp/report/report/2010/1010report/p30.pdf

その第1回目は、本ブログでも何回か取り上げてきた「スウェーデンは解雇自由だって!?」がテーマです。

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コメント

休日には読書を!

一昨日の(2010.10.28)朝日東京朝刊37面に米経済誌フォーブス発表の、「2009年10月以降の収入が多かった著名な故人のランキング」という記事がありました。それによると、
1.マイケル・ジャクソン、2.エルヴィス・プレスリー、3.J.R.R.トールキン、4.チャールズ・シュルツ、5.ジョン・レノン、6.スティーグ・ラーソン、7.ドクター・スース、8.アルバート・アインシュタイン、9.ジョージ・スタインブレナー、10.リチャード・ロジャース、
という順位なのですが、この6位に入っているスティーグ・ラーソンという人は、スウェーデンのミステリー作家で、彼の書いた「ミレニアム」は欧米での空前のヒット作ミステリーとなりました。日本では、早川書房から翻訳が出ていますが翻訳ミステリの愛好家くらいにしか読まれていないのでは。けれど欧米では、アメリカでさえ上記の順位から想像してもらえるような広範囲の読まれ方をしています。3巻にわたる物語で、主人公は、ごく若い(英語ではgirl)スウェーデン女性。子ども時代から、ある事情で、自分で自分の暮らし方を決める権利を奪われている(保護監察)この主人公が、まず第一巻では、すぐれた調査能力を活かして殺人事件を解決し、その後の巻では、自分が追い込まれることになって、不屈の闘争心を持って闘い、復讐する物語です。彼女自身は、人を殺したり、挑発なしに自分から人を攻撃することはありません。ただし、不当な扱いや攻撃に決して泣き寝入りせず、じっくり考えて、自分を守ると共に、容赦のない復讐をします。

で、何が言いたいかというと、スウェーデン人は、不当な自由解雇なんて許すような国民ではない、ということ、スウェーデンの女性の進出は、法律が整備されたからではなくて、「ミレニアム」のヒロインほどではないにせよ、けっこうヤワではない女性たちが勝ち取って、それが法律・政策として結実したものであろう、ということが、こういう本を読むと、実感できます。なお、ついでに、スウェーデンの職場の様子とか、管理職の賃金相場とか、刑務所の様子とか、日常のトリビアも、この本や映画でけっこうわかります。「ナントカ論」というのを、自分の解釈に都合よく読んでいるだけでは、よその世界の実情って決してわからないと思いますので、スウェーデンについて知りたい人にはおすすめの本です。

かつ、日本は、欧米の情報の入り方って、欧米とかなり違う、欧米の常識や欧米のベストセラーが(特にヨーロッパの)、日本の常識、日本のベストセラーととてもずれていることを感じます。欧米を礼賛するわけではないのですが、「知識」としてさえ入っていないのが残念です。
これが英語のブログだったら、そもそも問題にはならないようなことを(「北欧の「解雇自由」とかいう、あり得ないことを)、いちいちhamachanが「だから!」と説明しても、それでもダメなんですよね・・・。hamachanに同情します。

だって、池田信夫氏とか城繁幸氏とか、要するに外国の正しい情報が入っておらず知的鎖国の日本の中で、自分の得手勝手な「首斬り自由」を主張するために、適当にスウェーデンがどうとか知ったかぶりを噛ましているだけなので、スウェーデンは実はそうではないと百万回繰り返したところで、蛙の面にションベンほどにも感じないのでしょう。

自分のインチキ議論が、当のスウェーデンに伝わったら、どういう反発を食らうことになるかという想像力のかけらもない人々でしょうから。

言葉の正確な意味において「ガラパゴス」な人々なのだと思います。

私のいつもの悪い癖で「追伸」。

スウェーデン人は、毅然として立派だ、それに比べて日本人はヤワだ、と言いたいのではないんです。
スウェーデンとか北欧って福祉の充実した豊かな国、と日本では思われているかもしれないですが、それだけで語れる国ではありません。まず何よりも苛酷な自然環境の国です。
これも、映画化された「ミレニアム」を見るとわかりますが、冬が長く、太陽のない長い季節のために鬱になる、とさえ言われる国で、そういう風土で、人々が生き延びるために制度が工夫され、かつ、そういう風土の中で誰もが(男だけでなく、女も)できる限り自分の暮らしを守り、楽しんで暮らすために平等が追求されてきた、と思います。
日本はスウェーデンに比べればはるかに自然環境や資源に恵まれており、そして、社会もこれまでは何とかやってこられるので、北欧ほど「福祉」の必要を感じないでやってこられたと思いますが、今はもうそうではない、それなのに、昔を生きてきた人がまだ指導層に居座ったまま、今のけっこう憂慮すべき事態を把握できないでいる、のだと思いますね。

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