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藤森克彦『単身急増社会の衝撃』

100525_tanshin みずほ情報総合研究所の藤森克彦さんから、新著『単身急増社会の衝撃』(日本経済新聞出版社)をお送りいただきました。ありがとうございます。本書は、みずほ総研自らの広報を引用しますと、

http://www.mizuho-ir.co.jp/topics/tanshin100525.html

>本書は、単身世帯の現状とこれまでの増加の実態と要因について概観し、貧困・介護・社会的孤立など単身世帯の増加が社会にもたらす影響について考察した上で、社会保障制度の拡充の必要性と地域コミュニティーのつながりの強化について検討したものです。

本書は4部構成で、第1部では、単身世帯の現状と増加要因、さらに将来の状況を展望し、都道府県ごとの状況についても概観しています。第2部では、低所得者層の増加や介護需要の高まり、社会から孤立する人々の増加など、単身世帯の増加が社会に与える影響について考察し、将来的に単身世帯になりうる「単身世帯予備軍」が抱える問題について概観しています。

第3部では、日本よりも単身世帯比率の高い北欧・西欧諸国の状況を中心に、単身世帯を支える社会的制度や単身世帯の増加に関する議論を紹介し、英国の単身世帯の状況についても概観しています。第4部では、「自助」、社会保険や生活保護制度などの「公的なセーフティネット」、地域コミュニティやNPO法人の活動など「地域の助け合い」について考察し、社会保障制度の拡充の必要性を指摘するとともに、そのための財源確保に向けた政治不信の克服について検討しています。

本書が将来の姿として用いた「2030年」は今から20年後になりますが、社会の準備期間としては決して長い期間とはいえません。結婚して家族がいることが当然視されてきたこれまでの日本社会にとって、単身世帯の急増は確かに「衝撃」といえるでしょう。しかしこの衝撃は、うまく対応すれば社会をよい方向に持っていく力にもなりうるのではないでしょうか。血縁を超えて、公的にも地域としても支えあっていけるような社会の再構築を考察しました。

ということで、大変読み応えのある一篇です。

第4部の冒頭近くで、非正規労働者問題に関連して拙著『新しい労働社会』を引いて論じていただいているところももちろん重要ですが、現下の状況からするとやはり、最後のあたりで書かれている「社会保障の拡充は経済成長の基盤」というところが政治的メッセージとして大事でしょうね。この関係でイギリス労働党政権のトランポリン型社会保障を引き合いに出しているのは、もちろん『構造改革ブレア流』の著者である藤森さんの面目躍如というところです。

そして、政策実現の過程としても、イギリス流の「グリーンペーパー」「ホワイトペーパー」という国民の意見を採り入れていく仕組みを提示しています。どうしても劣情刺激的なポピュリズムに走りがちな現代日本の政治構造の中で、さまざまなステークホルダーの意見をくみ入れていく仕組みとしては、検討に値すると思われます。

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