ニセ経済学の見分け方
池田信夫blogに、あまりにも正しすぎることが書いてあったので、思わず引用してしまいます。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51472821.html(ニセ経済学の見分け方)
>血液型やマイナスイオンからホメオパシーまで、世の中にニセ科学の種は尽きない。経済学は科学といえるかどうかあやしいが、ニセ経済学の類は多い。ニセ科学には、次のような特徴がある:
•複雑な現象を一つの原因で簡単に説明する
•「**さえやればすべて直る」と万能の治療法を宣伝する
•一見もっともらしい科学用語を使い、学界の権威を利用する
特殊日本的「りふれは」がこれに該当することについては、池田信夫氏に異論があるわけではありませんが、それよりなによりこの3特徴に該当するのは、
>>解雇を自由化しさえすれば、世の中の矛盾はことごとく解消するぞよ!
というたぐいの「れめでぃー」ではありませんかね?
もっとも、池田信夫氏自身は、ご自分の痛切な体験から、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-b14a.html(3法則氏が、遂に解雇権濫用法理と整理解雇4要件の違いに目覚めた!)
><両者を混同して、私が「正当な理由があろうがなかろうが、およそ解雇は自由でなければならないと主張している」などとばかげた主張を行なうのは、小倉弁護士と天下り学者に共通の特徴である。このような虚偽にもとづいて、まともな議論をすることはできない。彼らは、まず私がそういう主張をしたことを具体的な引用で示してみよ。
それほど単純な話ではないということを理解しているようなのですが、依然として使用者の権力を利用した不当解雇に対する解雇権濫用法理と、ジョブの喪失という経済現象をどう解決すべきかという整理解雇法理の区別が付かないまま、解雇自由という「あめ玉」を万能の治療法としてもてはやす向きが絶えません。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-739f.html(解雇自由と解雇規制と解雇禁止)
いずれにしても、「複雑な現象を一つの原因で簡単に説明する」ような手合いのいうことをうかつに信用してろくな結果になったためしはない、ということをもっと多くの皆さんに広めていくことが必要でしょう。それこそが、日本学術会議会長のいう「非科学を排除して正しい科学を広める」ということであるはずです。
(追記)
本エントリの本筋ではまったくありませんが、一応念のため、
> BUNTEN 「特殊日本的「りふれは」がこれに該当する」少なくとも俺はリフレで全部解決と言ってはいない。
そういう意味では、つまり「りふれ【も】合わせ技でやった方がいい」という考え方も含めるのであれば、わたしも「リフレ派」です。
しかし、リフレがトッププライオリティでないような奴は許さないなどと言われたら、マクロ経済だけで頭の中がいっぱいになっている奇矯な人以外はみんな排除されるでしょう。
「汝りふれ以外を神とすべからず」という妬む神様にはつきあいきれないのが、この世で生きる普通の人間たちの生きざまであるわけで。
« 自治労委員長「正規職員と非正規職員が賃金をシェアすべきだ」 | トップページ | ナショナリズムにかかる以前のエントリ »
« 自治労委員長「正規職員と非正規職員が賃金をシェアすべきだ」 | トップページ | ナショナリズムにかかる以前のエントリ »
コメント