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2010年7月24日 (土)

OECD『社会的企業の主流化』

67889 OECD編『社会的企業の主流化-新しい公共の担い手として』を、翻訳に当たった連合総研よりお送りいただきました。ありがとうございます。ていうか、連合総研もいろいろと手を広げますね。

http://www.akashi.co.jp/book/b67889.html

社会的企業とは、協同組合という形であれ、会社という形であれ、様々な社会的サービスの提供や就業・雇用の場の提供という目的を追求する企業体ですが、OECDでも地域経済雇用開発という文脈で10年間研究が行われ、その成果がこの報告書というわけです。

訳者はしがき(薦田隆成:連合総合生活開発研究所長)

 序文(セルジオ・アルゼニ:OECD企業家・中小企業・地域開発センター局長)

 要旨

第1章 ヨーロッパにおける社会的企業の法的構造と立法の新しいフロンティア:比較分析
 第1節 ヨーロッパにおける社会的企業規制:主な論点
 第2節 いくつかのヨーロッパ諸国で最近行われた改革:法的形態と組織モデル
  2.1 協同組合モデル:イタリア、ポルトガル、フランス、ポーランドのケース
  2.2 会社モデル:ベルギーとイギリスのケース
  2.3 「自由選択形態」モデル:フィンランドとイタリアのケース
 第3節 モデルの比較と政策課題の分析
  3.1 社会的最終目的の定義
  3.2 積極的資産配分と消極的資産配分との間で:非分配制約と資産の封じ込め
  3.3 ガバナンス構造:いかなるステークホルダーに対していかなる権利を付与するのか?
  3.4 説明責任と責任体制の問題
  3.5 法的形態に戻って:協同組合なのか、会社なのか、あるいは「自由に定義された」民間活動主体か?
 第4節 ヨーロッパでの展望はいかなるものか?――つぎの展開:社会的企業にかんする白書

第2章 OECD諸国における社会的企業:資金調達の動向
 第1節 はじめに
 第2節 社会的企業:簡潔な概観
  2.1 歴史的事情:制度的革新のためには経路依存性が重要
 第3節 社会的企業の資金調達
  3.1 最近の傾向:概観
  3.2 状況の可変性
 第4節 進展する社会的企業向け資金調達の景観
  4.1 社会的企業の資金調達における新機軸の傾向
  4.2 社会的企業に対する資金供給のための新機軸の6分野
 第5節 社会的企業の資金調達の基本構造:社会的金融から持続可能な金融まで
  5.1 行動の「グレーゾーン」としての社会的金融
  5.2 社会的金融セクターの制度的な新機軸
 第6節 結論

第3章 社会的企業を支援する仕組みとしてのネットワーク
 第1節 はじめに:社会的企業の発展を支援する仕組みの重要性
 第2節 社会的企業のためにどのような支援をするのか
 第3節 支援する仕組みの分類
 第4節 クラスター1:アイデンティティ/文化/代表権/質
  4.1 イギリスの社会的企業戦略
  4.2 イタリアの社会的協同組合協会におけるネットワークの質向上のための戦略と手法
 第5節 クラスター2:事業支援
  5.1 事業・就業協同組合
  5.2 バルカ財団:家族から地域社会へ
 第6節 クラスター3:事業分野の発展
  6.1 社会的フランチャイズ
  6.2 再利用とリサイクル型社会的企業
 第7節 クラスター4:地域開発
  7.1 「クームパニオン」:スウェーデンにおける協同組合および社会的企業に対する支援システムの新たなブランド
  7.2 ケベックにおける地域開発協同組合による協同組合の発展および就業への支援
 第8節 結論:社会的企業を支援する仕組みを援助するためのガイドライン
  8.1 ボトムアップ手法と戦略的展望
  8.2 格子型支援体制
  8.3 事業間の相互支援の活用
  8.4 より大きな市場を活用するための支援
  8.5 社会的企業の発展の動力としての支援の仕組み
  8.6 ゆるやかで柔軟な仕組み
  8.7 統合戦略のなかの専門化された仕組み

第4章 社会的企業と地域経済開発
 第1節 はじめに
 第2節 イギリスとイタリアにおける社会的企業の法的枠組み
 第3節 企業理論における社会的企業
 第4節 社会的企業の配分機能
 第5節 地域経済開発の新たな概念
 第6節 社会的企業の地域開発への影響
 第7節 政策介入
 第8節 結論

第5章 連帯協同組合(カナダ、ケベック州):社会的企業が社会的目的と経済的目的を結合できるようにする方法
 第1節 はじめに
 第2節 グローバルな視点からみたマルチステークホルダー型協同組合の発展
  2.1 グローバル経済、グローバルな技術
  2.2 人口動態の変化
  2.3 国家の役割
  2.4 マルチステークホルダー型協同組合モデルの付加価値
  2.5 マルチステークホルダー型協同組合の法的認可
 第3節 ケベック州の連帯協同組合の背景
  3.1 共助組織と協同組合の発展
  3.2 ニーズの顕在化
  3.3 地元開発
  3.4 村落の消滅
  3.5 託児所の発展
  3.6 労働市場の統合
  3.7 在宅サービス
  3.8 連帯協同組合の定義
  3.9 最近の変化
 第4節 連帯協同組合の展開
  4.1 活動領域
  4.2 さまざまな角度からのデータ
  4.3 連帯協同組合の発展支援
 第5節 2つの視点からみた連帯協同組合
  5.1 社会的結束
  5.2 保健医療サービス
 第6節 結論と提言
  6.1 提言

 執筆者紹介
 訳者紹介

翻訳陣は

〈連合総研翻訳プロジェクト〉
薦田隆成(連合総研所長:要旨、第1章)
宮崎由佳(連合総研研究員:第1章)
成川秀明(連合総研客員研究員:第2章)
澤井景子(連合総研主任研究員:第2章)
麻生裕子(連合総研主任研究員:序文、第3章、執筆者紹介)
小熊栄(連合総研研究員:第3章)
松淵厚樹(連合総研主任研究員:第3章)
大谷直子(前連合総研研究員:第4章)
山脇義光(連合総研研究員:第5章)
南雲智映(連合総研研究員:第5章)
高島雅子(連合総研研究員:第5章)
高木郁朗(山口福祉文化大学教授、教育文化協会理事:翻訳アドバイザー)

と、まさに連合総研の総力を挙げた翻訳プロジェクトですね。

ちなみに、OECDに先立ってEUでも地域雇用開発の観点から「第3のシステム」という呼び名でこの種の社会的経済部門を取り上げていました。それについては、今から10年前に『月刊自治研』に小文を書いたことがあります。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/chiikikoyou.html(EUの地域雇用創出政策と第3のシステム(ソシアル・エコノミー)

先日、協同総研に呼ばれたお話ししたこともありますが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-6897.html(協同総研にて)

こういう社会的企業を法制的にどのように位置づけていくかというのは、労働法学の立場からももっと真剣に取り組まれていいことでありましょう。

昨日著書を紹介した松尾匡さんは、マクロ経済論の一方でこういう協同組合経済にも志向性を示しておられますが、このあたりもうまく学際的なつながりができればいいなと思っています。

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