北海道はホントに最賃ギリギリが一番多い
厚生労働省のHPに、去る7月20日の中央最低賃金審議会目安小委員会の資料がアップされています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000k6g0.html
この資料のうち、資料2 昨年と今年の賃金分布というグラフがなかなか衝撃的です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000k6g0-att/2r9852000000k6kc.pdf
ここには、北海道、山梨、沖縄、佐賀の4道県の賃金分布が描かれているのですが、山梨や佐賀が最賃よりもはるかに高い水準に最頻値があるのに対して、北海道と沖縄は最賃すれすれに最頻値があるのです。
特に北海道。昨年の最頻値は昨年の最賃額の枠、今年の最頻値は今年の最賃額の枠。つまり、最賃ギリギリにべったりと張り付いている労働者があらゆる賃金階層の中で一番多いということですね。
沖縄も最賃ギリギリに二番目に多い賃金階層がいますが、最頻値は20円ほど上。佐賀は最賃付近はかなり少なくなって、90円ほど上に最頻値。一番ゆとりのある山梨は、130円も上で、しかも東京に近いため水準も高い。
これを見ると、沖縄やとりわけ北海道で最賃を上げるということがこの一番多い固まりをどうするかという大問題であるという実態が目の当たりによく分かります。
これで、資料1の生活保護と最賃の乖離額を見ると気を失いそうになります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000k6g0-att/2r9852000000k6hh.pdf
北海道はまだあと50円も上げないと生活保護にすら追いつかないのですよ。
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北海道のアルバイトの扱われ方は本当にひどいもので、最低賃金を上げるとどうのこうの、特定の立場の経済原理だけを持ち出して反対する人はそういう状況がわかっているのかと思っています。
私も、バブル期に時給500円もしないアルバイトしかない北海道に引っ越して、卒倒するような衝撃を受けましたし、お金を使わなければいいんだろう、という感じで、バカバカしくて引きこもっていた時代もあります。
今でもそんな状況なんですね。
投稿: きょうも歩く | 2010年8月12日 (木) 17時07分
最低賃金との比較において生活保護費をどの地域区分で対比させているのでしょうか。
生活保護は1-1級地から3-2まで6段階あり、20~40歳で単身者の場合、生活扶助費では1-1で83,700円、1-2で79,940円、2-1で76,170円、3-2で64,870円と、1-1と3-2では22.5%も差があります。ちなみに札幌市は1-2、甲府市と佐賀市は2-1級地です。3-2はほとんどの郡部の町村が該当します。
生活保護を受けずに働いている母子家庭よりも生活保護費の方が高いとの理由で母子加算が一時廃止されましたが、これは確か東京都23区(すべて1-1級地)での保護費と比較して削減の根拠としていたはずで、それにつれて保護費から母子加算すべて廃止するなどめちゃくちゃだと思いました。
保護費にこれだけ差をつけることももうそろそろ見直すべきかと思います。
投稿: NSR初心者 | 2010年8月13日 (金) 18時29分