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2010年7月 6日 (火)

日本銀行『北欧にみる成長補完型セーフティネット』

昨日、日本銀行調査統計局から『北欧にみる成長補完型セーフティネット―― 労働市場の柔軟性を高める社会保障政策 ――』という報告書が出されています。

北欧諸国では労働移動が活発で・・・というところから論を始めて、解雇法制のところでこの日銀マン氏、ちょっととまどったようです。

>北欧では、解雇法制も流動性の高い労働市場に適応したものとなっていると言われている。これについて、OECDによる常用雇用の雇用者保護指標(EPL:Employment Protection Legislation)をみると(図表9(1))、よく「解雇自由の国」と言われるデンマークでは低めになっているが、デンマーク以外の北欧諸国では、意外にも、解雇基準の厳しい雇用保護的制度を有している5。しかし、こうしたEPLでみた結果を、労働市場の硬直性(柔軟性)の程度を表すものとして単純に捉えることは適切ではないと考えられる。この点を確認するために、EPLを要因分解してみると(図表9(2))、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでは、「解雇手続きの厳格さ」や「解雇理由の定義の厳格さ」、「不当解雇の補償」などが雇用者保護度合いを高めていることが分かる。これは、解雇が労働組合との交渉を通して厳格に行われ、解雇要件や金銭的補償の基準も明確に設定されているなど、これらの国では解雇ルールにおける客観性・透明性が高いことを示している。

「意外にも」というところに、「あれっ?北欧諸国って首斬り自由だったんじゃなかったの?」という素朴な疑問がにじみ出ていて思わず微苦笑を誘います。

もちろん、スウェーデンは首斬り自由だと喚き散らす某似非経済学者と違って、事実をちゃんと見つめることのできる誠実さが感じられるので、悪い気はしませんけどね。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-26ec.html(これがスウェーデンの解雇規制法です)

>解雇自由ということと、解雇されてもあんまり辛くない社会であるということは別だということでしょう。

スウェーデンは上述のようにいかなる意味でも解雇自由ではありませんが、「不当解雇だ!」といって争う機会費用と、さっさと会社を辞めて手厚い失業保険をもらいながら、たっぷりと時間をかけて職業訓練を受けて好条件で再就職していくことを比較考量して、後者を選ぶ人が多いということでしょう。それはそれで社会の選択肢が多いということで結構なことです。

それを、不当であろうが不道徳であろうが解雇は自由という概念である「解雇自由」と呼ぶことに問題があるのだと思います。(コメント欄)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-6bab.html(池田信夫氏の熱烈ファンによる3法則の実証 スウェーデンの解雇法制編)

ついでに、本ブログにおけるスウェーデン関係のエントリを拾い上げてみると、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_1d40.html(スウェーデンの雇用システム)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-7380.html(スウェーデンは「ナチ」か?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-8023.html(スウェーデンにおけるパターナリズムと市民的公共性)

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コメント

池田信夫って、本当に馬鹿だよね。
ま、それはともかく

1:法律で解雇が規制されていて、自由でない
2:契約など、法律以外の要素により、解雇が自由でないケースが多い

というのはちゃんと区別しないと。

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