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2010年7月15日 (木)

雇用政策研究会報告

ということで、昨日、雇用政策研究会の報告「持続可能な活力ある社会を実現する経済・雇用システム」が公表されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000cguk.html

>雇用政策研究会(座長:樋口美雄 慶応義塾大学商学部教授)は、近年の経済環境、労働市場における変化を踏まえ、政府の新成長戦略で目標とする2020年に向け、重点的に取り組むべき雇用・労働政策の方向性について検討を重ねてきました。
 このたび、検討結果を取りまとめましたので、報告書を公表します。

既に、先週8日に、「(案)」のついた形でご紹介しておりますので、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-07ac.html(雇用政策研究会報告書(案))

それとほとんど変更はありません。

報道発表資料というのに、「報告書のポイント」とかポンチ絵みたいな図解とか、「報告書の主な記述」という「ここ読んでね!」的な抜き書きがついていて、お忙しい人には役に立ちます。

本日はちょいと違った角度から・・・。

この報告書、役所の研究会の報告書ではあるんですが、なかなかにアカデミックな雰囲気が横溢しております。特に「注」とか「参考文献」とか。

たとえば、報告書14頁の注48、「年功賃金制度」にこういう注釈がついています。

>48 年功賃金に関する理論的な枠組みは、大きく分けて3 つある。第一に、Becker (1964)の人的資本理論では、「投資」としての教育や訓練の結果により職業能力が向上するに従って賃金も上昇すると説明される。第二に、Lazear (1979)は、能力が向上しなくとも年功賃金が存在することの説明として、個人が雇用期間の前半で限界生産性よりも低い賃金を受け取り「預託金」を積み、雇用期間の後半において高い賃金を受け取るという黙示の契約がなされていると捉えた。雇用期間の途中で解雇されることは「預託金」を十分に受け取れないこととなり、個人の努力を引き出すインセンティブになり得る。第三に、制度的な観点として、年功賃金を年齢とともに増大する生活費などを賄う「生活給」として歴史的に形成されたものと考える見方もある。

思わず、「労働経済学のテキストかっ!」という感じです。

46頁の参考文献をみると、最初のところに英文の論文がずらりと並んでいます。20頁の注でも引用されていますが、

67 Neumark and Wascher(1992)10%の最低賃金引上げが1~2%ほど若年層の雇用量を減少させるとの結果。

Neumark and Wascher (1992) ”Employment effects of minimum and subminimum wage: panel data on state minimum wage laws,” Industrial and Labor Relations Review, vol.46, No.1

68 Card and Krueger(1994) ニュージャージー州とペンシルヴァニア州でのファーストフード店の雇用量変化について比較した結果、最低賃金が引き上がったニュージャージー州で雇用の伸びが大きかった。

Card and Krueger (1994) ”Minimum Wages and employment: a case study of the fast food industry in New Jersey and Pennsylvania,” American Economic Review, vol.84, No.4, pp.772-793

という最低賃金の効果をめぐる法と経済学の定番論文が載っていますね。

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