フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

« 合同労組@JIL雑誌 | トップページ | 電機連合のアウトソーシング報告書 »

2010年10月28日 (木)

非正規雇用問題解決の本丸である有期雇用改革

先月公表された厚労省の有期労働契約研究会報告については、先日批判したように池田信夫氏が一知半解の批評をしていましたが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-ef05.html

ようやく経済系からまともな反応がでてきました。経済産業研究所の鶴光太郎氏のコラムです。

http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0296.html

冒頭のこれも、是非政治家やマスコミ諸氏にはよく読んでいただきたいところですが

>あたかも「非正規労働者=派遣労働者」であるかのような議論も散見されたが、・・・有期雇用者の扱いを考えることこそ遅まきながら「非正規雇用問題の本丸」に着手することを意味する。

最後の「目指すべき有期雇用改革のあり方」が、同意するにせよしないにせよ、重要な論点を示しています。

>それでは求められる改革の理念とは何であろうか。まず、無期原則は明示的にとらないということだ。有期雇用そのものやその長期継続を罪悪視すべきではなく、入口規制や出口規制の導入は見送るべきである。一方、有期雇用があまり増えすぎないような一定の「歯止め」や雇用不安定・処遇格差へ真摯に対応する仕組みは必要である。そのためには「処遇の規制」を新たな規制体系の柱に考えることである。

ここは一つ大きな論点ですが、わたしはグローバル化する経済において仕事そのもののテンポラリー化は否定しがたい面があり、テンポラリーな仕事にテンポラリーな契約を充てることは当然である一方、恒常的な仕事にテンポラリーな契約を充てることは(EU指令の言葉を使えば)濫用(アビュース)であろうと考えています。他方、恒常的な仕事だけれども、世の中の変化で仕事がなくなってしまったということもますます起こりうるので、これは無期契約の雇用保障のあり方として論ずるべき(大企業正社員モデルからの脱却)であると考えています。

>つまり、入口・出口規制のような「量の規制」ではなく、有期雇用労働者の処遇改善・多様化に結び付くような「質の規制」を考えることである。厳密な均等処遇はもちろん現実的ではないが、客観的な理由を越えて極端な処遇格差があれば必ず大きなペナルティを受けることで(「クレディブルな脅威」)、そうした差別が抑制されるような法的な仕組み(ゲーム論の言葉ではサブ・パーフェクトな均衡となる仕組み)を検討すべきである。

ここはもう少しバラフレーズして欲しいところですが、私は当面の基準としては、下に出てくる「期間比例原則」が日本社会に向いているだろうと考えています。

>また、有期雇用の雇用不安定、雇止めの問題は現状のような予測可能性の低い「雇止め法理」に任せておくべきではない。契約締結時点で更新可能性や更新回数を明示した有期雇用契約の多様なコース分けを徹底し、制度化することで予測可能性を向上させるとともに、契約終了時点における退職手当支払い、金銭解決導入、再就職斡旋などによる補償を充実させることで雇用不安定に対応するという考え方に転換すべきである。また、こうした退職手当や賃金などの処遇が契約期間の長さと確実に対応させていくような仕組み(「期間比例原則」への配慮)が定着していけば、上記、均衡処遇や正規社員への転換に向けた取り組みを更に後押しすることにも繋がる

当面の対策として有期契約の雇止めに対する金銭補償というのは、わたし自身拙著で提示したものであり、とりあえずは最も有効だろうと考えていますが、そもそも論として「恒常的な仕事がなくなってしまった」という状況に対する対処の仕組みを、有期契約の雇止めという形のママにしておいていいのか?という問題に答える義務もあろうと考えています。

まあ、ここに正社員の多様化の議論を持ち込むと、まとまるものもまとまらないので、とりあえず有期の中だけで議論しようや、というのは戦術論的には良く理解できますが。

« 合同労組@JIL雑誌 | トップページ | 電機連合のアウトソーシング報告書 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 非正規雇用問題解決の本丸である有期雇用改革:

« 合同労組@JIL雑誌 | トップページ | 電機連合のアウトソーシング報告書 »