『POSSE』第8号のベーカム特集
発行はまだ来週のようですが、中身の広報が先行していますので、こちらでもボランタリーに宣伝。
http://npoposse.jp/magazine/new.html
満を持して放つ(?)ベーシックインカム特集のメインライターは既報の通り次の人々ですが、
■特集 マジでベーシックインカム!?
●東浩紀(批評家・作家)
情報公開型のBIで誰もがチェックできる生存保障を
多様な「生」を認める社会の
「究極のサービスプラットホーム」とは
●飯田泰之(駒澤大学准教授)
経済成長とBIで規制のない労働市場をつくる
ルールに基づいた最低限のセーフティネットで
「結果の平等」を保障するために
●小沢修司(京都府立大学教授)
BIと社会サービス充実の戦略を
新自由主義のBI論を警戒しつつ、
共闘するための方法とは
●萱野稔人(津田塾大学准教授)
ベーシックインカムがもたらす社会的排除と強迫観念
「労働からの解放」?「パターナリズムの克服」?
BI論者がさらけ出した国家と資本主義への無理解とは
●後藤道夫(都留文科大学教授)
「必要」判定排除の危険
―ベーシックインカムについてのメモ
「無条件」の所得保障こそが生存をおびやかす!
そして、多様化する時代の新しい福祉国家とは
●竹信三恵子(朝日新聞編集委員)
なぜ「働けない仕組み」を問わないのか
~BIと日本の土壌の奇妙な接合
女性の職場は「いまのままでいい」!?
共感を呼ぶ「現状肯定」のメッセージ
中身を読まずに見出しだけであれこれいうと、誰かさんみたいになっちゃいますが(笑)、それでも萱野さんの
>「労働からの解放」?「パターナリズムの克服」?BI論者がさらけ出した国家と資本主義への無理解
という切れのいい啖呵は、大変共感するところがあります。
このほかの記事は、こっち(POSSEのブログ)に載っていますが、
http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/35f06bf855f272eda074ecbce51b7a73
都留民子(県立広島大学教授)
コラム・フランスのベーシックインカム論とRSA
錦織史朗(大学院生)
ベーシックインカム論の「自由」観の貧困
BIを称賛する左派へ
現物給付との両立はいまの日本では不可能だ
齋藤幸平(ベルリン自由大学・大学院生)
ヨーロッパにおけるベーシックインカムと新自由主義
西欧の左派はBI論をどう受けとめているのか
という3本も、私の問題意識と通じるところが結構ありそうです(だから、見出しだけであんまりくっちゃべるな、って)。
その他特集以外では、
清水知子(筑波大学専任講師)
労働と思想8
S・ジジェクと現代リベラル資本主義
スターバックスの「倫理」から
ネグリの「非物質的労働」までをラディカルに挑発
本誌編集部
日本版「第三の道」は欧州とどこが違うのか
「流動化」、「社会参加」、「新しい公共」…
菅政権の新成長戦略を検証!
熊沢誠(研究会「職場の人権」代表)
われらの時代の働きかた
ゼミナール同窓会顛末1
吉田美喜夫(立命館大学教授)
実践的労働法入門
「試用期間」の「新卒切り」は有効?
阿部真大(甲南大学専任講師)
ユニ×クリ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
「さよならロストジェネレイション」
後藤和智
検証・格差論
「ニート」論とはなんだったのか
―玄田有史の変遷を中心に
川村遼平(POSSE理事)
労働相談ダイアリー
「がんばって!」よりも「無理してない?」
一言だけいうと、黒猫白猫論の私は、玄田先生の「ニート論」は若者の仕事の限界領域に世間の関心を引きつける上で戦略的価値が高かったと評価しています。ニートの定義がどうとかいう学者の議論とは違う次元も俗世には必要なのです。これ以上見出しだけで言うのはもうやめますけど。
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