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« 『POSSE』第7号 | トップページ | 雇用政策研究会報告書(案) »

2010年7月 7日 (水)

明日発売の『世界』誌の座談会に出ています

807 明日、岩波書店の総合雑誌『世界』8月号が発売されますが、その中に、宮本太郎先生、白波瀬佐和子先生とわたくしの3人による「民主党政権の社会保障政策をどう見るか」という座談会が載っています。

http://www.iwanami.co.jp/sekai/index.html

特 集 菅政権で何が変わるのか――参議院選挙とその後

【普天間・子ども手当・消費税】
心に確たる対抗軸を――菅内閣への期待と助言
  伊東光晴(京都大学名誉教授)
【脳力のレッスン (100)】
日米同盟は「進化」させねばならない――普天間迷走の総括と今後
  寺島実郎【執筆者からのメッセージ】

【さめた有権者】
政権交代に何が付託されたのか――残された政策課題と民意の行方
  小林良彰 (慶応義塾大学)

【拡大版 片山善博の「日本を診る」(32)】
対談 いま、政治に何が求められているか
  片山善博 (慶応義塾大学)、田中秀征 (福山大学客員教授)

【状況をどう見るか】
「政治主導」を問い直す
  杉田 敦 (法政大学)

【選挙に何を求めるか】
「理念なき政党政治」の理念型
  空井 護(北海道大学)

【国会はどうあるべきか】
日本の逆を行くイギリスの議会改革――ウエストミンスター・モデルのゆくえ
  高見勝利 (上智大学)

【座 談 会】
民主党政権の社会保障政策をどう見るか
  宮本太郎 (北海道大学)
  白波瀬佐和子 (東京大学)
  濱口桂一郎 (労働政策研究・研修機構)

【子ども手当】
「子どもを社会で育てる」――イギリス家族政策13年の成果
  阿部菜穂子 (ジャーナリスト)

【政策実現能力】
「事業仕分け」の功罪――成果と課題は、民主党を映す鏡
  まさのあつこ (ジャーナリスト)

【「消費税」の政治実験】
菅政権の複雑な勝負――「税と選挙」のトラウマと民主党の原点回帰
  柿﨑明二 (共同通信)

【永田町ガールズは政治を変えるか】聞き手=秋山訓子 (朝日新聞)
声さえ発せない人たちに向き合いたい
  福田衣里子 (衆議院議員)

公平、公正な政治が実感できるために
  西村智奈美 (衆議院議員)

政治家は自分で決めて、責任を取らなければならない
  菊田真紀子 (衆議院議員)

座談会の紹介は次の通りです。

民主党政権の社会保障政策をどう見るか

宮本太郎×濱口桂一郎×白波瀬佐和子

>民主党政権になって、社会保障・雇用政策は何が変わり、何が変わらなかったのか。社会保障予算は増加したが、これは「新しい福祉国家」に向けた一歩といえるのか。子ども手当の創設や派遣法改正案など、この間の民主党政権が行ったいくつかの施策を取り上げながら、民主党の社会保障政策をどう評価するか、欠けているものは何かを議論する

大変面白い座談会になっていると思いますので、是非お誘い合わせの上お買い求めいただければ幸いです。

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コメント

この鼎談で私が語った子ども手当の意義について、serenoさんのブログ「serenoな日々」で、取り上げていただいています。

http://diary-sereno.cocolog-nifty.com/diary/2010/10/post-25ae.html">http://diary-sereno.cocolog-nifty.com/diary/2010/10/post-25ae.html


>濱口さんの意見でとても好感が持てるのは、「子ども手当は子どものため」とは一言も言っていないところです。


「世界」のその記事、とりわけ、hamachanの「子ども手当」の評価については興味深く読みました。
私も、「子ども手当」は子どものためとは思っていません。労働政策というか、子ども手当を受け取る世帯主をターゲットとした集票策だろうな、と思っています。「子ども手当」自体は、これでヨーロッパの水準とならぶわけですが、家族に対してヨーロッパと同等の意味を持つものかどうか、私は疑わしく思っています。運用のレベルの話だろうと思うので、統計というか、実際の数字がわからないのですが、ヨーロッパでは、児童手当の受給者はほぼ母親(実際に育児に当たっている者)であるのに対し、日本では、企業での被扶養者手当ならもちろんのことですが、自治体で受給できる児童手当であっても、受給者の多くは「世帯主、概ね父親」というようにきいたことがあります。そもそも自治体がそのような(世帯主口座での申請)受給を指導するようです。これは正確なところをごぞんじの方がいたら教えて頂きたいですが。
ですから、日本の「子ども手当」は子どものいる世帯収入の底上げ効果に資することは確かですが、子どものために使われるかどうかは別問題で、生活費や貯蓄にまわる部分が大きいのでは。父親が収入をコントロールしている家庭では、母親は育児をしているにもかかわらず、子ども手当には全く関与しない、ということがじゅうぶんありうるのが日本です。これに対して、育児担当者が受給するヨーロッパでは、少なくとも、育児担当者が児童手当の使途を決めうるわけです。

