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2010年8月20日 (金)

欧州技能・職能・職業分類

欧州委員会のホームページに、欧州技能・職能・職業分類(European Skills, Competences and Occupations taxonomy (ESCO))の紹介記事が載っています。

http://ec.europa.eu/social/main.jsp?langId=en&catId=89&newsId=852&furtherNews=yes(Contribute to the development of a European multilingual classification of jobs and skills)

>The European Commission is developing a European Skills, Competences and Occupations taxonomy (ESCO), which will describe the most relevant skills, competences and qualifications needed for several thousand occupations.

欧州委員会は何千もの職業に必要な技能、職能、資格を示すESCOを開発中だ。

>Aimed at institutions and stakeholders in the labour market and education sector, this new tool will be progressively developed over the coming years to include as many occupations as possible. Once finalised, ESCO will be the first classification of its kind available in all EU languages.

労働市場関係者や教育関係者のために、できるだけ多くの職業を盛り込み、EUの全言語で利用できるようにする。

>ESCO will be made available to all institutions in the labour market and within the education sector for use in their respective systems. The detailed picture of job profiles provided through ESCO has the potential to bring benefits to both jobseekers and employers. For example, it could be used to help jobseekers better describe their skill sets, or to develop new training initiatives adapted to the needs of the labour market and improved career guidance services.

ESCOの職務記述は、自分の技能を示し、訓練やキャリアガイダンスにも使えるので、求職者、求人企業双方に有益だ。

>At European level, ESCO will contribute to improving the services provided by EURES, the European Job Mobility Portal and make it possible to develop new services such as Match & Map which aims to improve the matching of jobseekers to available jobs.

EURESというのは、全欧ハローワークシステムです。どの国のハローワークでもEU全体の求人・求職情報が得られます。そこで活用できるようにしたいと。

ヨーロッパの場合、各国レベルでは企業を超えた職業や技能の定義が確立していますが、国境を越えると共通性が必ずしもないので、それを共通化しようという取り組みですね。その目的は「労働力の自由移動」の障壁をなくするということにあります。

日本の場合、職能の定義が各企業ごとになっているので、それをどうするかが先ですが、キャリアマトリックスに対する冷たい視線からも窺われるように、そういうことにはあまり関心はなさそうです。

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コメント

発達障害のASDが就労する一つの方法は、自分に適した、適合できる職場に出会えるまで「移動」を続けることだと思います。適合できないと思ったら、その会社を辞めて、別の会社に移っていくのです。

その「労働力の自由移動」を実現するためには、日本でも技能・職能・職業分類があると良いと思います。

また就労を志しても、どのような職能を持っていれば良いのか、不明確で困っています。特に職能の定義が各企業ごとに異なるため、困難が増しています。
この分類のように必要とされる技能、職能、資格が明示されていると、到達すべき山の頂がわかっていると、意欲も出ます。

>日本の正社員の雇用契約とは、「職」を定めない「空白の石版」<>従って、正社員になることは就「職」ではなく、入「社」(会社のメンバーになること)<なので、そうした職務無限定・メンバーシップ型のメリットを享受してきた雇用・企業と企業内労組の両者に、こうした技能・職能・職業分類への取組み、熱意を求めるのは、木に魚を求めるようなものなのでしょうか?

小泉内閣の総合雇用対策でも、職業能力開発のための基盤整備の目的で、「職務の明確化や能力評価基準の策定に対する支援を推進する。 」が、それ受けてた雇用対策法では「第十七条  国は、技術の進歩の状況、円滑な再就職のために必要な職業能力の水準その他の事情を考慮して、事業主団体その他の関係者の協力の下に、職業能力の評価のための適正な基準を設定し、これに準拠して労働者の有する職業能力の程度を検定する制度を確立し、及びその充実を図ることにより、労働者の職業能力の開発及び向上、職業の安定並びに経済的社会的地位の向上を図るように努めるものとする。 」と”職務の明確化”が抜け落ちてしまう。

「職業能力の評価のための適正な基準」を具体化した中央職業能力開発協会 http://www.javada.or.jp/index.html の評価基準をみても、さっぱり必要とされる技能、職能、資格がわからない。

その必要とされる技能、職能、資格の曖昧化が、不採用や解雇になると、>会社の中に存在するあらゆる職務を、命じられれば的確にこなせる「能力」<>職務能力「ではなく」人間としての性能<を査定されて、人間が劣っていると判断されたと受け取られ、人格が蝕まれていく。発達障害のASDは、そう診断された時点で、半人前、二級市民扱いされるから、余計に堪えます。先天的な脳の発達障害と言う「自分では何ともならない要因によってそもそも選抜されない不条理」の底に沈んでしまいます。

必要とされる技能、職能、資格が明確なジョブ型就労・雇用は、ASDには向いていると思いますが、いかんせん、雇用・企業も同僚(企業内労組)も、職務無限定・メンバーシップ型に馴れきって適応できていない。

EUの全言語で利用できるようにする意図されている欧州技能・職能・職業分類は、求人企業側にもEUの全言語とまで行かないまでも多言語でのコミュニケーション能力や、必要とされる技能、職能、資格はあるが様々な経歴をもった文化的背景の違う、いわば一癖も二癖もある人と上手にコミュニケーションをとって仕事を回していく管理能力を求めると思います。「労働力の自由移動」とジョブ型就労・雇用はセットであり、そうなると、様々な経歴をもった文化的背景の違う人を相手にしなければならないのだと思います。

職務無限定・メンバーシップ型は同質性が前提ですから、このような全く異質な人を相手に上手にコミュニケーションをとって仕事を回していく管理能力は鍛えられません。>外国人「労働者」政策を否定する20年の帰結<の一つが、こうした異言語で文化的背景の違う人と共に働く能力の未形成だと思います。

また、ジョブ型は>個人のノルマや職務の厳格な遂行に<こだわる事をもとめると思います。その一方、その職務は「社内分業」の一環であり、意味・効用をもつのは「顧客を満足させる」といった全社的な、会社の社会的機能に繋がるという共同性が必要です。>個人のノルマや職務の厳格な遂行<というタコツボに引き篭もりやすい労働者を、そういった共同性に立ち戻らすコミュニケーション能力が雇用・管理者には必要だと思います。

従来の日本の職務無限定・メンバーシップ型では、この共同性、職場の共同性は>共同を拒絶するような労働者が「ヤツラ」として排除の対象<>みんなが長時間労働しているのに一人だけ抜け駆け的に先に帰るヤツを憎む<といった同僚による、時には管理者が主導する私的制裁=いじめによって担保されていたと思います。

ASDは、タコツボに引き篭もりやすく、>個人間の自律的な共同<は感じにくいし、>一人だけ先に帰る<ことをやりやすい、そのうえコミュニケーションの障害を持つので周囲の空気が解らないので、排除の対象になりやすいのです。メンバーシップ型の管理者に親分肌というパーターナイズム(父権)的温情が求められていた頃は、そうしたASDは親分の教育・説教によって”悪気はない変人”というポジションにいられたのですが、今や、管理者には>ノルマや職務の厳格な遂行<が第一で、そんな余裕はありません。

話に纏まりがないものになりましたが、日本でもEUのような技能・職能・職業分類があると良いと思います。

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