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人格障害と個別労働関係紛争

少し前に、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-c5e5.html(労働法制と発達障害者)

というエントリで、

>労働局の個別労働関係紛争の実態を見ていくと、これは発達障害が原因ではなかろうかと思われる事案が結構見られます。

と述べましたが、その後、精神医学関係の本をいろいろと読み進めていくと、発達障害ともいえるけれど、むしろ人格障害(パーソナリティ障害)といった方が近いのではないかというケースが多いことに気がついてきました。

418ilwfkobl 『アスペルガー症候群』の岡田尊司さんの『境界性パーソナリティ障害』(幻冬舎新書)や『パーソナリティ障害』(PHP新書)などを読んでいくと、労働局のあっせん事案に出てくるやりとりを彷彿とさせるものがけっこうあるんですね。

>元々はしっかり者で思いやりのある人が、心にもなく人を傷つけたり、急に不安定になったり、自分を損なうような行動に走ったり――不可解な言動を繰り返す、境界性パーソナリティ障害。ときには、場当たり的なセックスや万引き、薬物乱用や自傷行為、自殺にまで至ることもあります。
「わがままな性格」と誤解されることもしばしばですが、幼い頃からの体験の積み重ねに、最後の一撃が加わって、心がバランスを失ってしまった状態なのです。

なぜ現代人に増えているのか、心の中で何が起きていているのか、どのように接すればいいのか、どうすれば克服できるのか。治療の最前線に立つ臨床家が、豊富な臨床経験と印象的な具体例、最新の研究成果を盛り込みながら、わかりやすく解説しています。
境界性パーソナリティ障害について学ぶ人だけでなく、実際にそうした問題を身近に抱えている人に、多くのヒントと勇気を与えてくれることでしょう。

Htbookcoverimage >パーソナリティ障害とは、偏った考え方や行動パターンのために、家庭や社会生活に支障をきたしている状態のこと。愛を貪る、賞賛だけがほしい、主人公を演じる、悪を生き甲斐にする、傷つきを恐れる…現代人が抱える生きづらさの背景には、ある共通の原因があるのだ。本書は、境界性、自己愛性、演技性、反社会性、回避性など、パーソナリティ障害の10タイプそれぞれについて、克服や援助の際にポイントとなる点を具体的に記す。精神医学的な観点から書かれた生き方術の本。

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コメント

うーん、hamachanさんがここまで到達されるとは、感慨ひとしおです。そのあくなき探究心に脱帽します。たしかに、岡田尊司さんの著書は参考になります。
わたしもブログで書いていますが、個別労働関係紛争の両方の当事者にパーソナリティ障害が疑われるケースが多いようです。
いよいよ、労働研究と臨床医学の交流の兆しがここでも現れはじめたかという感じです。
いままで「制度論」に特化されていた方々の幅広い興味の喚起を期待いたします。

投稿: ohmasakun | 2010年5月17日 (月) 16時51分

自分の元内縁の夫も人格障害者でした。
私にコンプレックスを抱いていたらしく、とにかく虐めるようにセックスを週4~5回はねだって、しないと大声で怒鳴り、拒否すると護身用のスタンガンを当てる…。ヘトヘトになりました。
今度、婚約破棄調停を起こす予定です。
この人のお陰で、人生ズタズタにされましたから。
まあ、自分が障害者だから自分が負けるのが目に見えていると言われて諦めろと周りから言われてますけど…、諦めてません。

投稿: なでしこ | 2010年5月20日 (木) 14時05分

ちょっとわたしも専門的によくわかってないのですが、「うつ病」=精神障害として労災認定を申請されている方が、じつはパーソナリティ障害だということもあるわけで、でもうつ病と「人格障害」は重なる部分もあり、そのあたり「労働」サイドから考察するのと、「医学」サイドの見解はすり合わせが難しいと思います。
たとえば、「境界性パーソナリティ障害」からくる「労災」は認定されるのでしょうか。
hamachanさん、このあたり悩ましいですね。厚生労働省の「指針」では、パーソナリティ(人格)障害は、対象になっていないのでは・・・?

投稿: ohmasakun | 2010年5月21日 (金) 16時35分

「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」の対象疾病は、1999年の基本通達において「原則として国際疾病分類第10回修正(以下「ICD-10」という。)第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類される精神障害とする。なお、いわゆる心身症は、本判断指針における精神障害には含まれない」とされています。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/090316c.pdf


ここには、

>F0 症状性を含む器質性精神障害
F1 精神作用物質使用による精神および行動の障害
F2 精神分裂病、分裂病型障害および妄想性障害
F3 気分[感情]障害
F4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害
F5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
F6 成人の人格および行動の障害
F7 知的障害(精神遅滞)
F8 心理的発達の障害
F9 小児<児童>期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害、詳細不詳の精神障害

が含まれます。

これが昨年若干改訂されましたが、

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/090316h.pdf


対象疾病は名称が少し変わったくらいです。
もっとも、この指針は職場における心理的負荷によってこれらが発症したことが対象なので、「境界性パーソナリティ障害を発症した」というのが逆に難しいのかも知れません。このあたりは私もよく分かっていないところですが。

投稿: hamachan | 2010年5月21日 (金) 17時29分

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