2011年度連合の重点政策
昨日、連合が「2011年度連合の重点政策」を公表しました。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/kurashi/seisaku/jyutenseisaku2011.pdf
今年6月に政府が策定する予算編成の基本方針に反映させることを目的としたものです。与党的立場からの政策要望としては初めてということになりますので、中身を覗いてみましょう。
総論は、「デフレ脱却・消費回復が日本経済の喫緊の課題」「悪化する雇用・労働環境とディーセントワークの実現」「生活不安の払拭に向けた社会的セーフティネット機能の強化」「ワーク・ライフ・バランス社会の実現」「今後目指すものは希望と安心の社会づくり」といった、我々から見れば文句のつけようのない言葉が並んでいます(といっても、人によっては文句たらたらかも知れませんが)。
各論にいきますと、まず目を惹くのが、「ワークルールの確立」の中にある
>②雇用のあるべき原則や働きがいのある人間らしい労働の確保などを定める「雇用憲章」(仮称)の策定
です。
実は、今は誰も覚えていないかも知れませんが、その昔自由民主党が「労働憲章」というのを策定したことがあります。労働大臣を4回やった石田博英さんが先頭に立って作ったものですが、その後労働政策が労働憲章に立脚して行われたという話もあまりありません。
もちろん、連合としては、雇用憲章が策定されればそれを梃子にして、さまざまな労働政策の実現の補助輪として活用していきたいということなのでしょう。
それから、労働者代表制についての記述が労働組合との関係に大変神経を使ったものになっています。
>労働者代表制は、連合「労働者代表法要綱骨子(案)」をもとに、「多様性、透明性、公正性の確保」「労働組合との役割分担の明確化」「労働組合の関与」「労働組合の優先」を組み込んだ制度とし、研究を行う。
教育のところには、しっかり労働教育が書き込まれています。
>学校から職場・社会への円滑な移行に向け、自立した社会人としての基本的な知識、・意識や職業能力向上のための教育を進め、学生が社会の仕組みや雇用の関係、ワークルールについて十分に学習できるようカリキュラムの見直しを行う。
>働く者の権利、労働組合の必要性など、「労働の尊厳」の観点から勤労観・職業観を醸成するための教育や、労働体験の機会を充実させる。
これは、ゼンセン同盟出身の川端文部科学大臣への要望ということになりましょう。
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