フランスのウォーキエ雇用相の昼食会
本日、フランスのウォーキエ雇用担当大臣の昼食会に呼ばれて、高齢者雇用問題について若干お話しを申し上げて参りました。
ウォーキエ雇用相は、ご自分のホームページをお持ちですが、
http://www.wauquiez.net/index.php
現在35歳と大変若い方です。上の写真もかっこいいですね。ENA首席卒業、2004年に29歳で国会議員当選、2007年に報道担当大臣、2008年に雇用担当大臣という経歴。
本日呼ばれたのは、慶應大学の樋口美雄先生、山田篤裕先生、法政大学の藤村博之先生、敬愛大学の高木朋代先生に、わたくしを加えた5人です。わたくし以外はみなアカデミック系ですね。
ウォーキエ大臣の問題意識は、まさに先日、本ブログで取り上げた
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-a69f.html(だからリタイアメントエイジを定年と訳してはいけないと何遍言ったら・・・)
>この問題はとりわけフランス政府にとっては鬼門でして、働きたくない高齢労働者をいかに長く働かせればいいのか、というのがフランス労働政策担当者の最大の難問であります。
で、かれらにとっては、極東の神秘の国、高齢労働者がもっと長く働かせろといって定年の引き上げを要求し、それに押されて政府の政策が進められてきた不思議の国、ニッポンが興味津々となるわけでありまして、近々お呼びがかかるようであります。
ということに尽きます。
このエントリに対しては、ご承知の通り労務屋さんから「愚痴」が寄せられたわけですが、
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20100617(愚痴)
>それにしても日本の「定年」は「いやがる労働者をむりやり「定年だから」といって社外におっぽり出す年齢のこと」なんですかそうですか。
そりゃ、いやがる労働者をむりやり長く働かせようと、雇用担当大臣自ら極東の神秘の国にまでその秘密を探りに来る泰西の福祉国家から見れば、まさにそのように見えるということであります。
まあ、どっちがいいかというのは問題によるというところであります。昼食会の最後に樋口先生が述べていましたが、日本が少子化問題で悩み、フランス式の福祉国家で子どもがどんどん生まれているのは、この問題が一筋縄ではいかないことを示しているのでしょう。
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