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2010年7月 7日 (水)

『POSSE』第7号

Hyoshi07 『POSSE』第7号をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.npoposse.jp/magazine/new.html

今号の特集は「地方から『新しい公共』を!」で、ううむ、こういう耳受けのいい言葉を聞くとおもわず「ほんまかいね?」といいたくなりますが、特集の論文を読んでいくと、決して今流行の「地域主権」を褒め称えているわけではなさそうです。

■特集 地方がつくる「新しい公共」

岡田知弘(京都大学教授)
  地域再生に何が必要か
  ~戦後最大の経済危機と雇用・くらし・産業再建の基本方向~

  地域経済の主体は大企業だけじゃない!
  グローバル化が…


進藤兵(都留文科大学教授)
  「自治体版福祉国家」のために

  新自由主義を進める「地域主権」に対抗し
  21世紀型「新福祉国家」の実現を!


田嶋康利(協同総研専務理事)
  自治体を住民の共同体へ
  ―労働者協同組合の可能性

  官僚的な行政でも、市場原理の民営化でもない
  地域の公共サービスの第3の担い手とは


五十嵐泰正(筑波大学講師)
  北の「荒野」を往く
  ~「成長の爪痕」と向き合う旅~

  シャッター商店街はグローバル化だけが原因なのか?
  日本の地方政策の「遺産」を巡る旅の記録


●本誌編集部
  行政依存をやめ、住民が共同参加する福祉を

  産業の衰退した北海道から
  NPOの力で新しい雇用と新しい福祉をつくりだせ


●今野晴貴(NPO法人POSSE代表)
  なぜ、北海道で労働組合の加盟者が急増しているのか

  地方なのに組合員が3000人を突破…
  組織化が難しい非正規労働者が6割以上!


遠矢恵美(ライター)
  路上生活から抜け出したい!失業者の自立を支援するNPO

  仙台の路上生活者の「命綱」とは?
  衣・食・住から雇用まで…誰もがこぼれ落ちない社会を!

とくに、進藤さんの論文は、地域主権改革がナショナルミニマムを下回る自由を自治体に認めようとしていることや、補助金一括化という名の下に、社会保障や義務教育関係の国庫補助金も公共土木事業投資などの補助金と一括化する試案を出していることに的確に批判をしています。

>このような自由主義国家という言説を伴った新自由主義的「地域主権改革」は、高度成長期の「開発主義国家」、特に中央集権主義と官僚主義への”解毒剤”にはなるとしても、積極的労働市場政策と最低賃金制度・最低生活保障制度の構築にも、・・・結びつきにくい。

というのはまったくその通りだと思うのですが、その後の

>そこでわたしが対案として差し当たり考えているのが、言葉は熟さないが「自治体版福祉国家」である。

というのですが、その後の論述を読んでいっても、なかなかそこがすとんと落ちないのですね。

まあ、わたしは今号の特集についてはあまりいい読者ではないというべきなのかも知れません。「新しい公共」という理念は、たとえば田嶋さんの書かれる労働者協同組合などいろんな可能性はあるとは思いますけど。

今号で面白かったのは、あまり本筋じゃないですが、木下武男さんと五十嵐泰正さんの「龍馬伝」をめぐる対談(というか放談?)です。あと、後藤和智さんの城繁幸批判。

市野川容孝(東京大学教授)
  連載:労働と思想7
  J-J・ルソー『社会契約論』を読む

  不平等な社会をどう変えるのか
  「社会的な契約」による2つの答えとは


木下武男(昭和女子大学教授)+五十嵐泰正(筑波大学講師)
  連載:ユニ×クリ
  新党たちはなぜ坂本龍馬の夢を見るのか


佐藤敬二(立命館大学教授)
  新連載 実践的労働法入門 第2回 「内定」のない内定取り消し


後藤和智
  新連載 検証・格差論 連載第1回 城繁幸
  ――「昭和的価値観からの脱却」の暴走

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