解雇解禁-タダ乗り正社員をクビにせよ
来週発売される『週刊ダイヤモンド』が「解雇解禁-タダ乗り正社員をクビにせよ」という特集をしているようです。
目次をみると、
Part 1正社員がクビになる日
解雇規制がもたらす”不平等”
Diagram 六つの対立構図の全貌
Illustration あなたの隣のタダ乗り社員
フリーライダーを見過ごせば企業は衰退
Check フリーライダー度 セルフチェック
Part 2派遣規制は誰のため?
迷走する派遣法改正の行方
Interview 水町勇一郎●東京大学教授
Interview 山田 久●日本総合研究所調査部ビジネス戦略研究センター長
Column 最低賃金1000円の本気度
Interview 湯浅 誠●内閣府本府参与
Diagram 正社員と非正規社員の生涯賃金格差、年金格差
Part 3犠牲にされる”雇用弱者”
新卒編 派遣法改正案が就職戦線を悪化させた
中小企業編 解雇規制が有名無実化
Part 4崩れる正規・非正規の”壁”
雇用先進企業の覚醒と苦闘
Column 雇用吸収力1000万人割れ
Part 5解雇解禁のはじめの一歩
解雇解禁の前提は安全網整備
Interview 八代尚宏●国際基督教大学教授
Table 主要155社 雇用実態調査データ一覧
となっています。必ずしも解雇規制だけの特集ではないようですが、表紙のインパクトの強烈さで「解雇解禁」ということになったのでしょうか。もちろん、本ブログで何回も繰り返しているように、日本の判例法理はなんら解雇を「禁止」していないので、解雇「解禁」というのはナンセンスなのですけどね。
先日わたくしのところにも同誌の記者が取材に来られましたが、それが反映されているかどうかは判りません。ただ、「中小企業編 解雇規制が有名無実化」というのは、まさにわたくしがお話ししたことなのであり、中小零細企業では解雇解禁どころか、とっくに限りなく解雇自由に近い世界であるということを忘れて議論すると、あらぬ方向に行きがちです。
これはもちろん、労働問題全般にいえることではありますが。
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» 解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ [雇用維新 派遣?請負?アウトシーシング?民法と事業法の狭間でもがく社長の愚痴ログ]
週間ダイヤモンド 解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ
Part 1 正社員がクビになる日
Part 2 派遣規制は誰のため
Part 3犠牲にされる”雇用弱者”
Part 4 崩れる正規・非正規の”壁”
Part 5 解雇解禁のはじめの一歩
センセーショナルな見出... [続きを読む]
» 法改正を待たずとも、解雇解禁は企業の心意気次第で成し得ると思う [企業法務マンサバイバル]
センセーショナルを超えてアジテーショナル(笑)な週刊ダイヤモンドの特集「解雇解禁 ― タダ乗り正社員をクビにせよ」を読んで。
『週刊 ダイヤモンド 2010年 8/28号』
終身雇用のレールに乗った正社員だけが解雇規制で守られるのは、企業の労働生産性を下げ、失業と...... [続きを読む]
» 勘違い?「解雇解禁」論 [M.Mの独白―とある発言の記録]
一見すると,とんでもない主張に見える記事がダイヤモンド・オンラインというビジネス情報誌を発刊しているダイヤモンド社のWebサイトに掲載されています。
■新卒やハケンだけを犠牲にすればいいのか? 今こそ正社員の「解雇解禁」を(DIAMOND Online)
この記事は,週刊ダイヤモンド副編集長の遠藤典子氏によるものですが,正直ツッコミどころ満載の内容だったりします。
先ず手始めに,
企業収益が改善するなか、失業率が上昇を続けており、雇用環境は悪化の一途を辿っています。
という... [続きを読む]
「解雇解禁」なんてタイトル勘弁してほしい。
貴ブログで、再三ご指摘の通り、一部を除き、
現場レベルでは、無法地帯に近いのが実状。
これでまた勘違いする経営者が増えなければ
いいのですが。
百歩譲って、解雇規制を緩和するというのな
ら、採用での年齢差別禁止と失業給付を今よ
り手厚くするのが条件です。
解雇はどんどんするわ、でも若い人しか雇わ
ないよというのでは話にならない。
投稿: ただ今失業中 | 2010年8月20日 (金) 22時27分
この手の言説で、「正社員は犯罪でも犯さない限り『絶対に』定年まで解雇できない」とか
「『無能正社員』を会社は解雇できない」などということが
自明の前提であるかのように語られるのにはうんざりします。
現行法制のもとでも、『能力の欠如』を理由にした退職勧奨や解雇は決して禁じられているわけでもないのに。
使用者側が一定の手間をかけ、手段を誤らなければ可能なはずのものです。
私は労組役員の時に、能力の欠如を理由にした看護職員への退職勧奨に関わったことがありますが
会社側が当該職員の問題点(特に安全上)をまとめており、それに対して有給での教育研修や配置転換の話し合いなど、
改善と雇用継続のための策を講じてきた実績があり、脅迫的・嫌がらせ的な言動なども見られなかったことから
裁判でも争うことは難しく、同意せざるを得ませんでした。
使用者側からの雇用契約打ち切りが、被使用者側からのそれよりも手間を要するのは
力関係のある両者が対等に契約し交渉するための必要な前提だと思います。
それをなくして『自由化』せよなどというのは労使関係を対等でない力関係のままにせよ、ということだと思います。
投稿: おおいけ | 2010年8月21日 (土) 10時25分
日本の労働環境どうにかしてほしいですね。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-360.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+job_is_shit+%28%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E5%B0%B1%E8%81%B7%E6%97%A5%E8%A8%98%E3%80%82%29
投稿: SAS | 2010年8月21日 (土) 10時59分
中小企業を痛めつける悪徳メガバンク・準メガバンクにこそ、解雇規制撤廃をすればいいのです。
ほとんど非正規にして、支店長クラス以上のみ正社員にし、正社員も解雇規制撤廃をして、貸し渋り・貸しはがししたら懲戒解雇できるようにしたらいいのです。
こいつらは高給貰って、新幹線通勤している奴だっているだろう!!
投稿: 茨城都民・失業中 | 2010年8月25日 (水) 09時29分