また、少子化対策、あるいは子ども、女性のための施策としても、子ども手当よりも保育所を、という声は、特に働く女性からあがっています。私も、順序としては、保育、そして、子ども手当だろうと思います。ヨーロッパでも、児童手当は財政状況によって変動するのに対し、保育は一貫して充実方向の政策がとられています。これは、少し古いですが、内閣府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議」での2007年の資料のフランスとスウェーデンの表(7-8枚目)がまとまっていてわかりやすかったです。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/kaigi/ouen/kihon/k_2/pdf/s1.pdf

ただ、保育だけでなく、その後の教育を考えても、本来は「保育から大学に至る公教育をできる限り無償で拡充」というのが、子ども手当以前にとられるべき政策だろうと思います。日本では、私立教育機関がこれだけの位置を占めてしまうと、公教育の無償化は無理ですが、せめて、「公教育における就学援助の拡大」をめざすべきですね。つまり、生活保護世帯、あるいは困窮家庭の子どもなら、公教育での高校・大学の学費は無償、とすべきでしょうね。バイトで生活をしのげさえすれば(高額の入学金や学費を負担しないでも)、苦しい家計の子どもでも大学まで行けるという。それでやっと、「ヨーロッパと同水準」にならないまでも、「ヨーロッパ型の子育て支援に学んだ政策」とは言えるかも、というくらいでしょう。

またまた、労働から少し逸れましたけれど、要するに、日本の「子ども手当」が、ほとんど労働政策的意義しか持っていない、という点では、私はhamachanに賛成です。でも、「子ども手当」って本来そういうものではない、ということも強調しておきたいですね。

> 児童手当は、児童を養育する家計の主たる生計維持者が申請し、住所地の市区町村長(公務員の方は勤務先)の認定を受けることにより、申請した翌月分から支給されることになります。
厚生労働省「児童手当制度の概要 〔平成19年4月1日~〕」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/jidou-teate.html

各種手当が世帯主の口座に振り込まれるとしても、その口座は専業主婦である妻が管理し、夫が手にするのは毎月のお小遣いのみというのが日本の標準モデルでしょう。

未だにそのような世帯が「標準」とされ、例外がなかなか認められないことが問題であって、世帯主口座への振り込み制度はこの問題の一部を構成しているに過ぎません。

> 父親が収入をコントロールしている家庭では、母親は育児をしているにもかかわらず、子ども手当には全く関与しない、ということがじゅうぶんありうる

それは少数の例外で、なぜそのような可能性が生じる制度が維持されているかというと、大多数は母親のみが関与しているからです。
配偶者が管理しているからこそ世帯主の口座に振り込まれても文句は言わないし、だからこそ、世帯主の口座に振り込まれるのです。
男性正社員・専業主婦モデルの多くの世帯では、夫こそ、子育てにも子ども手当にもまったく関与せず、長時間労働と新橋の提灯に明け暮れているのです。
そして、そのようなモデルが崩壊しつつある世の中でも、まだまだ多数の女性(もちろん男性も)がそれが当たり前だと思い、そのことに疑問を抱いていないのが現状じゃないでしょうか。
だから、「標準」に優しく、例外(社会的弱者が多い)に厳しい社会が、なかなか変わらないのですよ。

「専業主婦である妻が家計管理し、夫が手にするのは毎月のお小遣いのみ」という「日本の標準モデル」は、正社員終身雇用システムが中心で、かつ、給与が手渡しであったン十年前のことで、それはとっくに崩壊していますね。
今の専業主婦家庭の夫達は、子育てに関与しない(時間的にできない)のはそうでしょうけど、現代の結婚の不安定性、将来の不確実性を考えれば、給与・公的手当含め所得をまるきり妻に、という人はそういないと思いますよ。たとえば、たぶんお若いであろうユースワーカーさん、あなたは、自分の給与が振り込みになっている銀行口座の暗証番号をパートナーに教えていますか、あるいはまだなら、教えますか?
共働きでも、うまく行っているケースでも、双方の収入を按分して家計を出し合っている、という程度だと思います。
家庭の中でも、確実に個別化が進んでいる時代です。

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